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[スイス]
世界の航空会社の半数が2007年までに機内で通信サービス提供の意向:SITA調査
(2005年09月05日)
最新の調査結果によると、世界の航空会社の半数近くは、2007年末までに、搭乗客が機内で何らかの形態の通信サービスを利用できるようにすることを計画している。その形態として最も好まれているのは、インターネット・アクセス、電子メール、SMS(ショート・メッセージ・サービス)であるが、驚くことに、調査対象の航空会社の3分の1以上が、2007年末までに、機内での携帯電話を使用できるようにする見通しだと回答した。
これは、スイスのジュネーブに本拠を置くSITAグループが毎年公表している『Airline IT Trends Survey(航空ITトレンド調査)』での指摘の一部だ。この調査レポートは、世界の航空会社の上位200社および貨物便市場、チャーター便市場、地域市場の主要会社の、情報技術担当上級幹部からの回答に基づいている。アンケートに答えた会社の売上高総額は、航空業界全体の3分の2に相当するという
9月1日にロンドンで行なわれたプレゼンテーション「The future of 21st century air travel(21世紀の空の旅の将来)」のなかで、SITAグループの社長、ピーター・ベッキング氏は、「携帯電話は、もっとも未熟でおそらく最も議論の多い選択肢だが、航空会社の36%が2007年末までに採用するという。そのための製品がまだ存在していないことを考えると、これはきわめて注目されることだ」と語った。このプレゼンテーションは現在、Web上で公開されている。
機内での通信サービスは、多くの航空会社が業績不振に悩むなか、新たな顧客を獲得し、既存の顧客をつなぎ止めるための手段として考えられている。
その他の指摘
このほか、経費を節減するためや空港での搭乗手続きをスムーズにするために、オンライン航空券販売や自動チェックイン機などのセルフサービス・システムを導入する航空会社が増えている。今回の調査によると、世界の航空会社の70%がインターネットで航空券を販売していたほか、航空券全体に占める電子航空券(eチケット)の割合が、昨年(2004年)の調査時の19%から、30%に上昇した。
また、回答した航空会社の60%が自動チェックイン機を使用していた。現在の自動チェックイン機のほとんどは特定の航空会社専用のものだが、2007年までには、その多くが、どの航空会社の利用者でもチェックイン可能な汎用機になる、とSITAは指摘している。
さらに、より多くの航空機利用者が空港に出かける前に搭乗券を印刷できるようになり、航空会社カウンターでの混雑が緩和される見通しだ。というのは、航空会社の3分の2近くが、2007年末までに、磁気帯の代わりにバーコードを航空券に導入する計画だと回答しているからだ。
バーコードが導入されれば、搭乗ゲートで航空機利用者が、紙ではなくPDA(携帯情報端末)に記録された搭乗券を提示すればよくなる可能性もある。SITAグループの会長で、英国航空のCIO(最高技術責任者)のポール・コビー氏は、航空業界では他の業界に先駆けて「完全なWeb対応」が実現するだろうと語った。
もちろん、これらの技術がきちんと機能すれば、サービスの向上が期待できる。しかし、デンバー国際空港での旅客荷物自動運搬システムの失敗例のように、必ずしも計画通りに進まないこともある。
また、先進技術の採用速度は一様ではない。資金繰りが苦しく、新たな投資を避けたいと考えている航空会社もあるため、『持てる者と持たざる者』の世界が生まれてしまう可能性がある、とSITAは指摘している。それは、航空業界全体にとって好ましい状況とは言えない。たとえば、ある航空券の完全な電子化に踏み切った航空会社も、技術導入が遅れている航空会社で使われている紙ベースのシステムに対応し続ける必要があるためだ。
「北米やヨーロッパにさえ、財政的に苦しく、先進的な会社に追随できない航空会社がある」とベッキング氏。一方、アジア太平洋地域では、航空券の売り上げが伸びているため、IT投資が堅調だ。今回の調査によると、アジア太平洋地域の航空会社は現在、技術革新、特にビジネス客向けの通信サービスで主導的な役割を果たしているという。
それでも、北米はすでに大きくリードしていたので、他の地域はそれに追いつこうと頑張っている状況だ。北米地域では現在、航空券の63%がオンライン・チャネルで販売されており、ヨーロッパの24%やアジアの10%を大幅に上回っている。
触れられていない問題
なお、SITAのレポートでは、航空機の旅客を悩ませる最大の問題の一つである、オーバーブッキング(予約過剰受付)のせいで予定の便に搭乗できなくなるという問題には言及していない。だが、この問題は航空会社の経営上の判断による結果なので、その解決に、技術はあまり役立たない可能性が高い、と航空業界の動向をチェックしている英国の消費者団体Air Transport Users Council (AUC) の顧問であるジェームズ・フリマントル氏は指摘している。
航空会社は、予約便を直前(前日)にキャンセルしたり別の便に変更したりできる「フレキシブルな」航空券を、高い価格で販売している。オーバーブッキングは、そうした直前のキャンセルや当日空港に現れない人のために空席が生じないようにするために行なわれている。フリマントル氏によると、AUCは必ずしもそれを否定的には見ていない。価格の高いフレキシブルな航空券を販売し、飛行機を満席の状態で飛ばすことは、航空会社が全般的な航空運賃を低くするのに役立っている面があるからだ。
必要なオーバーブッキング数を決定するための、より適切なモデルを航空会社が構築するのに役立つような、より優れた技術が登場すれば、オーバーブッキングで予定の便に搭乗できなくなる客の数をある程度減らせる可能性はある。航空機の旅客のためにプラスになる新技術は歓迎する、とフリーマントル氏は語っている。
(Originally reported by James Niccolai, IDG News Service 09/02/2005)
(IDG News Service)






