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[北米]
米スタンフォード大学の研究者がトラフィック処理能力を高める「OpenFlow」技術を発表

“帯域幅が大きい”“遅延が小さい”“消費電力が小さい”などの条件で経路を選択可能に

(2008年10月30日)

 米国Stanford大学の研究者が、ネットワークを調整して、帯域幅の拡張、遅延の最適化、電力消費の節減などを可能にする技術を発表した。同大学の准教授で、電気工学とコンピュータ科学を専門とするニック・マッコーエン(Nick McKeown)氏によると、この技術は「OpenFlow」と呼ばれ、「まだ概念の実証段階ではあるが、企業ネットワークに導入することでトラフィックの処理能力を高めることができる」という。

米国Stanford大学の「Clean Slate Design for the Internet」のWebサイト

 OpenFlowは、インターネットを再設計し、利用実態に即してその能力を高めていくための方策を探る「Clean Slate Design for the Internet」構想の一翼を担う技術であり、業務用アプリケーションに影響を及ぼすことなく既存のネットワーク上で新しいネットワーク・プロトコルをテストするための手段として開発された。この技術のおかげで、多額の費用を投じて実験用のインフラストラクチャを構築する必要がなくなった。

 OpenFlowの機能は、通常のトラフィックに影響を与えることなく、トラフィックのフローを定義し、ネットワーク上の経路を決定するというものだ。経路を決定するためのポリシーを作成し、“帯域幅の大きな経路”や“遅延の小さい経路”、“経由するルータが少なく消費電力の小さい経路”などを必要に応じて選ぶこともできる。

 OpenFlowは、スイッチにインストールされるフローテーブルとコントローラ、およびコントローラがスイッチと安全に通信するための独自プロトコル(OpenFlow Protocol)という3つの要素で構成される。Cisco、HP、Juniper、NECなども開発に協力しており、各社はOpenFlowを搭載したスイッチとルータを提供している。なお、この技術を搭載する製品は、まだ正式には出荷されていない。

 OpenFlowを搭載するスイッチにはフローテーブルが設定され、コントローラがOpenFlow Protocolを介してスイッチと通信し、フローにポリシーを適用する。これにより、単純なフローを「あるIPアドレスから発信されたトラフィック」として捉え、どのポートへ転送するかを指定できるようになる。コントローラは、ネットワーク環境に関する情報を基に、速度/ホップ数/遅延などから最適な経路を決定することができるという。

 現在のスイッチやルータでは、ベンダーの独自ソフトがポリシーを管理し、経路を決定している。OpenFlowでは、インフラストラクチャ(スイッチやルータ)ではなく、企業などのネットワーク所有者や個々のユーザー、個々のアプリケーションがトラフィックの経路を管理することになる。

Global Environment for Network Innovations (GENI)のWebサイト

 今週、カリフォルニア州パロアルトにあるHPの研究所で開催されたコンファレンス「Global Environment for Network Innovations (GENI) Engineering Conference」で、OpenFlowのデモンストレーションが行われ、The OpenFlow Switch Consortiumの研究者たちが米国と日本を実験用ネットワークで結び、その機能を実演した。

 このデモは、両国のプレーヤーがネットワークを介してシューティング・ゲームをプレイするというものだった。実際には、ネットワーク上の仮想マシンにインストールされたゲーム・サーバが、OpenFlowを使ってネットワーク上の最適な場所にある物理サーバに自らを複製することで、プレーヤーが体感する遅延を均一化/最小化させていた。「今回のデモはビジネス・アプリケーションを使うものではなかったが、OpenFlowの能力の一部を示すことができた」(マッコーエン氏)

(Tim Greene/Network World米国版)






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