Windows 7 で IE 6 を実行する方法 (その2) - MED-V
前回は、Windows 7 上で Internet Explorer (IE) 6 と Java ランタイム環境 (JRE) の古いバージョンを動かす 3 つの方法とスクリーンショットをお見せしました。今回は、(B) Microsoft Enterprise Desktop Virtualization (MED-V) は、Microsoft Desktop Optimization Pack (MDOP) for Software Assuarance (SA) で提供されている仮想化テクノロジの 1 つです。MDOP は、Windows 7 Professional や Enterprise の SA 付きボリューム ライセンスを購入した企業や組織が、年間契約で購入できるサブスクリプション ライセンスです (詳しくは、公式サイトへを参照のこと) 。
MDOP という製品の特殊な提供形態や、登場したばかりで、現状、英語版しか存在しない(日本語環境でも使用可)ことなどから、MED-V がどのようなものなのか、具体的に理解している人は少ないと思います。MED-V については、以前、COMPUTERWORLD.JP の連載「仮想化の教室 第 9 回」でも解説しましたが、最新の情報を含めて、改めて解説します。
MED-V は、レガシー アプリケーションの互換性ソリューションとして、Microsoft Virtual PC 2007 Service Pack (SP) 1 ベースの仮想マシンのイメージを、クライアントに配信するテクノロジです。配信された仮想マシンはバックグラウンドで実行され、ユーザーは、仮想マシンにインストールされたレガシー アプリケーションを、ホスト OS のスタートメニューから呼び出し、ホスト OS のデスクトップ上でアプリケーションを操作できます。仮想マシンのアプリケーションをホスト OS から起動し、ホスト OS のデスクトップ上で操作できるというエクスペリエンスは、Windows XP Mode とそっくりです。しかし、テクノロジとしてはまったく異なるものです。
MED-V の最初のバージョン MED-V 1.0 (英語版) は、2009 年 4 月に MDOP 2009 の一部としてリリースされました。最新バージョンは、2010 年 4 月にリリースされた MDOP の最新バージョン MDOP 2010 Refresh に含まれる MED-V 1.0 SP1 です。MED-V 1.0 は、ホスト OS として Windows XP Professional SP2 (x86) 以降および Windows Vista Business/Enterprise/Ultimate SP1 (x86) 以降、仮想マシンのゲスト OS として Windows 2000 Professional SP4 および Windows XP Professional SP2 (x86) 以降をサポートします。MED-V 1.0 SP1 では、ホスト OS として Windows 7 Professional/Enterprise/Ultimate (x86 および x64) が追加されました。ただし、Windows 7 においても、仮想化テクノロジとして Microsoft Virtual PC 2007 SP1 が必要になります。MED-V の現行バージョンは、Windows 7 の Windows Virtual PC には対応していません。この点だけでも、MED-V と Windows XP Mode がまったく違うものだとわかります。
MED-V のシステム要件について詳しくは → MED-V 1.0 SP1 Supported Configurations

MED-V Server は、HTTP または HTTPS で MED-V Client からの接続を受け付け、仮想マシンのイメージとポリシーを配信する役割を持ちます。MED-V 1.0 SP1 Server は、Windows Server 2008 Standard/Enterprise x86/x64 および Windows Server 2008 R2 で動作します。MED-V Server には、管理ツールとして MED-V Server Configuration Manager がインストールされます。このツールは、ポート番号やイメージ パス、レポート (ログ) の設定など、初期設定を行うためのもので、初期設定後はほとんど操作することはありません。
MED-V の仮想マシン イメージの作成と実行には、Microsoft Virtual PC 2007 SP1 (MED-V 1.0 SP1 用の更新プログラムがいくつか必要です) を使用します。前回の例のように、IE 6 と JRE の環境を展開するための手順の流れを、詳細を省いて説明します。
ます。続いて、MED-V Management コンソールを使用し、ロー
カルに作成した仮想マシン イメージを使用して、ポリシーの定義と仮想マシン イメージのセットである Workspace を構成します。
ポリシーとしては、仮想マシンの実行モード (Seamless Integration または Full Desktop) や Workspace の自動起動の設定、アイドル時の休止設定、スタートメニューに公開するアプリケーションのショットカットの設定、初回起動時の Sysprep ミニセットアップを自動化するための応答スクリプト (Sysprep.inf) の記述、仮想マシンのメモリ割り当てなどを行います。この他、仮想マシンのイメージに有効期限を設定し、有効期限切
れで仮想マシンを自動削除するといった構成や、ホストとゲストのどちらの Web ブラウザーを使用するかをドメイン サフィックスで自動切り替えするといった構成など、レガシー アプリケーションの互換性ソリューションとしての一時的な利用を想定した便利な機能をポリシーで構成できます。
仮想マシンのイメージは、まず、ローカルでパッケージ化し、圧縮されたパッケージを MED-V Server にアップロードします。
t への配信クライアントには、MED-V Client と Microsoft Virtual PC 2007 SP1 が必要です。MED-V Client を初めて起動し、Active Directory のドメイン アカウントでログオンすると、MED-V Server から Workspace がダウンロードされ、ローカルに仮想マシンのイメージが展開されます。そして、Mosoft Virtual PC 20
07 SP1 によって Workspace が起動され、バックグラウンドで待機されます。Workspace の初回起動時には、ポリシーに定義した応答ファイルにしたがって、ゲスト OS が自動構成されます。
エンド ユーザーは、スタートメニューに自動登録された MED-V Applications メニューから、仮想マシン内のアプリケーションを起動し、ホスト OS のデスクトップ上でアプリケーション ウィンドウを操作できます。
なお、MED-V Client では、Microsoft Virtual PC 2007 Sp1 の表示言語が強制的に英語 (English) に変更されます。また、MED-V Workspace を実行中は、Microsoft Virtual PC 2007 Sp1 の UI を使用できなくなります (通常の方法で仮想マシンを実行できなくなります)。
かなりはしょっていますが (ローカル イメージを使用したテストなど) 、MED-V 環境の構築のだいたいの流れはこんな感じです。1 つの仮想マシン イメージを多数のクライアントに展開できること、ポリシー ベースで集中管理できること、そして仮想マシンのライフサイクル (初回起動時の自動構成から稼働制御、有効期限による自動削除まで) を管理できること、これが MED-V の特徴と言えます。