坂の上のクラウド(前編)|クラウドコンピューティング|ブログ|Computerworld

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クラウドコンピューティング

坂の上のクラウド(前編)

Posted by Cloud BusinessAlliance ( 2010年05月06日 )

「クラウド」という言葉の広がりと認知が、急速に広がりました。急速に広がっただけに、「クラウド」に関するユーザー企業の理解と期待値には、かなりのバラツキがあるように感じます。

先日、日本の大手企業のCIO(最高情報責任者)の方々の集まりに、ご一緒する機会がありました。大手企業のCIOの本音としては、もちろん、クラウドは、注目すべきテーマではあるが、あくまで検討テーマのひとつであって、少なくとも私がお話した10数名のCIOの中には、パラダイム・シフトとして捉えている方はおらず、ITベンダー側の「クラウド協奏曲」的盛り上がりと比較すると、まだまだの感があります。

一方、中小企業はどうでしょうか?中小企業の場合、専門の情報システム部門自体を持たない企業も多く、サービスとしてのIT活用に対しても、より受け入れやすい環境にあります。本当にビジネスに直結するかという観点では、大企業以上にシビアであり、ビジネスにプラスになるのであれば、「どんどんクラウドも活用して行こう。」という積極的姿勢の企業がある一方、「そもそもITにコストをかけても、うちのビジネスには直結しない。」と決めてかかられているケース、「クラウドでどれだけ安くなるの?」という反応など、まちまちのようです。

日本の現状を冷静に見ると、上記のような状況ではありますが、それでも、着実に「クラウド」の波は広がっていると思います。

これまで、国外にデータを置くことへの抵抗感、セキュリティやサービスレベルに関する不安について、よく言われていましたが、これについても、少しずつ薄れてきているように感じます。自社管理のオンプレミスのシステムが、海外大手ベンダーのクラウドと比較して、必ずしも信頼性が高いわけではないという認識もひろがりつつあるようです。

また、情報システム部門内での「クラウド」活用の整理として、コア業務は「プライベート・クラウド」環境で運営し、それ以外のコンテキスト業務は、「パブリック・クラウド」の活用を積極的に検討していき、さらに、「プライベート・クラウド」と「パブリック・クラウド」のデータ連携をとること(ハイブリッド化)で、より最適化をすすめる、という大枠の考え方も一般的になりつつあるようです。

クラウドに関する理解と利用は着実に進みつつありますが、メディア等で「クラウド」の事例として紹介されるのは、官公庁でのSalesforceの活用事例やGoogle Appsの適用事例、国産大手企業SI企業のプライベート・クラウド適用などが中心で、イノベーションに繋がるような、本当の意味での成功事例は、まだまだこれからです。

話はそれますが、ウェブの活用が急速にひろがった1990年代後半、私は前職のIBM時代に、1998年の長野オリンピックの公式ウェブサイトの開発リーダーを勤めました。長野オリンピックの公式ウェブサイトは、ギネスブック・レコードに認定される程、多くのユーザーに閲覧いただいたわけですが、規模だけでなく、情報発信の迅速性、正確性、ユニーク性等、国内外のマスコミからも、今後のインターネット社会のショウケースとなるサイトだったという高い評価を頂きました。オリンピック・ウェブサイトの大成功は、少なからず、今日のインターネット社会をドライブするのに貢献できたのではないかと自負しています。

日本の中でのクラウドの推進にも、上記のオリンピックの例と同様に、大きな旗となるようなプロジェクトが必要だと思っています。クラウド・ビジネス・アライアンスの中で、変革の呼び水になるような、日本におけるクラウド活用の先進事例、成功事例を作りたいと思っています。

(後編に続く)

<筆者紹介>

友納 健一郎(とものう けんいちろう

クラウド・ビジネス・アライアンス 理事
株式会社EWMジャパン 代表取締役社長

Portlait Mr. TomonohIBMより独立し、2001年にEWMジャパンを設立。企業でのウェブの有効活用のための手法、エンタープライズ・ウェブマネージメントを推進。故郷の佐賀県に子会社EWMファクトリーを設立し、国内オフショアスタイルでのウェブシステムの構築と運用を行うと同時に、ITによる地域活性化をテーマに、様々な取り組みを実施。

クラウド・ビジネス・アライアンス
EWMジャパン

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