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[米国]
シスコ、無線LANスイッチ・ベンダーを4億5,000万ドル相当で買収へ
(2005年01月13日)
米国シスコシステムズは1月12日、無線LANシステムを提供している新興企業の米国エアスペースを4億5,000万ドル相当の株式交換で買収することで、同社と合意に達したと発表した。数週間前から、同社は無線LANスイッチ・ベンダーの買収を検討していると噂されていた。
この取引でシスコは、IEEE 801.11規格ベースの安全なネットワークを中小規模の企業が構築するのに役立つ、無線LAN(WLAN)スイッチ製品ラインを獲得することができる。また、エアスペースの機器は、シスコの「Cisco Aironet」ラインの無線LAN製品と、それを構成要素としている、きわめて大規模な無線ネットワーク向けのアーキテクチャ「Cisco Structure Wireless-Aware Network (SWAN)」を補完する。
この買収取引が成立するためには、米司法省による反トラスト法に違反するかどうかの審査など、通常通りのいくつかの条件をクリアする必要があるが、順調にいけば、4月末までに本契約を締結できる見通しという。
シスコは、エアスペースの既存顧客を引き継ぐほか、自社のAironetおよびCisco SWANソリューションの提供とサポートを継続すると述べている。エアスペースは2001年に設立され、カリフォルニア州サンノゼに本社を置いている新興企業であり、買収成立後には、シスコの「Data Center, Switching and Wireless Technology Group」に組み込まれる予定だ。
エアスペースの製品は、無線LANの管理と機能をスイッチ上に集約し、複数の“シン”アクセスポイント(AP)をそれらのスイッチがコントロールする。シンAPは、基本的に、機能が限られた802.11無線機であり、安価に導入でき管理や安全保護もしやすい、と無線LANスイッチ・ベンダーは述べている。また、エアスペースの製品は、ローミングやセキュリティなどの高度な機能で、他の低コストな第三者の無線LANアクセスポイントもカバーすることができる。
エアスペースの製品には、「Airespace 4000 WLAN Switch」とAPのほか、APの管理、無線LAN認証、無線周波数の設定、そして、AP間での無線LANクライアントのローミングのための高速で途切れのないコネクション・ハンドオフを実現するためのソフトウェアが含まれる。
米国シナジー・リサーチ・グループ(SRG)のアナリスト、アーロン・ヴァンス氏は、無線LANアーキテクチャの方向性に関して「シスコは転換途上にある。最近では、同社は無線LANスイッチング技術の新興企業の姿に近づこうと試みてきた」と語る。
昨年5月にシスコは、Cisco Airenet APの管理とコントロールを集約化して高速なローミングとセキュリティ機能を実現する、Catalyst 6500スイッチのためのモジュールを含んだ製品パッケージをリリースした。しかし、このパッケージは、最小構成でも5万ドルを超える価格であり、シスコのAPを何百基も配備する大規模なシステムやシスコ製品による大規模なLANに主なターゲットを合わせたものだった。
それに対し、「エアスペースの製品では、1万ドル以内で機能する無線LANシステムを得られる。そのことは、規模の小さい顧客、あるいはCatalyst 6500を使用していない顧客に対して、より大きな訴求力を持つだろう」と、Network World米国版と提携しているテスト・ラボの一つである米国ネットワーク・テストの社長、デビッド・ニューマン氏は語っている。
また、シスコによるエアスペース買収は、競合ベンダーのアルカテル、NEC、ノーテル・ネットワークスにとっては思わぬ打撃だ。これらのベンダーは最近、エアスペースと最近提携を結んでおり、ビジネス・ネットワーク向けの無線LAN/ボイスオーバーIP(VoIP)統合パッケージを、エアスペースの機器と米国スペクトラリンクのWi-Fi VoIPハンドセットとともにそれぞれ自社のIP PBX製品を使用して提供すると発表していた。だが、そうした提携の将来は、今回の動きで不確かになった。シスコとアルカテル、NEC、ノーテルは、IP PBX市場とLANスイッチ市場で直接競合しているからだ。
このエアスペース買収は、無線LANスイッチ市場のさらなる整理統合の前触れかもしれない、とSRGのヴァンス氏は言う。「エアスペースの最大のパートナーだったノーテル、アルカテル、NECがこれで冷や飯を食わされるとなれば、明らかに、さらなる整理統合の可能性が存在する」と同氏は述べている。
(Network World (US))



