コンシューマライゼーションというワークスタイル
一部の人には「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマ曲として、よく知られているMaynard Fergusonの楽曲『Theme From Star Trek』は、その名のとおり、「スタートレック」のテーマ曲として使われていました。この曲を聴くたびに、子供のころ、スタートレックに出てくるエンタープライズ号を見て、「すげぇ、すげぇ」と話の中身もわからずに喜んでいたのを思い出します。
ITの世界では、エンタープライズという言葉は「企業向け」という意味でよく使われます。そして、対となる言葉として、「個人向け」を表す「コンシューマー」があります。数年前までは、エンタープライズマーケット、コンシューマーマーケットなどと分別して、製品やサービスが販売されていましたが、最近ではその区別がなくなってきたように思います。
それどころか、個人所有のスマートフォンを使って、会社のメールをチェックするようになるくらい、コンシューマーの製品がエンタープライズ環境で使われる現象が見受けられるようになりました。このように、コンシューマー製品を利用して仕事をすることを「コンシューマライゼーション」と呼びます。
では、具体的にコンシューマライゼーションの活用例を見てみましょう。
■スマートフォンからメールボックスにアクセス
コンシューマー向けに販売されているスマートフォンには、普通にWebブラウザとメーラーの機能が付いています。なので、会社のポータルサイトに接続して情報共有する、仕事のメールをやりとりする、ということが「いつでも、どこでも」できるという環境が整います。
■タブレットからRDPアクセス
タブレットに「リモートデスクトップクライアント(RDPクライアント)」のアプリをインストールして、自席もしくは自宅にあるPCに接続し、リモートで業務をこなす、というワークスタイルです。
Webページを見たり、メールチェックしたりするくらいならスマートフォンのプロセッサパワーでも十分ですが、仮想マシンを動かすとなると、そうはいきません。RDPクライアントを使って、リモートのPCに接続してプロセッサパワーを拝借することになります。また、RDPアクセスしている場合、プロセッサパワーのみならず、データもPCに保存されるので、タブレットの紛失や盗難による情報漏えいのリスクは軽減されるメリットもあります。
ただし、ネットワークに接続できるということが大前提なので、大事な打ち合わせやデモンストレーションを行うときに繋がらなくなると、すべてが台なしになってしまいます。
■ソーシャルメディアの活用
ソーシャルメディアは、つい最近まで生産性を低下させる“お遊びの道具”でしかありませんでした。しかし、現在では、Facebookを使って会社の枠を超えた情報共有を行ったり、Twitterを使ったマーケティング活動を行ったりと、さまざまな活用方法が編み出されています。そして、こうした活動をいつでも、どこでもできるようにするために欠かせないのが、スマートフォンやタブレットといった持ち運びが簡単なデバイスなのです。
いかがでしたでしょうか? コンシューマライゼーションに共通している要素として、「だれもが手にできるデバイスを使って、いつでも、どこでも仕事ができる」ということがあげられることがおわかりいただけると思います。
かつては、一定以上の規模の会社でしか購入できないような機材を使ってビジネスを展開することが一般的であり、フリーエージェント(フリーエージェントについては前回のブログ参照)の方々は、やむなくコンシューマー向けのデバイスを使ってビジネスを展開していましたが、今やそうした垣根は相当低くなっていると思います。そして、何よりもコンシューマライゼーションを推進することで、いつでも、どこでも仕事ができることによる生産性の向上が期待できます。
昨今のコンプライアンス対応で、デバイスの持ち出しなど許さん! という会社も多く存在しますが、コンシューマライゼーションのメリットに目を向け、導入を検討してみるのも面白いかもしれません。
社員の方々がお持ちのスマートフォンがすぐそこまで迫っているのですから。