Windows Developer Preview、VHDブートでプレビュー
2011年9月13日、開発コード名“Windows 8”として知られる、次期Windowsの開発者向けプレビュー版「Windows Developer Preview」が公開されました。デスクトップ版はWindows Dev Center([URL] http://dev.windows.com)より無償にて、サーバー版はMSDNサブスクリプションを通じて入手することができます。私はと言えば、早々にCOMPUTERWORLDさんにスライドショー形式の速効プレビュー記事を書かせていただきました。
COMPUTERWORLD > Windows 8 Developer Preview ファースト・レビュー (2011/9/16)
COMPUTERWORLD > Windows Server 8 ファースト・ルック (2011/9/19)
今回は、Windows 8に興味があって、どうしても試用してみたいという方向けにお伝えしておきたいことなど。
私は開発者ではないので、Windows Developer Previewの試用は、実は気が進みません。もしあなたが、Metro(メトロ)スタイルのアプリを開発したいと思っている開発者でないのなら、決してお勧めしません。Windows 8はまだBetaにも達していない開発途上のビルドです。このあと、順調に開発が進んだとしても、Beta、Releace Candidate(RC)というマイルストーンを経て、Release To Manufacturing(RTM)が完成し、製品リリースとなります。なにしろ、製品名さえ、決まっていない代物です(Windows 8はコード名です!!)。
そのことを承知の上で、どうしても試してみたいという方は、どうなっても構わない評価用マシンを準備してください。それができないなら、既存環境に影響しない、仮想マシン環境で評価しましょう。Windows 8の開発チームのブログにあるとおり、Windows Virtual PCやVMware Playerの仮想マシンではインストールできず、動かすことができません。Hyper-Vなら問題なく動かすことができます。Oracle VM VirtualBox(無償)の仮想マシンにもインストールして動かすことができますが、VirtualBox Guest Additionsは対応していません。私は確認していませんが、先日リリースされたVMware Workstation 8.0(有償製品)でも動くそうです。
MSDN Blogs > Building Windows 8 > Running Windows 8 Developer Preview in a virtual environment
[URL] http://blogs.msdn.com/b/b8/archive/2011/09/16/running-windows-8-developer-preview-in-a-virtual-environment.aspx

マルチタッチのデバイスで試したい、あるいは最新のHyper-V 3.0を試したいという場合は、物理マシン環境にインストールする必要が出てきます。その場合は、既存システムへの影響が最小限で済む、VHDブートをお勧めします。Windows Developer Previewは、デスクトップ版もサーバー版も、VHDブートをサポートしています。
VHDブート環境へのインストールはそれほど難しくありません。Windows Developer PreviewのISOイメージを焼いたDVDメディアで起動し、[Install Windows]ウィザードが開始したら、[Shift]+[F10]キーを押してコマンドプロンプトを表示させ、次のコマンドラインを実行して、ローカルディスク上にVHDを作成し、アタッチします。この例では、容量可変タイプで最大20GBのD:\VHD\WIN8.VHDを作成しています。なお、キーボードが英語配列になっていると思います。[=]は[~]キー、[:]は[Shift]+[;]キー、[\]は[]]キーで入力できます。
X:\Sources>DISKPART
DISKPART> CREATE VDISK FILE=D:\VHD\WIN8.VHD MAXIMUM=20480 TYPE=EXPANDABLE
DISKPART> SELECT VDISK FILE=D:\VHD\WIN8.VHD
DISKPART> ATTACH VDISK
DISKPART> EXIT
X:\Sources>EXIT

VHDを作成、アタッチしたら、[Install Windows]ウィザードに戻り、アタッチしたVHDの領域(ディスクサイズとUnallocated Spaceから判断)を指定してインストール先として選択するだけです。“Windows cannot be installed to this disk. (Show Details)”は完全無視で進みましょう。あとは、勝手にやってくれます。通常のインストール手順と変わりません。

Windows 7とWindows Developer Previewをデュアルブート環境にした場合(VHDブートでなくても)、OS選択画面がこのようにグラフィカルになります。マウスも使用できます。「Change defaults or choose other options」のところをクリックすると、起動環境の変更(Change the timer、Choose the default operating system)、トラブルシュートのオプション(Refresh your PC、Reset your PC、Advanced options)や詳細オプション(System Restore、System Image Recovery、Automatic repair、Command Prompt)、電源切断(Turn off your PC)にアクセスできます。もちろん、マウス操作で。

