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[米国]
インテルとIBM、次世代プロセッサ技術をそれぞれ発表
45nmプロセスで熾烈な開発競争
(2007年01月29日)
米国インテルと米国IBMは1月27日、両社がそれぞれ独自に開発を進めてきた45nm(ナノメートル)プロセスのプロセッサに関する研究成果を発表した。プロセッサ開発において、インテルとIBMは強力なライバル関係にある。両社が同じ研究成果を同日に発表したことで、プロセッサ開発の熾烈な競争があらためて浮き彫りになった。
今回発表されたのは、45nmプロセスのプロセッサには必要不可欠な、高誘電率(High-k)ゲート絶縁膜とメタルゲートを採用した「High-kメタルゲート技術」である。
High-kゲート絶縁膜は、従来利用されている二酸化ケイ素(SiO2)による絶縁体よりも厚みがあり、リーク電流を最小限に抑えることができる。45nmプロセスのプロセッサを製造するためには、絶縁膜の厚さは原子数個分まで薄くなる。そのため、電流が絶縁膜を透過して流れ出てしまうという問題があった。
しかしHigh-kゲート絶縁膜は絶縁膜自体に厚みがあり、従来のSiO2絶縁体よりもリーク電流を10%以下に抑えられるという。
一方のメタルゲートは、トランジスタ・ゲート電極に使用される複合金属材料である。High-kゲート絶縁膜には、従来利用している電極が利用できないため、新たなゲート電極としてメタルゲートが採用された。
High-kゲート絶縁膜とメタルゲートを利用すれば、リーク電流の問題が解消され、45nmプロセス、さらにそれ以下のプロセスのプロセッサも製造が可能とされる。インテルでは、High-kメタルゲート技術を2007年下半期に出荷する45nmプロセスのクアッドコア・プロセッサ「Penryn」(開発コード名)に採用することを明らかにした。
インテルの45nmプロセス実用化に対する取り組みは、他社よりも一歩リードしている。同社では今年後半に、ノートPC向けデュアルコア・プロセッサをはじめ、デスクトップPC向けデュアルコア/クアッドコア・プロセッサ、サーバ向けデュアルコア/クアッドコア・プロセッサの5つのカテゴリで45nmプロセスのプロセッサを導入するロードマップを発表している。さらに、2008年前半までには、同社の3工場で45nmプロセスの製造ラインをフル稼働させる計画だという。
一方、IBMは今回の発表がインテルと重なったことについて、45nmプロセス・プロセッサの開発競争のためではないと念を押す。
IBMのエンビジョニアリング・グループのシニア・アナリスト、リチャード・ドハーティ氏は、「IBMとインテルが並行して進めている技術開発により、PCから携帯電話に至る多様な製品に、高速で高性能のチップが搭載されることになるだろう」と両社の成果をたたえながらも、インテルとIBMでは目指す方向が異なることを強調した。
同氏はIBMが発表したHigh-kメタルゲート技術は、インテルとは異なる手法を用いていると説明する。同氏によると、「IBMはメタルゲートをシリコンに埋め込むように統合しており、インテルは、従来のシリコン・アーキテクチャ上にメタルゲートを配置している」という。
また、同氏は「インテルは、High-kメタルゲート技術を利用した試作品を先に完成させたという点では業界内で優位な立場にいる。しかし、IBMはインテルとは異なる方法で同技術を利用しており、長期的な視野で見れば、われわれのほうが見返りが大きい」と語った。
IBMは、同技術の開発をソニー、東芝、AMDと共同で進めていた。特に、IBMとAMDは2003年からプロセッサ分野の開発で協業体制を築いており、昨年8月には協業契約を2011年まで延長することを明らかにしている。
また同社はAMDと協力し、将来的には32nmおよび22nmプロセスのプロセッサを共同で開発/出荷する予定だ。IBMでは、今回発表したHigh-kメタルゲート技術をプロセッサの高速化のために利用するのではなく、32nm、22nmプロセスへの移行に伴う長期的な開発技術の1つとして活用する計画だとしている。
同社のIBMシステム&テクノロジー・グループのチーフ・テクノロジスト、バーニー・マイヤーソン氏は、「当社では5年前からHigh-k技術の成果を発表しており、その気になればすぐにでも採用製品を出荷できる。しかし、われわれの目標は、大型サーバやスーパーコンピュータの開発にこの新技術を活用することだ」と語り、インテルとは異なるセグメントで同技術を活用していくことを強調した。
(ベン・エームズ&ダン・ニーステット/IDG News Service ボストン支局)
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