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[米国]
次世代トランジスタの開発を競うIBMとインテル

(2007年02月27日)

 IBMとインテルがプロセッサ技術の開発でしのぎを削っている。2月26日にIBMが次世代シリコン・トランジスタのシミュレーション・モデルを発表したのに対し、インテルも同日、IBMと同じトランジスタ技術を使った新チップをニューメキシコ州の工場で製造することを明らかにした。

 IBMとインテルはちょうど1カ月前の1月27日、「high-kメタルゲート」トランジスタを開発するのに必要な特殊素材を発見したことをそれぞれ発表した。この特殊素材は、標準的な二酸化ケイ素に比べてはるかにすぐれた絶縁体になるという。これは、1つのマイクロプロセッサに多くのトランジスタを組み込もうと苦闘しているチップ設計者にとって極めて重要な特性だ。配線の集積度を高めると、電気が漏れ、発熱や効率低下につながるからだ。

high-kメタルゲート・トランジスタのシミュレーション・モデル

 これまでのところ、両社とも新しい素材の成分については発表していない。しかし、IBMの研究員は2月26日、スーパーコンピュータを用いて、二酸化ハフニウムと塩基性ケイ素を使った50種類の組み合わせのモデルを作成したと発表した。IBMは2008年までに、この新しい混合物を使ったチップを開発する予定だ。

 IBMチューリッヒ研究所のスーパーコンピューティング専門研究員、アレッサンドロ・キュリオーニ氏によると、新しい素材は理論上すぐれているように思えるものの、半導体製造ラインにこの素材を加えたときに不測の事態が発生するのを避けるため、さまざまな素材を組み合わせたシミュレーション・モデルを作成する必要があるという。同氏は、科学雑誌『Physical Review Letters』の1月号に掲載された研究論文に携わった3人の研究員の1人だ。

 IBMの研究チームは、新しいアルゴリズムを組み込んだプログラムと、4,096個のプロセッサを搭載したスパコン「Blue Gene/L」を使って演算作業を行った。このプログラムによって1種類の成分の組み合わせをシミュレートし、それぞれのモデルに含まれる600個の原子について個々の粒子間の相互作用をモデリングするには、Blue Gene/Lを使っても5日が必要だ。しかし、一般的なノート型PCを使って同じ作業を行うと、年間250日働いても700年かかるという。

 一方、IBMにリードを許しているインテルも、独自タイプのhigh-kメタルゲート・トランジスタを使ったチップの市場投入に向け、着実に準備を進めていると強調する。同社は、今年出荷予定の45ナノメートル(nm)アーキテクチャ・チップ・ファミリーでこの技術を使う予定だという。

 インテルは、その言葉どおり、ニューメキシコ州リオ・ランチョにあるFab 11X工場のオーバーホールを実施し、45nm製造プロセスとhigh-kメタルゲート・トランジスタを使ったクアッドコア・プロセッサ「Penryn」(開発コード名)の製造に備えるとの発表を2月26日に行った。Fab 11Xは、45nm製造プロセスを使用する4番目の工場になる予定で、同工場での新チップの製造は2008年下半期から始まることになっている。

 なお、インテルでは、すでに複数のOSとアプリケーションをサンプル版のPenrynプロセッサで稼働させており、同チップの製造を2007年下半期に開始するという方針を変えていない。そのため、同チップの製造が開始されるのはFab 11x以外の工場になると見られる。

 インテルによると、トランジスタは過去40年間にわたって進歩してきたが、現在進行している技術的な進歩はその中で最も大きなものだという。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)






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