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[米国]
米国連邦地裁、クアルコムのブロードコム特許侵害を認定
1,960万ドルの損害賠償の支払いを命令
(2007年05月30日)
米国カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁は5月29日、クアルコムがブロードコムの特許を侵害したと認定し、1,960万ドルの損害賠償の支払いを命じた。
クアルコムの声明によると、連邦地裁の陪審は、クアルコムが意図的に特許を侵害したと認定しており、賠償金額は判事の判断で3倍まで増額される可能性もあるという。なお担当判事は、6月18に行われる聴聞会で公判後の申し立て手続きの期日を決定する予定だ。
携帯電話分野のパイオニアで、無線技術に関する知的財産を数多く保有するクアルコムは、今回の事実認定に異議を申し立て、それが受け入れられなければ控訴する意向だ。これに対して、ブロードコムは、問題となった技術をクアルコムに使用できないようにするための永久差し止め命令を求める姿勢を示している。
両社は、かねてから特許を巡って法廷闘争を繰り広げており、今回の事実認定もその流れの1つである。インスタットのアナリスト、アレン・ノギー氏によると、ブロードコムは、携帯電話用チップ事業の分野では比較的後発のベンダーだが、急速に力を付けてクアルコムの強力なライバルに浮上してきた。一方、クアルコムは、各種の新技術の開発や買収によりビジネスの多角化を急いでいる。
ノギー氏は、「クアルコムが他社の特許を何件か侵害したとしても驚くことではない」と語る。確かに特許の使用差し止めを命じられる可能性はあるが、たとえ裁判で負けたとしても、ボネージ・ホールディングスがベライゾン・コミュニケーションズとの特許訴訟で敗訴し、多額の賠償を命じられたような事態になるとは考えにくいからだ。
大手企業のクアルコムを1件の訴訟で市場から退場させるのは難しいため、クロスライセンス契約を結ぶことによって落着が図られる可能性も高い。
2005年5月に起こされたこの訴訟では、ブロードコムが所有する5件の特許が争点となった。ブロードコムがこのうち1件の訴えを取り下げたため、公判は、残り4件の特許について審理が行われた。5月29日に示された判断では、さらに1件の特許についてクアルコムの侵害は無かったと認められている。
ブロードコムの声明によると、今回の特許訴訟は、クアルコムの主力製品である高速モバイル・データ・チップ「EV-DO(Evolution-Data Optimized)」、PTT(Push-To-Talk )ソフトウェアの「QChat」、モバイル・マルチメディア対応チップ・プラットフォームなどに影響を及ぼすという。
ブロードコムは、クアルコムが1台のデバイスから2つのネットワークへの同時アクセスを可能にするEV-DOチップに米国特許5,657,317を使っているほか、特許6,847,686で保護されている技術をEnhanced Multimedia Platformのビデオ・プロセッシング用チップ・アーキテクチャに使用していると主張している。
Enhanced Multimedia Platformは、3Gマルチモード携帯電話でマルチメディアを処理するために設計されたチップセットのシリーズだ。
さらにブロードコムは、QChatが特許6,389,010で保護されている自社の革新的な技術を使っているという点についても争っていた。この特許は、固定帯域ネットワークと可変帯域ネットワークのいずれからも通話できる技術に関するものだ。
なお、クアルコムの技術をベースにしたCDMA(Code Division Multiple Access)ネットワークに重点を移しつつあるスプリント・ネクステルでは、iDENネットワークにより提供されている人気の高いPTTサービスをQChatに置き換えることを検討しているという。
(スティーブン・ローソン/IDG News Service サンフランシスコ支局)
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