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[米国]
デル、クラウド基盤向け高密度サーバを計画中

「CloudEdge」ブランドで今年下半期にも市場投入の構え

(2010年02月05日)

 米国Dellは、これまで「Yahoo!」や「Facebook」クラスの巨大インターネット・サイト向けに設計/提供してきた特殊設計の高密度サーバを標準製品ラインアップに加え、プライベート・クラウドを構築する企業などに提供する計画を進めている。

 2007年に設立された同社の「Data Center Solutions division(以下、DCS部門)」は、巨大なサイトやデータセンターを抱える企業を対象顧客としている。DCS部門のエンジニアは顧客企業に長期出向し、顧客が運営する検索エンジンやSNS、その他のWebアプリケーションに最適なシステムを設計する。省コスト、省電力のサーバをオーダーメードで提供するわけだ。

 もちろん、こうした“特別扱い”ができる顧客は、例えばAsk.comやMicrosoftのAzure部門クラスの、年間に何万台ものサーバ・マシンを購入するような規模の企業に限られる。だが、同社幹部はインタビューのなかで、「そうした状況がまさに変わろうとしている」と述べた。

 Dellは今年下半期、こうしたカスタム・サーバの一部を標準製品のラインアップに追加し、一般の企業に対しても販売を開始する構えだ。ターゲットは、自社データセンターに「プライベート・クラウド」基盤を構築しようとしている企業、あるいは中堅規模のインターネット企業である。

 この製品群は、新たなブランド名「CloudEdge」のもとで市場に投入される見込みだ。

 DCS部門ディレクターのアンディ・ローズ(Andy Rhodes)氏は、「何万台ものサーバを購入するわけではないが、そうした設計(のサーバ)を利用したいと考えている企業が数多くいることに気付いた」と説明する。「我々は現在、この大きな課題に取り組んでいる。今後数カ月のうちに、より多くの顧客に対してどのように提供していくのかを、公式にお話しできるようになるはずだ」(ローズ氏)。

 Dellではまだ、この新しい製品群について詳細を明らかにしておらず、通常のサーバ販売チャネルを通じて提供するのかどうかなど、細かな調整も残っているという。だが、DCSが今後も超巨大顧客のカスタム案件を受注していく一方で、より幅広いマーケットにそうした製品を提供していくことがゴールである。「現在はまだ何もアナウンスしていないが、今年中には確実に何らかのアナウンスを行う」(ローズ氏)。

 DCSが提供するサーバは、電力/冷却効率を高めることと、サーバの集積密度を極限まで高めることを主目的に設計されている。部品コストやエネルギー・コスト、設置スペースの節減を優先し、例えば電源モジュールやファンを冗長化しないようなこともしばしばある。これはサーバの耐障害性を弱めることにつながり、サーバのオペレーション・コストとはトレードオフの関係になる。

 こうした理由から、GoogleやYahoo!のような巨大サイトのWebアプリケーションでは、アーキテクチャに障害が発生しても影響を受けないような設計がなされている。サーバ障害が発生しても、そこを回避して稼働するようになっており、わずかな停止時間だけで、あるいはまったく停止することなくサービスは継続される。

 Dellでクラウド・エバンジェリストを務めるバートン・ジョージ(Barton George)氏は、「こうしたハイパースケールの(超巨大規模の)システムでは、ハードウェアよりもむしろアプリケーションのほうに可用性や柔軟な回復力を実装することが肝要だ」と述べる。

 ただしこの説明に従うと、新たなサーバ製品は、既存のエンタープライズ・アプリケーションの大半には適していないのではないかとも考えられる。エンタープライズ・ユースの製品として、Dellがこのサーバをどう位置づけようとしているのかはまだ明確ではない。

 「この種のソフトウェア・インフラストラクチャが実現する環境について、当社の販売チームや顧客に対してはっきりと説明するつもりだ。仮に、SAP(のERP)やデータベース、ファイル・サーバなどをこのシステム上で動かそうとしても、とてもやっかいだろう。動作しないかもしれない」(ジョージ氏)

 CloudEdgeシステムには、パブリック/プライベート・クラウドの構築運用など、さまざまな利用シナリオに対応したソフトウェア・ツールがバンドルされるもようだ。ローズ氏は、Microsoft製やVMware製のツール、さらに同社のパートナーであるScalent Systems製のプロビジョニング/オーケストレーション・ソフトウェアが提供される見込みであることを示唆した。

 ジョージ氏は、「当社ではパブリック・クラウド・ベンダーをターゲットと見ているが、もう少し規模の小さい層にも注目している」として、大規模エンタープライズ層もターゲットに含まれると述べた。

 CloudEdgeサーバの投入によって、Dellは昨年7月に同様の「HP Extreme Scale-Out(ExSO)」システムを発表したHP(Hewlett-Packard)や、「iDataPlex」高密度サーバを擁するIBMなどと競合することになる。この市場では、ほかにもSGIなどのプレーヤーがいる。

 Forresterのアナリスト、フランク・ジレット(Frank Gillett)氏は、Dellが特殊な設計のサーバを他の顧客にも提供しようと考えるのは当然だと述べる。ただし、「そうしたサーバは汎用的な設計ではない。特殊なサーバを導入して何をしたいのかをよく理解しておくことが必要だ」と注意を促す。

 「地質調査を行う石油ガス会社、あるいはウォール街のリスク分析会社のような、データの高速分析が必要な企業向けの製品かと思われるかもしれない。だがこのサーバは、従来型のアプリケーションではなく、Webスケールあるいはクラウド・スケールのコンピューティング能力が必要なアプリケーションを動作させる企業のための製品だ」(ジレット氏)

(James Niccolai/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)






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