ビジネスの現場に求められるBI
従来、BIと言えば「経営者が意思決定や業務の管理を行うためのもの」として活用されるケースが大半を占めてきた。これに対し、サイベース マーケティング本部 本部長を務める冨樫 明氏(写真1)は「近年、BIは現場の業務担当者が利用するものに変化してきている」と説明する。氏によれば、担当者がBIツールによって在庫や売上、取引に関する情報を抽出(レプリケーション)/分析することで、的確に状況を把握して業務改善やリスクの早期発見などに活用できるのだという。こうした“リアルタイムBI”を実現するには、担当者が基幹システムに格納された最新情報を随時取得/分析できる環境が必須だ。
だが、一般的なBIシステムの場合、その処理は「基幹データベースに格納された情報を夜間バッチでロードし、特定のレポート用にサマリ・データを作成してデータ・ウェアハウスに保管する」といった流れになる。
「ETLやメッセージングなどを用いたデータ・ロードやサマリ・テーブルの作成などは、基幹システムに大きな負荷をかけるので業務時間中には行いづらい。そのため、夜間のバッチ処理などで対応することになるが、それでは前日までの状況しか把握できない。また、データ・ウェアハウスとしては汎用データベースが使われることが多いが、現状の性能では明細データの分析まで行うのは難しい」(冨樫氏)
こうしたことから、リアルタイムBIを実現するには、「大量の明細データの分析に適した高性能なデータ・ウェアハウス」と、「基幹システムに負荷をかけないデータ・ロードの仕組み」が不可欠だという。
ログ・ベースの情報取得によるシステム負荷の軽減
これらの要件を満たすべく、サイベースでは、情報系システム専用のデータ・ウェアハウスとして高い実績を誇る「Sybase IQ」と、レプリケーション・エージェント「Replication Agent for Oracle」、レプリケーション・サーバ「Data Integration Suite」、ステージング・データベース「Adaptive Server Enterprise(以下、ASE)」を組み合わせた新しいBI手法を提案している(図1)。
基幹データベースにインストールされたレプリケーション・エージェントは、トランザクション・ログの差分を抽出してレプリケーション・サーバに転送する。レプリケーション・サーバは差分ログから実行されたSQL文を復元し、それを基に履歴データを生成してASEに蓄積する。蓄積されたデータはSybase IQにロードされ、外部の分析アプリケーションから利用できるという仕組みだ。
サイベース セールスエンジニアリング部 部長を務める花木 敏久氏(写真2)は、「抽出するのはログ情報だけであるため、本番データに影響を与えることがない。結果として、システムに対する負荷を最小限に抑えられる」と説明する。氏によれば、その効果を社内検証したところ、データベースの性能劣化度を平均で7.3%まで抑えることができたという。これにより、リアルタイムで日中に情報の取得/分析処理を行えるというわけだ(図2)。
また、情報の取得に際して既存の基幹系アプリケーションを一切修正する必要がない点も大きな特徴である。
ログ・ベースによって実現される低負荷のリアルタイムBIは、サイベースが基幹システムの構築で長年培った実績に裏づけられている。このリアルタイムBIの世界を読者もぜひ一度、試してみてはいかがだろうか。
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