12年連続国内1位──ストレージの雄・日立が提案する新時代のデータ・マネジメント戦略

経済社会のインフラとしてのストレージの価値を追求

──そうしたなかで注目しておくべき技術トレンドは何でしょうか。

IDC Japan サーバ/ストレージグループ ディレクター 森山正秋氏

IDC Japan サーバ/ストレージグループ ディレクター 森山正秋氏

森山氏 やはり、ポイントとなるのは、ストレージの仮想化技術です。仮想化によってストレージを統合することは管理性の向上につながりますし、データの活用を図っていくうえでも有効な基盤を提供します。また、SaaS(Software as a Service)やクラウド・コンピューティングといった流れが一般的になると、既存のデータセンターやストレージのあり方にも影響を与える可能性があります。そこでは、データがどこにあるかというより、サービスというかたちでさまざまな機能を提供するような統合ストレージ環境がどこにあるかが重要になるわけです。

岩崎氏 同感です。当社は現在、「Services Oriented Storage Solutions」というコンセプトの下、お客さまが複雑なシステム構成や運用を意識せずにストレージを活用できる事業を展開していますが、その柱の1つになっているのが仮想化です。例えば、ハイエンド・クラスの「Hitachi Universal Storage Platform V」に備わる仮想化機能を利用することで、異種混在環境のストレージ資産を1つのプールとみなして一元管理することが可能です。

森山氏 その際に重要になってくるのが、データ・マネジメント戦略ですね。従来、ストレージ投資は、既存のものをリプレースするというケースが多かったのですが、データ量が増え、データの種類が多様化していくと、何年か後には管理できない事態に陥る可能性が出てきます。どのデータをどう管理するかを長期的視点に立って考え、今からストレージ環境を整備していくという発想が求められていると思います。

岩崎氏 我々は、ストレージは今後、社会的インフラに近づいていくと思っています。電気や水道、ガスなどと同じように、必要なデータを必要なときに取り出すことがビジネス・インパクトを生んでいくことになる。そのためには、ただ堅牢なシステムを組めばそれでいいというわけではない。データをきちんと蓄え、それをいかに価値のあるかたちで提供できるかが、今後のシステム構築のカギになるでしょう。我々は、そこに向けてお客さまごとに最適なストレージ環境を提供していきたいと考えています。

──ところで、近ごろ注目を集めているグリーンITについてはどうでしょうか。

森山氏 ユーザーの意識はかなり高まっていますね。最近行ったユーザー調査では、ストレージに関して「省電力が必須である/重要である」と回答した方の割合は、全体の約7割に達しました。現時点ではサーバの消費電力が注目されていますが、サーバ統合が進めば、次はストレージが対象になってくると思います。

岩崎氏 当社でも、消費電力を抑えるという観点から、HDDの高密度化を進めたり、アクセス頻度に応じてモーターを制御したりといった取り組みを進めていますね。また、仮想化機能や運用自動化機能を利用して、ストレージの利用率向上を図っています。これらは、「マルチ・ティアド・ストレージ」という考えの下、トータルなシステム環境として、CO2の発生を抑え、省電力に貢献していくというものです。

──最後に、中堅中小企業(SMB)向け市場についてお聞かせください。

森山氏 SMB向けのストレージ市場規模はまだ小さいのですが、データの保護、データ・セキュリティの強化、内部統制への対応といったニーズは増大しています。ユーザー企業側のIT投資予算や管理者の数、スキルが限られるなか、ベンダーは信頼性の高い技術をいかに適切な価格で提供できるかが問われています。

岩崎氏 その点では、当社がSMB向けに提供している「Hitachi Simple Modular Storage」は、オート・マイグレーションやリモート・コピーなど、上位ストレージの技術をそのまま継承した製品です。機能を削減して低価格にするのではなく、信頼性ある技術をローエンドに生かすことが、本質的なSMB向け製品だと考えています。今後は、企業規模にかかわらず、データの使い方やデータの価値の向上させていくための取り組み、サポートを進めていきます。

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