米国グーグルは、今後もインターネット・ユーザーにとって有益なサービスを多数構築していくが、検索は長期的にグーグルの事業の中核を占めていく──。グーグルの会長兼CEOのエリック・シュミット氏は5月10日、同社に集まった記者を前にそう説明した。
「現在、当社でこれまで以上の人員が検索技術の開発に取り組んでいることを知ってもらうことは重要だ。検索は相変わらず当社のビジネスの中核および焦点であり、それは今後50年にわたって変わらない可能性が高い」とシュミット氏は述べた。
ユーザーが同社の将来のサービスに影響を与えるという。「エンドユーザーがカギを握っているが、彼らはまだ満足していない」(同氏)
マイクロソフトと同じように、グーグルは1つの市場での独占的地位(グーグルの場合は、人気の高い検索エンジンからの収入)に依存して、多くの関連製品やサービスの開発提供にリソースを注ぎ込んでいると見なされている。
シュミット氏もそのことを認めている。同氏によると、検索は今後長期にわたってグーグルが提供していくサービスのかなめであり、同社は、従来よりも効率的で、個々人に合わせた検索を容易に行えるようにするため、引き続きアルゴリズムの強化に取り組んでいくという。
「当社のモデルは、素晴らしい検索エンジンを構築し、それを中心にさまざまな経験や知識を統合していくというもので、ユーザーもそれを望んでいる」(シュミット氏)
グーグルがその中核技術である検索エンジンをベースに現在提供している拡張サービスは、「Google Book Search」「Google Earth」「Google Maps」「Google Finance」「Google Desktop」など多数ある。同社があまりに次々と新サービスを開始したため、背伸びしすぎていると見る批評家さえある。
一方、シュミット氏は競合他社からの圧力が拡大しつつあることを認め、マイクロソフトとヤフーをグーグルの最大のライバルと名指ししたが、その競争は「健全」なものだと語り、オークション型の広告サービスは競争によって価格が上昇するため、参入企業すべての売上げを拡大させていると説明した。
さらにシュミット氏は、新サービス提供とパフォーマンス保証のために、同社のストレージおよびネットワークのインフラを増強する予定だと語った。ユーザーからは、Google Desktopやモバイル検索エンジン「Google Mobile」といった拡張サービスの一部がうまく機能していないと、批判する声も上がっていた。
Web検索大手3社への関心度
参考として、Googleサイト上の検索結果から見たWeb検索大手3社への関心度をグラフ表示してみた。グーグルが10日に公開した「Google Trends」機能を用いて作成したもので、「Google」「Yahoo」「MSN」の各ワードに対する検索量を、それぞれ青色、赤色、オレンジ色の線で表示させてある。グラフ上部は、Googleサイトで検索されたワード量、グラフ下部はGoogle Newsサイトで検索されたニュース記事量に基づいている。
| Googleサイト上の検索結果から見たWeb検索大手3社への関心度 |
このグラフを見ると、Google(青色)の関心度が2004年末から2005年前半にかけて急速に高まり、2005年初頭にMSN(オレンジ色)と並び、Yahoo(赤色)に迫っている様子がよくわかる。上の記事で、シュミット氏が「最大のライバルとしてマイクロソフトとヤフーを名指した」ゆえんだ。
なお、グラフ上に表示されたA〜Fのアルファベットは、グーグルに関する経済ニュースが起きたタイミングを示している。ニュースの内容はそれぞれ、(A)「新規公開に伴い、株価の初値が85ドルで決まる」、(B)「同社が2004年第3四半期の決算発表、純利益が前年同四半期比7倍に」、(C)「株価が急上昇」、(D)「同社がAOLへの5%出資を発表」、(E)「ヤフーの株価が13%下落、2005年第4四半期の利益が市場予想を下回る」、(F)「グーグルの株価も急落、同四半期の利益が市場予想を下回る」となっている。