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【解説】
RFIDの“神話”と“本質”を見極める
米国製薬業界に学ぶ、導入に失敗しないためのノウハウ
(2008年08月13日)
RFID(Radio Frequency Identification)が誕生してから、かなりの時間が過ぎた。今では大手企業を中心に、このRFID技術をグローバルなサプライチェーンに展開するための研究・実験が行われるようになったが、その一方で、実際に成果を上げている企業は決して多くない。そのうえ、聞こえてくるのは「技術的に未熟な部分が多い」、「期待するROI(投資利益率)が得られない」といった消極的な言葉ばかりである。本稿では、米国製薬業界の取り組みを紹介しながら、RFID導入を失敗に終わらせる要因の1つともなっている誤った“RFID神話”の正体を暴くとともに、今、企業のITマネジャーが目を向けるべき“本質”を明らかにしたい。
Sarah D. Scalet
CSO Magazine米国版
RFIDで不正医薬品の流通を防げ
| 写真1:パーデュー・ファーマのがん治療用鎮痛剤「OxyContin」 |
世界最大の小売業ウォルマート・ストアーズと中堅の医薬品卸売業H.D.スミスに納入される、がん治療の鎮痛剤「OxyContin」(写真1)の各瓶に、特殊なラベルがはり付けられるようになってから2年以上が経った。当初、このラベルは世界的な不正医薬品問題──有害あるいは効力のない成分によって製造された製品や偽のパッケージに入った薬などが流通する問題──の切り札として大いに期待された。
同鎮痛剤の瓶にはり付けられた一見ごく普通のラベルの内側にはRFID(Radio Frequency Identification)タグが埋め込まれており、サプライチェーン内の動きを記録し、製品の配達状況を追跡したり、流通プロセスをたどったりすることが可能となっている。OxyContinの製造元であるパーデュー・ファーマによると、このパイロット・プロジェクトの最終目的は、流通業者がOxyContinの瓶1本1本を照合できるシステムを構築し、不正医薬品が正規医薬品のサプライチェーンに入り込むのを阻止することにあるという。
パーデュー・ファーマのバイスプレジデント兼CSO(最高セキュリティ責任者)、アーロン・グラハム氏は、「RFIDを利用することで、かつてない精度で製品のサプライチェーンを管理できるようになった。効率、安全性いずれの観点から見ても万全で、流通システムに支障をきたす心配もない」と胸を張る。
グラハム氏によると、RFIDタグを埋め込んだラベル1枚当たりの単価は30〜50セントで、パーデュー・ファーマは、このパイロット・プロジェクトのインフラ構築に200万ドルの予算を投じたという。
実は、同氏はこれまで、このRFIDプロジェクトが偽のOxyContinの販売防止にどれだけ役立ったかについて、まったくと言っていいほど明言したことがない。なにしろ、パーデュー・ファーマは偽のOxyContinで問題を抱えたことなどないからだ。同社が直面した問題はむしろOxyContinの盗難と転用、そして乱用である。同社はしばしば政府から、常習性の強いOxyContinの提供に関して、サプライチェーン管理を徹底すべきと指摘されていたのだ。
実際、グラハム氏は、パーデューのRFIDシステムにおける最大のセキュリティ上の利点は、政府の調査官がOxyContinの瓶を箱から取り出して、それがどういう経路で流通してきたかを突き止められることにあると認めている。
仕組み・動向を押さえ、“10のユースケース”に照らして自社業務での活用を検討する
【解説】事例から学ぶ、ユニファイド・コミュニケーション「自社構築のシナリオ」


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