物理マシンに環境にインストールする場合、ダウンロードしたWindows 8 Developer PreviewのISOイメージをDVDメディアに焼く必要がありますが、焼き方によっては[Install Now]をクリックした直後に”Load Driver: A required CD/DVD drive device driver is missing. If you have a driver floppy disk, CD, DVD, or USB flash drive, please insert it now.”と表示され、インストールを開始できないことがあるようです。私の環境の場合、書き込みソフトの標準の4倍速 (4.0x) の速度で書き込んだところ、この問題に遭遇しました。2.4倍速 (2.4x) に速度を落として焼き直したところ、問題は解消されました。

VHDブートのもう1つの方法として、OSをインストール済みのVHDを使用して、物理マシンを起動する方法があります。それには、Hyper-Vの仮想マシン環境で、仮想マシンにWindows 8 Developer Previewをインストールし、Sysprepを実行してOSイメージを汎用化したVHDファイルを作成します。それを、VHDブートしたい物理マシンのWindowsブートマネージャーに登録します。

Windows 7やWindows Server 2008 R2(それ以前はVHDブートに対応していません)を実行している物理マシンの場合は、管理者として実行したコマンドプロンプトで、以下のコマンドラインを実行することで、VHDファイルをVHDブート用に登録できます。この例は、VHDファイルのパスが C:\VHD\WIN8.VHD の場合です。
C:\Windows\System32>BCDEDIT /copy {current} /d "Windows Developer Preview"
エントリは {Windows Developer Preview用のGUID} に正常にコピーされました。
C:\Windows\System32>BCDEDIT /set {Windows Developer Preview用のGUID} device VHD=[C:]\VHD\WIN8.VHD
C:\Windows\System32>BCDEDIT /set {Windows Developer Preview用のGUID} osdevice VHD=[C:]\VHD\WIN8.VHD
Windows 7やWindows Server 2008 R2のVHDブート環境は、これだけで作成完了なのですが、Windows 8 Developer Preview の場合、これだけでは不十分です。実は、Windows 7やWindows Server 2008 R2 の Windows ブート マネージャー(システム ボリュームにある bootmgr)は、Windows 8 Developer Preview を正しく起動できないのです。そのため、Windows 8 Developer Preview の起動エントリを選択して起動しようとすると、[スタートアップ修復]が開始してしまいます(キャンセルしないと、起動エントリが削除されるかも)。

この問題を回避するには、Windows 8 Developer Preview のDVDメディアで起動して、[Shift]+[F10]キーでコマンドプロントを開き、DVDメディアのルートにある bootmgr (X:\bootmgr) を、システム ボリュームのルートにコピーします。なお、既存の bootmgr には、読み取り専用、システムファイル、隠しファイル属性が付いていて、上書きコピーできないので、属性を解除してから、ファイルをバックアップした上で、コピーしてください。
X:\Sources>ATTRIB -R -S -H C:\bootmgr
X:\Sources>REN C:\bootmgr C:\bootmgr.7
X:\Sources>COPY X:\bootmgr C:\
X:\Sources>ATTRIB +R +S +H C:\bootmgr
これで、めでたく Windows 8 Developer Preview を VHD ブートできるようになるはずです。なお、この方法で VHD ブート環境を作成した場合、Windows 8 Developer Preview で新しくなった起動オプションの GUI は利用できないようです。

Windows 8 Developer Previewの評価が終わったら、きれいさっぱり削除してしまいましょう。Windows 8 Developer Previewでない、元々のOSを起動して、管理者として実行したコマンドプロンプトで、以下のコマンドラインを実行します。システム ボリューム上にWindows ブート マネージャーのコンポーネントが残ってしまいますが、その他のローカル ドライブからはWindows 8 Developer Previewの環境は完全に無くなります。システムボリュームの残骸が気になるようなら、システムボリュームのバックアップから復元復元してください。
C:\Windows\System32>BCDEDIT /default {current}
C:\Windows\System32>BCDEDIT /set {Windows Developer Preview用のGUID} osdevice VHD=[C:]\VHD\WIN8.VHD
C:\Windows\System32>DEL C:\VHD\WIN8.VHD
VHDブートについては、過去の投稿も参考にしてください。容量可変タイプのVHDを使用する際の、ディスク領域の注意点など書いてあります。Windows 8 Developer Previewには、最低限、20GBの容量可変または容量固定タイプのVHDを作成すればOKです。
COMPUTERWORLD Blog > VHD ブート再考 (その1) (2010/11/8)
COMPUTERWORLD Blog > VHD ブート再考 (その2) (2010/11/8)
COMPUTERWORLD Blog > VHD ブート再考 (その3) (2010/11/8)
COMPUTERWORLD Blog > VHD ブート再考 (その4) (2010/11/29)
COMPUTERWORLD Blog > VHD ブート再考 (おまけ) (2010/12/13)