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[米国]
UWB標準をめぐる争いが三つ巴に
(2005年02月24日)
UWB(Ultra-Wideband:超広帯域)無線技術は一つの高速無線技術かもしれないが、UWB機器ベンダー間の競争意識(もしくは対立関係、派閥争い)が実際の製品の動きを鈍くしているように見える。
既存の2つのUWB標準案は、Bluetoothに優るケーブル代替通信規格を提供しようとしたものだ。これに対し、新たに米国パルスリンクが新団体を設立して推進しようとしている第3の標準案は、より無線LAN的な機能を約束するものである。ギガビット無線データ通信の将来展望はさらに混沌としてきた。
新団体「Consumer Wireless Audio-Video Entertainment Alliance (CWAVE Alliance)」は、コンシューマー用途に主眼を置き、無線LANの距離でHDTV(高品位テレビ)の伝送速度を約束する。パルスリンクは、その技術をデモする評価用キットを発表したが、CWAVE Allianceに参加しないと同キットは入手できない。現時点では、CWAVE Allianceのメンバーはパルスリンクだけである。
1つの周波数を使用するのではなく広い周波数帯にまたがって信号を伝送するUWB技術の開発では、パルスリンクは新規参入組である。従来は、他の2団体がほぼ互角の戦いを繰り広げてきた。インテルが主導するMulti-Band OFDM Alliance (MBOA)は、IEEEの標準化プロセスで過半数を占めているのに対し、モトローラから独立したフリースケールが主導するUWB Forumも、それを阻止するのに十分な票数を持っている。
UWBでは普通のことだが、今回のパルスリンクの発表を、他の業界企業は嘲笑で迎えた。「このCWAVEの発表にどのような意味があるのか、理解につとめているところだ。標準推進グループが意味を持つのは、真の顧客がそれを支持し、その定義を助けている場合、そして、最も重要なことだが、それを採用して採用製品を出荷する場合である。MBIAは非常に大きな支持に後押しされているので、CWAVEが現状に何をもたらすのかは私にはわからない」と、MBOAのメンバーの一つであるスタッカート・コミュニケーションズのマーケティング副社長、マーク・ボウルズ氏は表明している。
標準確立が行き詰まるなか、ベンダーはみな、製品投入を急いでいる。フリースケールは、野心的なロードマップを掲げ、最初の製品群を出している。サムスンは、先週フランスのカンヌで開かれた3GSM World Congress 05で、フリースケール・ベースのUWBの端末を披露した。一方、MBOA陣営のインテルが「Wireless USB」を約束している。また、MBOA自体は、IEEE標準にかかわらず製品投入を進めることを約束している。
米国誌「EDN」のモーリー・ライト氏は、「UWB Forum陣営のモトローラが、チップ開発の面で大きくリードしている。MBOAは、オフィス程度をカバーするレンジしか持たない、インテルがWireless USBと呼んでいるものを、せいぜい提供するだけではないだろうか。UWB Forumは、リビングルームのあちこちにHDTVストリームを伝送する技術を提供すると思われる」と述べている。
UWBの各陣営は、競合する陣営の技術は全然役に立たないと、非公式(オフレコ)だが日常的に主張している。そのため、自らの技術を、より無視できない「リアルな」存在にしようと、どの陣営も力を尽くしている。
パルスリンクの評価用キットは、そのUWB技術が他の陣営よりも高速だという主張の証明への一歩になるかもしれない。ただし、その技術はまだ、ほとんど非公開デモの段階に留まっている。「来週のHomeland & Global Security Summitで、当社の評価用キットの公開デモを行ない、その後、FCCで非公開デモを行なう予定だ」とそパルスリンクのローリー・ワトキンス氏は語った。
その力はすでに十分証明されている、と一部の観測筋は見ている。「これはリアルか? 私はそれが機能するのを目にした。そして、それが役に立たないとする合理的な証拠は何も思い付かない。パルスリンクは、技術ばかりでなく、市場参入の方法についての優れたプランも持っている」とウェスト・テクノロジー・リサーチのUWBウォッチャー、カーステン・ウェスト氏は評している。
(Techworld (UK))


