今年も新語・流行語大賞の季節に...
最近テレビやラジオ、新聞などで「ダウンサイジング」という言葉をよく聞くようになりました。「(車の)エンジンをダウンサイジングしました」「家計をダウンサイジング」などなど。「ダウンサイジング」と聞くと、20年近く前にIT業界で流行した、あの言葉を思い出します。口に出すのもはばかれるあの言葉です。「ネ」「オ」「ダ」「マ」です。今回は「ネオダマ」にかけて、今日のITのキーワード、新語を考えてみます。大したオチのない、無駄話です。
当時は、「次期システムは、ネオダマを基本にクラサバで」「今期の目標はネオダマの全社推進」「今年のネオダマフェアの目玉は?」「ネオダマのマって何だっけ」「ネぇ、オダマりなさい」とか、そこかしこから聞こえてきたっけかな(?)。私としては、流行っていた当時から「Web 2.0」や「ダイ・ハード4.0」(この前、テレビでやってました) と同じような気恥ずかしさを感じていましたが...
それはともかく、ITの歴史を見ると、メインフレームやオフコンからネオダマのクライアント/サーバーへシフトし、従来型のメインフレームやオフコンはレガシーシステムと呼ばれるようになりました。今は、クライアント/サーバーから、仮想化というクッションを挟んで、クラウドコンピューティングへと進もうとしています。次は、クライアント/サーバーがレガシーと呼ばれる番のようです。
ネオダマの「ネ」は、「ネットワーク(Network(ing))」の「ネ」でした。当時、すでにTCP/IPやUUCPベースのインターネットは存在していましたが、まだ商用化されておらず、研究目的の利用に限定されていました。この「ネットワーク」とは、LAN(10BASE-5/イエローケーブルや10BASE-2によるローカル・エリア・ネットワーク)やWAN(SLIPやPPPのダイヤルアップ接続や専用線によるワイド・エリア・ネットワーク)によるコンピューター間の通信のほう。プロトコルはTCP/IP、IPX/SPX、AppleTalk、NetBEUIなどさまざま。ファイル共有といえば、NetWareやNFS(PCNFS)が、電子メールはLotus cc:Mailのようなファイル共有タイプが主流だった時代です。
今日でも、インターネット、TCP/IP、ブロードバンド、ワイヤレスWAN、3G/4G回線、Wi-Fiなど、企業のITにとって「ネットワーク」は重要な要素です。「ネ」のままでもいいでしょうが、これからのITのキーワードとして考えると、「ウェッブ(Web)」(2.0が無ければ好きな言葉です)の「ウ」や「クラウド(Cloud)」の「ク」も候補に入れておきたいところ。
ネオダマの「オ」は、「オープンシステム(Open System)」の「オ」でした。システムを1社製品で組み上げるのではなく、さまざまなメーカーのハードウェアやソフトウェアを組み合わせて構築すること。組み合わせやミドルウェアの選定など、SI(システム・インテグレーション)の役割やスキルが、開発者にも増して重視されていた時代です。メーカーだけでなく、UNIX(BSDやSVRのこと、Linuxは登場前)、DOS、Mac(漢字Talk)、Windows、OS/2など、OSもいろいろとありました。
参考:
COMPUTERWORLD Blogs > 垂直統合と水平統合(by 横山哲也氏、2011年10月3日)
今日、WebやJava、仮想化の技術により、プラットフォームの違いは問題にはなりません。「オ」は簡単に、「オープンソース(Open Source)」の「オ」でいきましょう。オープンソースはいまや、非オープンソースも無視できない勢力です。
ネオダマの「ダ」は、「ダウンサイジング(Down Sizing)」の「ダ」でした。IT以外で今流行りの「ダウンサイジング」です。IT業界における当時のダウンサイジングとは、メインフレームやオフコンとダム端末の組み合わせから、PCサーバーやUNIXワークステーションとPCクライアントを組み合わせたクライアント/サーバー・システムへの移行や、分散コンピューティングのことでした。
時代は流れ、現在はメインフレーム回帰のような状況になっています(回帰先はメインフレームではないですが)。企業内に分散してしまったサーバーは、企業内データセンターへ次々に集約されています。そして、企業の次の関心は、プライベートクラウド、パートナークラウド、パブリッククラウドといったクラウドコンピューティングへと急速に移っています。「クラウド」がキーワードになりそうですが、さっき出てきたので、ここでは「サービス」の「サ」にしておきましょう。クラウド(なんとかas a Service)は、ITを資産として持つ形態から、サービスとして利用する時代へと導くものです。
ネオダマの「マ」は、「マルチメディア」の「マ」という説と、「マルチベンダー」の「マ」という説があったようです。「マルチベンダー」だと、「オープンシステム」とかぶるところがあるので、当時の私は「マルチメディア」の「マ」を支持していたはず。
今日のIT環境を見回すと、デスクトップPC、ノートPC、モバイルPC、タブレット、スレート、携帯電話、スマートフォンなどなど、さまざまなデバイスがあります。「マルチデバイス」の「マ」でいけそうです。ですが、まだ出てきていない仮想化も、今日のITで非常に重要な要素。「バーチャライゼーション(Virtualization)」の「バ」も候補に入れておきましょう。
ネオサマ、ウオサマ、クオサマ、ネオサマ、クオサバ、ウオサバ...「ウオサバ」(ウェブ、オープンソース、サービス、バーチャライゼーション)がしっくりきませんか。「魚鯖」。「NEO鯖」も捨てがたいけど。