クライアント管理にまつわる課題

 エンドユーザーが日常的に用いるクライアントPCの管理は、IT運用管理業務の中でも、最も苦労を伴う仕事と言ってよいだろう。ウイルス/ワームなど外部からの脅威と、顧客情報の漏洩など内部から脅威に備えた包括的なセキュリティ対策はもとより、PCの操作やハードウェア・トラブルに対処するヘルプデスクなど、運用管理スタッフに求められる業務負担は実に大きい。

 一方で、個々のPCに対する管理をもれなく行っていたとしても、それで万全かというと決してそうではない。なぜなら、稼働監視、アクセス制御、ソフトウェア展開など、ツールを用いたクライアント運用管理の対象は事実上、OS上で稼働するプログラムやアプリケーションに限定されるからだ。したがって、運用管理ツールを稼働させるサーバのOS、もしくはクライアントPCのOSに障害が発生すると、大半の管理機能は意味をなさなくなってしまう。

 このようなクライアント管理の課題に対し、有効な解決策を提供すべく積極的な取り組みを行っているのがご存じデルである。以下、「OptiPlex」シリーズの新しいメインストリーム機種「OptiPlex 755」に備わる、強力なリモート運用管理機能をはじめとした特徴・機能を見ていくことにしよう。

AMT 3.0による高度な運用管理機能

 OptiPlex 755は、「OptiPlex 745」「同745c」の後継機種にあたる。デルのクライアントマーケティング本部プロダクトマネージャーグループ マネージャーの井村英三氏によると、新製品は、@Power Efficiency(電力効率)、ADeployment Service(導入サービス)、BIT Managemen(t リモート運用管理)、CSmart Security(スマートセキュリティ)という4つの側面において大幅な機能強化が図られているという。

井村英三氏
デル クライアントマーケティング本部プロダクト
マネージャーグループ マネージャー 井村英三氏

 OptiPlex 755の最大のアドバンテージとなるのが、Bのリモート運用管理である。ユーザー企業は、それぞれが求めるクライアント運用管理のレベルに応じて必要な機能を選択することができる。

 ハードウェア・レベルの運用管理を実現する規格として、ASF(Alert StandardFormat)2.0がある。これは標準化団体のDMTFが策定した国際的な管理標準であり、PCの電源を制御したり、ハードウェアを監視してアラートを発したりといった基本的なリモート運用管理機能を提供する。OptiPlexシリーズでは、従来機種よりASF 2.0に対応した管理機能が用意されてきた。

 OptiPlex 755では、ASF 2.0によるハードウェア・レベルの運用管理が選択できるのはもちろん、インテルのリモート運用管理機能であるAMT(Intel Active ManagementTechnology)についても、最新の3.0をサポートする。AMTは、基本的な管理機能だけでなく、悪意あるパケットを検知した時点で即座にシャットアウトするパケット・フィルタリングのようなセキュリティ機能も備えている。AMT 3.0ではこの機能がさらに強化され、PCから外部に送信するパケットの宛先や送出頻度を監視できるヒューリスティック・フィルタリングへと進化している。

 「OptiPlex 755は、AMT3.0に備わる高度な機能をフルに生かしたクライアント運用管理を実現する。例えば、AMT3.0に対応した管理アプリケーションを併用することにより、ウイルスに感染したクライアントPCをネットワークから隔離し、被害を最小限に食い止めるといった作業も容易に行える」(井村氏

vPro対応──高性能・高信頼性を
確保したビジネスPCの証

 OptiPlex 755で用意されるvPro構成モデルを選んだとき、クライアント運用管理機能はさらに充実したものとなる。vProでは、プロセッサー、チップセット、ネットワークなどのハードウェア・スペックに関する規定に加え、前述したAMTや、仮想化支援機能のインテルVTなどが構成要件として定められているからだ。ユーザーはvPro対応の管理アプリケーションと構成を選ぶことで、強固なセキュリティ対策が必要なアプリケーションやデータを、仮想マシンにより柔軟に運用したり、仮想アプライアンスを設定してセキュアな管理サービスを提供したりすることも今後可能になる。

 vProおよびAMT 3.0が提供する高度な管理機能は、それに対応したシステム運用管理ツールから操作することになる。OptiPlex 755は主要な運用管理ツール製品に対応しているが、デル自身も「DellClient Manager」という管理ツールを無料で提供している。同ツールにより、リモート電源管理、効率的なソフトウェア・パッチ配布、ハードウェア状態監視、リモートからのトラブル・シューティングなどの機能を活用できるようになる。

>OptiPlex 755
OptiPlex 755がサポートしている主な機能・規格

環境への配慮、そしてIT部門の
労力を軽減する導入サービス

 このほかの特徴も見てみよう。@の電力効率の面では、例えば2007年7月に改定された消費電力基準の国際エネルギースタープログラム4.0にいち早く対応している。「他社製品だと、同プログラムへの対応は特定の構成に限られるが、OptiPlex 755ではBTO(Build to Order)で自由に選択することができる」(井村氏)。デルの電力効率へのこだわりは、効率的な冷却を実現するBTXシャーシを最初に採用した点や、インテルの最新省電力プロセッサーを選択できる点などにも表れている。

 Aの導入サービスも魅力的だ。そもそもデル製品は、自社のニーズにマッチした構成を組めるBTOが他社製品との大きな差別化ポイントとなっている。4種類の筐体をはじめ、CeleronからCore 2 Quadまで用意された幅広いプロセッサー、最適な容量を選べるメモリ/ハードディスクなど多岐にわたる選択肢がその自由度を物語っている。しかも、カスタマイズ可能なのはスペックの部分だけでない。BIOSやディスク・パーティショニングなどの設定を出荷前に施す「ACS(Advanced Configuration Services)」や、さらには、顧客からクライアントPCのディスク・イメージを預り、すべての設定を終えた状態で製品を届けるサービスなども提供している。「個々のPCの設定に要する労力と時間を大幅に減らすこれらのサービスにより、製品が届いたその日より、エンドユーザーは新しいPCで業務にあたることができるようになる」(井村氏

 Cのスマートセキュリティの面では、指紋認証やスマートカードといった業界標準の機能を備えているのは当然として、前述したAMT 3.0がもたらす高度なセキュリティ機能が標準で利用可能になる。

OptiPlex 755の筐体
OptiPlex 755の筐体は、4種類のフォームファクタから選択することができる

デルが牽引する「vPro」のマーケット

 OptiPlex 755のハイライト機能となった、クライアント運用管理に対するデルの注力ぶりは並々ならぬものがあるが、その根底には、同社の事業戦略の方針転換があった。井村氏はこう説明する。

 「これまでのデルは、マーケットありきで製品を開発してきたが、お客様の声をよく聞いたうえで、ニーズによりマッチしたマーケットを創出していく戦略へとシフトしつつある。PCの運用管理については、お客様の運用負荷を軽減するため、vProを核としたマーケットを、インテルと共に作っていきたい」 既存のマーケットにコストパフォーマンスの高い製品を投じて、多くのユーザーの支持を獲得してきたデルが、今や危急の課題となっているクライアント運用管理の分野に注力し、新たなマーケットを作り出すという新しい戦略に舵を切った。その意味でも、新戦略の下で登場したOptiPlex 755は、注目すべき製品と言える。 (文・大神企画)

問い合わせ先

デル株式会社
デル株式会社
〒212-8589 神奈川県川崎市幸区堀川町580番地
ソリッドスクエア東館20F
URL:http://www.dell.com/jp/

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