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[米国]
未使用テレビ周波数帯をワイヤレス端末に開放せよ――IT業界団体がキャンペーンを開始

テレビ業界は抵抗、FCCは難色

(2007年12月13日)

Wireless Innovation Alliance(WIA)」のWebサイト

 米国のITベンダーや消費者団体、シンクタンクは12月12日、新たなIT業界団体「Wireless Innovation Alliance(WIA)」を共同で設立した。WIAは今後、米国連邦通信委員会(FCC)に対して、未使用のテレビ周波数帯をワイヤレス・ブロードバンド・ネットワークに開放し、同周波数帯を利用するワイヤレス端末を早期承認するよう圧力をかけていくとしており、発足と同時にキャンペーンも開始した。

 WIAは、GoogleやMicrosoft、Dell、Hewlett-Packard(HP)なども加盟するIT業界団体「White Spaces Coalition(WSC)」をさらに拡大させた団体である。WSCはかねてから未使用のテレビ・チャンネル(ホワイト・スペース)を、免許を必要としないワイヤレス端末に開放するよう、FCCに働きかけてきた。

 今回のキャンペーンには、「Free Press」「Media Access Project」「TechNet」「Computing Technology Industry Association」「Educause」といったIT企業やIT業界/消費者団体も賛同している。なお、ワシントン州選出の民主党下院議員、ジェイ・インスリー(Jay Inslee)氏と、テネシー州選出の共和党下院議員、マーシャ・ブラックバーン(Marsha Blackburn)氏ら6人の議員も、同キャンペーンへの支持を表明している。

 Inslee氏はホワイト・スペースを、「米国の最も大きな“未開イノベーション・ソース”の1つだ」と前置きしたうえで、「現状は政府が規約を作成し、優秀なエンジニアたちは、この未開の地を“開拓”すべく、てぐすねを引いている状態だ」と語った。

 Inslee氏によると、ホワイト・スペースが開放されれば、ブロードバンドの選択肢が少なかったり、まったく利用できなかったりする過疎地でも、ブロードバンドが利用できるようになるという。

 「いまだにブロードバンドが利用できない地域があるというのは、政治家の怠慢だと言うほかない。ホワイト・スペースの活用は、こうした現状を打破するための手段なのだ」(Inslee氏)

 一方、一部の議員やテレビ局側は、こうした動きに批判的だ。米国のテレビ局団体「National Association of Broadcasters(NAB)」は、ホワイト・スペースを利用するワイヤレス端末は、テレビの受信信号に干渉するおそれがあるとして懸念を表明した。

 NABの見解を支持する国会議員は55人を超える。ルイジアナ州選出の民主党上院議員、メアリー・ランドリュー(Mary Landrieu)氏は10月9日付けのFCC宛て書簡で、「ワイヤレス端末をテレビの周波数帯で利用した場合、テレビの受信信号に干渉して、全米の視聴者に悪影響が生じる」と記し、ホワイト・スペースの活用に反対する姿勢を示している。

 FCCもホワイト・スペースの活用には消極的だ。FCCは今年7月、WSCのメンバーが中心となって製造したワイヤレス端末を、テレビの信号に干渉したとして承認しなかった。端末製造の中心的役割を担ったMicrosoftは後日、「FCCが試用したワイヤレス端末は破損しており、著しく劣化した状態でテストが行われた」とのコメントを発表している。

 こうしたFCCの姿勢に対しBlackburn氏は、「FCCは“勝者”と“敗者”を決めるのではなく、ホワイト・スペースに対応する端末を客観的にテストして判断すべきだ」と語る。

 「FCCは現状を直視すべきだ。テネシー州西部の過疎地は、ほとんどブロードバンドが敷設されていない。このような状況を打破し、経済を発展させるためには、ホワイト・スペースの活用は不可欠だ」(Blackburn氏)

 ホワイト・スペースの周波数帯をワイヤレス端末に開放している国は、現時点では存在しない。「少なくとも、(ホワイト・スペースの活用を)正式なプロジェクトとして取り組んでいる国があると聞いたことはない」(WIA)

 超党派のシンクタンク「New America Foundation」でWireless Future Program担当ディレクターを務めるマイケル・カラブレセ(Michael Calabrese)氏は、「他国も今回のWIAとFCCの動きに注目している」と指摘したうえで、以下のように語る。

 「米国は昔から“ゲリラ的”なテクノロジーで世界をリードしてきた。そのリーダーシップを失いたくないなら、前進あるのみだ」

(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)






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