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[米国]
ビスト、マイクロソフトをモバイル電子メールの特許侵害で提訴/NTPの特許をライセンス
(2005年12月15日)
米国ビストは12月15日、携帯電話などの無線機器からの電子メール・アクセスに関する同社の特許技術がマイクロソフトのソフトウェアに不正に使用されているとして、特許侵害訴訟を起こしたことを明らかにした。
ビストは、テキサス州東部地区の米国連邦地方裁判所に提出した訴状で、特許侵害行為に対する賠償金と、マイクロソフトが当該ソフトウェア「Windows Mobile 5.0」を出荷できなくする終局的差し止め命令を求めた。この製品は「ビストの特許技術に対するあからさまな侵害」だ、とビストは主張している。
またビストは、マイクロソフトはお決まりの手順のように、自社より小規模な会社から技術を盗み、訴訟を起こされては相当な額を支払って和解していると指摘している。
この提訴は、無線電子メール市場での新たな法廷闘争の始まりを告げるものだ。従来は、米国NTPが「BlackBerry」システムで知られるカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)を相手取って特許侵害訴訟を起こしている。ビストは、NTPからそれらの特許の実施権のライセンスを受けたと14日に発表したばかり。
マイクロソフトは、ビストによる提訴について、「訴状を見て検討するまではコメントできませんが、当面は、マイクロソフトは自社の製品に責任を持っており、知的財産権を尊重しているということを強調させていただきます」とする短い声明を広報代理店のワゲナー・エドストロムを通じで出し、それ以上のコメントは差し控えている。
ビストは、プッシュ型モバイル電子メール・サービス用システムの市場でRIMに対抗しているベンダーの一つ。ビストのソフトウェアは、米国シンギュラー・ワイヤレス、スプリント・ネクステル、英国ボーダフォン・グループを含む通信事業者で使用されている。
ビストがマイクロソフトに侵害されたと主張しているのは、以下の米国特許3つである。米国特許商標局のWebサイトでの検索で参照できる。
・米国特許6,085,192号 "System And Method For Securely Synchronizing Multiple Copies Of A Workspace Element In A Network"
・米国特許6,708,221号 "System And Method For Globally And Securely Accessing Unified Information In A Computer Network"
・米国特許6,151,606号 "System And Method For Using A Workspace Data Manager To Access, Manipulate And Synchronize Network Data"
ビストの会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)のブライアン・ボゴシアン氏は、マイクロソフト提訴発表後の電話会見で「当社の義務として、公正・公平な条件で競争できる我々の能力を守らなければならない」と語った。
同氏によると、電子メールを即座にモバイル機器へ配信する、プッシュ電子メール・ソフトウェアへのマイクロソフトの参入は、ビストの共同創設者で知的財産担当上級副社長を現在務めているダニエル・メンデス氏が開発した特許技術への侵害に当たるという。
ビストは、特定の市場に参入する前に他社の知的財産権を侵害しないかどうかを調べるのはマイクロソフトの責任だとの考えから、提訴前にマイクロソフトとライセンス契約の話し合いはしなかった、とボゴジアン氏は述べた。
一方、ビストの特許は、米国NTPが特許を取得している無線電子メール・システムのコンセプトまではカバーしていないようだ。ビストがNTPから特許ライセンスを受けたのは、それらの有効性を認めたため、そして、知的財産所有者に敬意を払うためだ、とボゴジアン氏は語った。NTPのビストへの特許ライセンスは、米国グッド・テクノロジー、フィンランドのノキアへのライセンスに続くものだ。今回のライセンス契約の金銭的条件については公表されていない。
ボゴジアン氏は、ビストがNTPとのライセンス契約の結果として支払った額やNTPが取得したビスト株式の割合については明言しなかったが、総額は4億5,000万ドル未満だと述べた。ちなみに、RIMが今春、結局不成立に終わった和解合意で、米国でのBlackBerryの端末やサービスの販売差し止め命令を回避するためにNTPに支払うとしていた和解金の額が4億5,000万ドルだった。
NTP対RIMの訴訟は和解に向かうか?
業界アナリストは、RIMは差し止め命令に直面するよりもNTPとの和解を選ぶと見ている。ただし、新たな和解のためにRIMが支払わなければはならない額は、流れた今春の和解合意額の倍になるかもしれない、とアナリストたちは述べている。
NTPの特許は、電子メール・メッセージを携帯機器に無線送信する、いわゆるプッシュ電子メールのシステムを記述している。RIMは、同社のBlackBerryがこうしたNTPの特許を侵害しているとして訴えられ、その訴えを認めたバージニア州東部地区の米国連邦地方裁判所の判決を覆そうと戦ってきたが、控訴裁も一審判決を基本的に支持しており、一部の問題だけの再検討を命じられた地裁の差し戻し審で、米国におけるBlackBerry無線電子メール端末/ソフトウェア/サービスの販売・提供を差し止める命令が出される可能性がある。
従来RIMが和解に消極的だった理由のひとつは、米国特許商標局(PTO)が再審査で、問題のNTPの特許のほとんどを無効とする暫定判断を下してきたことだ。しかし、あらゆる異議申し立てプロセスを経てPTOの最終判断が出されるまでには、何年もかかる可能性がある。地裁のジェームズ・スペンサー判事は2週間前、PTOの判断を待たずに審理を先に進めるとの決定を発表した。
RIMのコーポレート・マーケティング担当副社長マーク・ギベール氏は12月8日、IDG News Serviceの取材に対し、広報代理店を通じた声明で、同社とNTPが裁判所に選任された調停役を仲立ちとして和解の可能性について話し合っていることを認めたが、詳細は明らかにしなかった。
(Originally reported by James Niccolai and Tom Krazit, IDG News Service 12/15/2005, 12/14/2005, 12/08/2005)
(IDG News Service)


