数の子の塩抜きとクラウドコンピューティング|企業クライアント戦略|ブログ|Computerworld

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企業クライアント戦略

数の子の塩抜きとクラウドコンピューティング

Posted by 横山哲也 ( 2012年01月05日 )

■数の子の塩抜き

筆者は正月料理で「数の子」が一番好きだ。最近は家に動物が増えたので、年末は実家にも帰らず、近所の魚屋で買ってきた数の子の塩抜きをする。

数の子の塩抜きは薄めの塩水で行なう。これを「呼び塩」と呼ぶ。その理由は、数の子内部の塩分濃度と、外側の塩分濃度の差が小さい方が塩分を拡散しやすいから、とされている。

何事も、あまりにも急激な変化は受け入れにくいので、徐々に慣らす方がよい。日本が植民地化を免れたのは、江戸時代にオランダ経由で少しだけ西洋文化が入ってきていたからだという説もある。鎖国政策は「貿易禁止」ではなく「制限貿易」だったため、ヨーロッパの文化が完全に制限されていたわけではない。あまり信頼できない説だが、なんとなく信じそうになる。

Amazon Web Servicesの動き

筆者が今年もっとも注目しているクラウドベンダーはAmazon Web Services (AWS) だ。

AWSは、IaaS (Infrastructure as a Service)、つまりOSを提供するサービスとしてスタートした。使う側からすると「すぐに手配できるレンタルサーバー」と同じだったので、IT管理者にとって使い勝手が良かった。

しかし、AWSのIaaSはレンタルサーバーと大きく違う点がある。それは全てがプログラムから制御できるということだ。システムの起動や停止を自動化することで、特定の時刻だけ性能を上げたり、停止したりできる。AWSは時間課金だから、起動と停止を制御するだけでも通常のレンタルサーバーに比べコストを大幅に抑えることができる。

AWSが提供するメニューはどんどん増えている。DNSやメールサービスなども始まっている。もちろん、全てがプログラム可能である。

最近、ネットワークの世界では「SDN」という考え方が登場した。AKB48の派生アイドルグループではない。「Software Defined Network」の略で、従来ハードウェア毎に構成していたネットワーク構成を、ソフトウェアで制御しようというものだ。SDNの概要はPublicKeyの記事が参考になるだろう。

ITインフラをソフトウェアで制御するというのは時代の流れである。

若いIT管理者の多くはプログラミングのスキルがないが、これからはIT管理者であってもプログラミングのスキルが必要とされるようになる。簡単なもので良いから、ぜひプログラム言語を習得して欲しい。

「プログラム可能」というキーワードはIT管理者にプログラミングスキルを身につけさせる呼び塩となるはずだ。

■Windows Azureの動き

もちろんマイクロソフトのWindows Azureも目が離せない。

Windows Azureは純粋なPaaS (Platform as a Service)であり、.NET対応の言語を使う必要があった。現在は「VMロール」という名前で、限定的にIaaSも提供しているが、その構成はVisual Studioという開発者向けツールを使うのが一般的である。

多くの、特に若い開発者はOSの構成に無頓着である。WindowsファイアウォールやWindows Update、セキュリティポリシーの構成など、基本的なことを習得できていない人もいる。これでは仮想マシンの展開を任せるのは不安である。

AWSとは逆に、Windows AzureのVMロールは、プログラマにIT管理スキルを身につけさせる呼び塩となるはずだ。

■ふたたび数の子

ところで、年末に懇意の魚屋から言われた。

「塩抜き? ああ、真水で十分だよ」

呼び塩など使わなくても、必要に迫られれば頑張らざるを得ないということだろうか。

短時間で塩抜きしたい場合は、「ビニール袋に水と数の子を入れてジャバジャバ振れ」と言われた。やってみると、なるほど、完全ではないがかなり塩が抜ける。もしかしたら、システム管理者に開発ツールを与えてジャバジャバやったらプログラミングスキルも身につくかもしれない。

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