App-V 4.6 と Microsoft Office 2010 ( +試用版の話)
2010 年 6 月 17 日に Microsoft Office 2010 の店頭販売が開始されました (企業向けボリュームライセンスは 5 月 1 日から提供済み)。 Office 2010 にはさまざまな新機能がありますが、今回は、Office 2010 が Microsoft Application Virtualization (App-V) で展開されることを意識して開発された初めての製品ということに注目したいと思います。
Office 2010 のボリュームライセンス版 (パッケージ製品は不可) は、App-V 4.6 および App-V 4.5 SP2 の App-V クライアント環境に仮想アプリケーションとして配信することができます。マイクロソフトからは、Office 2010 を App-V でシーケンスするツールと手順が提供されます。
Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=479f12f2-5678-493e-bce1-682b3ece5431&displaylang=en
Prescriptive guidance for sequencing Office 2010 in Microsoft App-V
http://support.microsoft.com/kb/983462/en-us
このドキュメントを見ていただくと分かりますが、App-V で仮想化する手順は決して簡単ではありません。たとえば、シーケンス用 PC および App-V クライアントに Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V をインストールして、複雑で長いコマンドラインを実行する必要があります。
Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V の第一の目的は、Office 2010 で採用されたボリューム ライセンス (VA) 2.0 認証への対応です。VA 2.0 は、Windows Vista Enterprise や Windows 7 Enterprise と同じボリュームライセンス製品のための新しい認証方法で、認証をまとめてで行う KMS ホストによる認証、または MAK キーによる個別認証のいずれかを実行する必要があります。Office 2007 の VA 1.0 では、ライセンス認証を省略するボリュームライセンスキー (VLK) を使用できたので、App-V で仮想化する際にライセンス認証が問題になることはありませんでした。Office 2010 の VA 2.0 では、ボリュームライセンスにおいてもライセンス認証を省略できないため、シーケンス時、およびクライアントへの配信後のアプリケーション起動時にライセンス認証が要求されます。Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V は、この VA 2.0 ライセンス認証に対応したコンポーネント (OffVirt.msi) が含まれています。
Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V はまた、以前の Office アプリケーションを App-V で仮想化した場合に制限されていた次の機能をサポートします。
通常、App-V を使用してアプリケーションを仮想化し、クライアントに配信しようという場合、仮想化しても正常に動作するかどうかの検証作業が必要です。Office 2010 は、App-V でシーケンスする正しい手順が用意されており、検証作業を行わなくても、仮想化した場合の制約事項が明確だということです。
Office 2010 Home and Business の試用版は、「クイック実行 (Click to Run)」と呼ばれる新しい方式で提供されています。
実はクイック実行には、App-V のテクノロジが利用されています。仮想アプリケーションがクライアントにストリーム配信され、ダウンロードが完了するとすぐに起動 (試用) できるようになっています。試用版を利用する際にインストールされる「Microsoft Office クイック実行 2010」は、App-V for Desktop Client がベースになっています。試用版をインストールしたら、「C:\Program Files」フォルダーを確認してみてください。「Microsoft Application Virtualization Client」フォルダーができているはずです。Office 2010 のキャッシュは、C:\ProgramData\Microsoft\Application Virtualization Client\SoftGrid Client\sftfs.fsd にあり、仮想的な Q ドライブ (隠しドライブ) に展開されます。Office アプリケーションから「名前を付けて保存」を開くと、Q ドライブを確認することができます。
ちなみに、App-V for Desktop が既にインストールされている App-V クライアントで Office 2010 Home and Business の試用版を利用すると、「Application Virtualization Client」コンソールを使用して、パッケージのステータスを確認できたりします。
なお、ドライブ文字 Q を使用済みの場合 (App-V クライアントでない場合に)、試用版のインストールは失敗します。「この製品は Q: にインストールする必要があります。Q: が使用されていないことを確認してから、再度実行してください。」というわかりにくいメッセージが表示されます。これは、(App-V クライアントが) Q ドライブを使用するから、ドライブ文字 Q を空けておけという意味です。
App-V で配信されるアプリケーションの使用感を手っ取り早く知りたければ Office 2010 Home and Business の試用版 を試してみることです。