クラウドの市場を広げていく活動 ― Platform<1>
今日、「クラウド化すれば情報システムのTCOを削減できる」といったような記述をよく目にします。
しかし、それらは総じて単に「クラウド=(イコール)仮想化」というように捉えられているケースが多いです。
例えば、“○○○クラウドサービス”というのを色々なところで見たり聞いたりしますが、フタを開けてみると、実際は、ただ1台の物理サーバに仮想OSをいれただけの、以前からある仮想サーバサービスだったりします。 昨今、それらが一緒に混合されることから、ますます“クラウド”が何なのか混沌としている現状ですが、間違いなく言えることは、仮想化だけではTCO削減はできません。
仮想化を使用すればする程、障害のポイントがどこなのか管理がより複雑になりますし、ハードウェアのコストは削減できるかもしれませんが、運用担当者の負荷が上がるなどしてTCOは逆に上がってしまいます。
どこで何が動いていて、どれだけ使用しているかをちゃんとわからないと、今以上に運用が煩雑になってリソース(人)に多くの負荷がかかったり、何か問題が起こったときに復旧するための時間が余計にかかったりということが起こってしまいます。
つまり、仮想化と同時にシステムの運用管理をどうするか、運用管理システムなどの導入もあわせて検討しなくてはなりません。システムの運用管理を検討することなしにはクラウド化のメリットは享受できない、といっても過言ではないと思っています。
私の会社では、主な事業としてPaaS事業を手掛けているのですが、クラウドを実現するにあたりPaaSの技術要素は大きく三つあると考えています。 一つは仮想化、もう一つは先に述べた運用管理、そして、オープンソースです。 
今日では、いろいろなクラウドサービスが出てきていますが、例えばA社のクラウドサービスを採用したら、B社のクラウドサービスに連携もしくは移行ができないということになってしまっては、従来の、メーカーに縛られた環境と同じになってしまいます。オープンソースの重要性に加えて、全ての要素の真ん中に“標準化”の必要性をあげているのはそのためです。
CBAの活動では、その標準化を会社間、団体間を越えて推進することが目的の一つであり、すでにその取り組みをはじめています。
PaaSの側面から見て今一番課題だと思うのは、クラウドというものに関してメーカー等の宣伝・広告などが抽象的なために、何か誤解されがちなところです。ご存知な方も多いと思いますが、前述したクラウドの技術要素は最近急に出てきたものではありません。
仮想化なんて25年以上前からあって、運用システムや手法はもっと前からあって、オープンソースという言葉も定義されて10年以上も経ちます。そういう構成要素を全部ひっくるめて“クラウド”と言っているにすぎません。
CBAでは、システム利用者ならびに提供者の利便性から見た“クラウド”とは何かをもっとアピールしなくてはと考えています。現在はさまざまな形態で、それぞれ独自のクラウドサービスとして提供されていますが、それでは利用者に、真のクラウドコンピューティングの価値を提供できないと考えています。こういうものがクラウドで、このような利用者の要件にはこのようなソリューションを、といった体系化を急がなければとも考えています。
<次回へ続く>
<筆者紹介>
クラウド・ビジネス・アライアンス 理事 株式会社エクシード 代表取締役社長
大手ITメーカーの営業を経て、 2006年に"仮想化"をキーワードに会社を設立。 2009年10月にクラウド型サーバサービス [Libra(ライブラ)]をサービスインするなど、 市場拡大が続くクラウドコンピューティング事業に 注力している。