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Webの高速化と安定稼働を可能にする「Webアクセラレータ」
TCPターミネーション、RDMA、ギガビットEthernetポート、ASICなどの技術トレンドを押さえる
(2005年04月01日)
Webサーバやネットワークにかかるさまざまな負荷を軽減することで、Webシステムのパフォーマンスを向上させる「Webアクセラレータ」。アプライアンス型のWebアクセラレータは数年前から販売されているが、今年5月、米国ラスベガスで開催されたNetworld+Interop 2004カンファレンスにおいて、さらなる高速・安定化を可能にするアーキテクチャや機能が多数披露された。本稿では、eコマース/業務システムにおけるWebアクセラレータの導入メリットを説明するとともに、新しいアーキテクチャや機能について解説する。
亀山商太郎
Webアクセラレータが果たす役割
eコマース・サイトを運営している企業がプロ野球の経営に乗り出すというニュースが話題になっている。これは、eコマース・サイトが身近な存在になったことの表れでもあろう。こうしたサイトでは、アクセス数を少しでも増やすことが重要である。しかし、アクセス数が増加すると、それに比例してWebサーバやネットワークへの負荷も上昇してしまう。
競争の激しいeコマース・サイトでは、サイトへのアクセスが混雑してなかなか閲覧したいページが表示されないことが頻繁にあると、ユーザーが離れていってしまう。つまり、eコマース運営企業にとっては、経営に直接影響を与える問題なのである。
こうしたWebシステムのパフォーマンスに対する認識には、マーケティング担当者とネットワーク管理者との間で、驚くほど隔たりがある場合が多い。例えば、あるeコマース運営企業で、新規プロジェクトが立ち上がったとしよう。マーケティング担当者は、ロード・バランサとWebサーバの増設、キャッシングの技術だけで十分補えると判断してしまう。だが、ネットワーク管理者は、これだけでは負荷の予測が難しく、Webシステムのパフォーマンスを維持できないと訴えるだろう。
たとえネットワーク管理者がプロジェクトの状況を把握していたとしても、Webサイトのアクセスがどれほど増加するのかを予測するのは、そう簡単なことではない。通常、ネットワーク管理者は、今までに発生したアクセス数のピーク値を基準に経験則でアクセス数を判断する。従来、アクセス数が多いと判断した場合は、Webサーバを増設するのが一般的な対処方法ではある。だが、簡単にWebサーバを増設すると言っても、ハードウェア・コストやソフトウェア・コスト、メンテナンス・コストなど、さまざまなコストが振りかかってくる。アクセスが減ったときに休眠状態になってしまうことを考えれば、安易なサーバの増設は良策ではないだろう。
そこで、解決策として浮上してくるのが、Webアクセラレータの導入である。Webアクセラレータは、突発的にサーバへの負荷が上昇しても、Webシステムに常に安定した速度で処理を継続させることができる(図1)。また、ほとんどのWebアクセラレータには、ユーザー(クライアント)側の接続状況(通信回線の帯域幅など)によってスループットを調整して、クライアントへの応答速度を平準化する機能が備わっている。なぜなら、ナローバンド回線を使ったクライアントが接続した場合に、WebサーバのCPUやメモリがその通信に占有されてしまい、Webシステム全体のパフォーマンスの低下につながることがあるからだ。eコマース・サイトは、こうした調整機能を備えたWebアクセラレータを利用することで、クライアント側の接続環境に左右されることなく、安定したサービスを提供できるようになる。
また、Webアクセラレータは、サーバと違い、アプリケーションの変更や増設のたびに行う動作検証を必要としない。現在、市場には、ネットワークの高速化に伴い、RDMA(コラム1)や、ギガビットEthernetを備えたWebアクセラレータ製品も登場している。サーバやスイッチがRDMAやギガビットEthernetに対応していれば、これらの技術をフルに活用することができるだろう。
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コラム1
RDMAとは?
RDMA(Remote Direct Memory Access)は、ネットワークおよびサーバ・ベンダー各社が設立したRDMAコンソーシアムで標準化された技術である。同技術は通信したデータをサーバ内のCPUを介さず、ネットワーク経由でメモリにダイレクトに送信することができる(図A)。
すでにヒューレット・パッカードなど一部のベンダーからは、RDMAをサポートした製品が販売されている。ブレード・サーバもRDMAに対応していれば、より効果的だ。
なお、RDMAは現在、IETFでも標準化が進められている。
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