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IP電話システムの運用アウトソーシング
「IPセントレックス・サービス」の現状を知る[前編]

フルIP化と部分IP化──2つの利用形態の特徴、メリット

(2005年04月25日)

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コスト・メリットを受ける条件

 IPセントレックスの導入を検討している企業が最初に掲げる目標は、おそらく通信コストの削減だろう。しかし、ほとんどの企業の場合、IPセントレックスを導入するよりも、マイライン(*4)の選択を検討しなおしたほうが通信コストを削減できる。

 確かにIPセントレックスの通話料は、内線電話は無料、外線電話についても全国一律3分8円程度と低価格だ。しかし、IPセントレックスの場合、サービスの利用料はもちろんのこと、データ通信用の回線に余裕がなければ、通話用の回線を新たに増設しなければならず、その回線利用料も必要になってくる。回線ごとに必要な基本料金と、オプションの料金を加算すると、あまり安いとは言えない額になることもある(図4)。


図4:IPセントレックスの通信コスト比較

*物理的に離れた拠点間の内線電話を、通信事業者の通信回線を利用して外線で通話した場合のコストと比較


*4:マイライン……「市内」「県内市外」「県外」「国際」などの通話の区分別に、利用したい通信事業者を登録しておくと、識別番号をダイヤルしなくても利用したい通信事業者の回線を介して電話がかけられるサービス

 また、海外への通話も、一般的にはさほど安くはない。海外に拠点があっても、内線として接続するサービスを提供しているところは、まだほとんどない。

 一方、マイライン開始時の価格競争が激しかったこともあり、普通に電話をかけても通信事業者の通話料はさほど高くはなくなっている。さらに、多数の回線を契約している、いわゆる“お得意様”の企業の場合には、大口割引が適用されることも少なくない。規模によっては、全国一律3分6円台というケースもある。

 海外への通話についても、頻繁に通話する相手の国との料金を特別に安く設定している通信事業者を見つければ、IPセントレックスとして提示されている一般的な海外通話料よりも低料金になることがある。実際、IPセントレックスを提供しているベンダーの中には、海外までIP通信を行って現地の電話会社に乗り入れるのではなく、格安で海外との音声通信を提供する通信事業者と日本国内で接続しているところもある。

 つまり、新しくデータ回線を敷設して月々の利用料を払い、VoIPアダプタまたはターミナル・アダプタを購入したとしても、コスト・メリットが生まれるケースは、実はまれなのである。

 確かに、すでに十分太いデータ回線を確保しており、拠点間の外線通話コストが高いといった場合には、IPセントレックスを導入する価値はあると言えるだろう。ただし、そのメリットがどの程度かについては、企業全体での過去の通話履歴を、通話区分、利用した通信事業者ごとに詳細に分析したうえで、IPセントレックスのサービス利用料や通話用の回線利用料などが従来に比べて高くならないかを検証する必要があるのだ。

 ここ数年、企業におけるIP電話システムの利用率は急上昇している。新しいサービスが次々に現れ、しかも低価格化が進むなか、IP電話への移行を検討している企業も多い。同システムの導入により、従来と同じ通信料を支払うだけで通話をIP化でき、結果的に通話料を削減できるかもしれないとなれば、こうした移行の流れはある意味当然だと言える。

 またIPセントレックスに関しても、今後、回線利用料の低価格化が進むにつれ、同サービスによるコスト・メリットを享受できる企業はますます増えると予想される。ただし、コスト削減だけを理由に、安易にIPセントレックスを導入すると、あとで使いづらくなったり、変更が困難になってしまったりすることもある。利用を開始してから、思ってもいなかったサービスの比較ポイントが見つかったりするケースもあるだろう。したがって、IPセントレックスの導入時には、さまざまな面からベンダー各社のサービスを比較する必要があるのだ。そこで、後編となる次回では、IPセントレックスの導入時にチェックすべき項目や、導入前に見落としやすい比較のポイントなどについて説明したい。


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IP電話システムの運用アウトソーシング
「IPセントレックス・サービス」の現状を知る[前編]

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