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[米国]
スプリント・ネクステルとクリアワイヤ、WiMAXネットワークの相互接続で提携
米国の全人口をカバーする無線ネットワークを共同で構築へ
(2007年07月23日)
米国スプリント・ネクステルと米国クリアワイヤは7月19日、それぞれのWiMAXネットワークを相互に接続し、米国の全人口3億人をほぼカバーする地域で加入者がシームレスにローミングできるようにすると発表した。
両社は、今回の提携により同ネットワークで利用できるデバイスの選択肢は幅広いものになると説明している。さらに、ユーザーがあらゆるインターネット・ベースのアプリケーションやサービスにアクセスできるようにする計画だと、スプリント・ネクステルのモバイル・ブロードバンド事業担当シニア・バイスプレジデント、アティシュ・グーデ氏は述べている。
スプリント・ネクステルはWiMAXネットワークの構築計画を昨年発表しており、19日の発表では、同社が免許を持つ周波数帯を用いて構築されるWiMAXネットワークは米国内の1億8,500万人をカバーすると説明している。またクリアワイヤも同じ周波数帯の免許を持っており、同社のネットワークは1億1,500万人をカバーできるという。
つまり、両社のネットワークが相互接続されれば、3億人をカバーする広大な地域に無線ブロードバンド・インフラが行き渡ることになるわけだ。相互接続されたネットワークの通信速度は、下りで2Mbps〜4Mbps、上りでその半分程度になる予定だという。ちなみに、国勢調査局のサイトによると、現在の米国の人口は3億200万人強となっている。
両社は今年末にシカゴとワシントンで「ソフト・ローンチ」を行うとともに、来年からサービス販売を開始し、来年末には1億人をカバーすることを目指している。グーデ氏は、「この目標は当社が以前発表した単独での計画に含まれているものと同じで、その時点では強気な目標だったが、現在では確実な達成が見込まれている」と説明した。ただし、ネットワークの最終的な完成時期は明らかにしていない。
米国の通信業界では現在、空きとなっている700MHz無線周波数帯の利用方法をめぐり、既存の通信キャリアと、グーグルやフロントライン・ワイヤレスなどの企業との間で激しい議論が繰り広げられている。同周波数帯については、連邦通信委員会(FCC)が来年実施すると見られる競売によって事業者が決まる見込みだ。
既存の通信事業者は一般に、自社のネットワークにのみ対応した限られた種類のデバイスを販売しており、顧客がアクセスできるアプリケーションの中で自社のものだけに有利な扱いを適用している。
これに対しグーグルは、「競売される周波数帯を使ったネットワークの運用において、すべてのデバイスとアプリケーションが公平な扱いを受けるようにすることを政府が義務づけないかぎり、競売には参加しない」との方針をFCCに伝えた。グーグルはまた、ネットワーク・アクセスを他のサービス提供者に卸売りすることを落札者に義務づけることも求めている(関連記事)。
スプリント・ネクステルとクリアワイヤのWiMAXネットワークは2.5GHzの高い周波数帯を使用する。そのため、700MHz帯を使用する同様のネットワークよりも多くの基地局が必要になりそうだ。
クリアワイヤはすでに無線ブロードバンド・サービスを運営しており、これをモバイルWiMAXベースのサービスに移行する計画を進めている。モバイルWiMAXは実用化が始まったばかりだ。同社はインテルやモトローラなどの大手IT企業から支援を受けている。
AT&Tやベライゾン・ワイヤレスと競合するスプリント・ネクステルにとって、クリアワイヤとの提携は有利に働くとの見方が一般的だ。調査会社IDCのアナリスト、ゴドフリー・チュア氏は、この提携によってスプリントは、WiMAX計画をより低コストで実現できる可能性が高まったと指摘する。
また、両社の免許はほとんど重複がなく、提携によって自由な競争が損なわれることもないと考えられるため、チュア氏は「両社の提携は政府の承認を得られるだろう」と語る。
スプリント・ネクステルは、新しいWiMAXネットワークは当初、PCからのアクセスがほとんどを占めると予測している。しかし同社のグーデ氏は、モビリティがこのネットワークの普及の決め手になると考えており、2009年にはWiMAX携帯電話も登場すると見込んでいる。
だが、IDCのチュア氏はモビリティに関して、より高速な携帯電話技術のほうが優れていると見ている。同氏の見方では、スプリント・ネクステルとクリアワイヤのWiMAXネットワークは主にDSLやCATVモデム・サービスと競合し、加入者が外出先で家庭内と同様にノートPCを利用できることが強みだという。「両社のネットワークの登場で、ブロードバンド通信の競争が激化するだろう」と同氏は述べている。
(スティーブン・ローソン/IDG News Service サンフランシスコ支局)


