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[米国]
「大量メール送信を有料にすればスパムは減る」に電子メール業界から疑問の声が噴出

(2006年02月08日)

 米国のヤフー、アメリカ・オンライン(AOL)の両社は、反スパム戦略の一環として、送信メッセージ1件ごとに料金を課す電子メール認証システムの採用を計画しているが、このことが電子メール業界の間で大きな論議を巻き起こしている。

 両社がスパムやフィッシング・メールの削減を目的に、米国グッドメール・システムズの電子メール認証システムを採用すると発表してから3カ月以上が経った。昨年10月の発表時に、このことについて疑問視する者はほとんどいなかったが、いざ導入が近づくと、ようやく電子メール業界から批判の声が上がり始めた。

 例えば、電子メール・セキュリティ製品を提供する米国アイロンポート・システムズのワールドワイド・マーケティング担当シニア・バイスプレジデント、トム・ギリス氏は、メール送信の有料化について次のような意見を述べている。

 「スパマーの資金は潤沢であるため、大量メール送信者に料金を課したところで大きな効果は望めない。むしろ送信者のIDを認証し、彼らの信用を評価するといった別の手法の採用を検討すべきだろう」

 ギリス氏は、技術的観点から見るとグッドメールのプロプライエタリなアーキテクチャは「きわめて“侵入的”なもの」(同氏)と指摘する。同氏は、グッドメールの技術について、「メールの流れ全体に影響を及ぼす可能性が高く、導入する際には細心の注意が必要となる。また、拡張性と信頼性に関しても不安が残る」と述べている。

 また、デル、ギャップ、ナスダック、タイムワーナー傘下のロードランナー、イーベイ傘下のペイパルといった大手顧客を抱える米国アイロンポートも、グッドメールの技術を採用することに乗り気でないとしている。同社では、送信者に料金を課す代わりに、「DomainKeys」や「Sender ID」などのオープン・スタンダードな送信者認証技術を採用することを支持している。

 そうしたなか、グッドメールの会長兼CEO、リチャード・ギングラス氏は、「スパムやフィッシングと真剣に戦うには、従来の送信者認証技術では不十分。最近のユーザーは、商業的機関から届けられる電子メールに返信するどころか、開くことさえしようとしない」と指摘する。

 さらに、同氏は、「不幸にもわれわれを批判する声は、電子メール市場に仕え、現行システムの存続を望む者たちの間から上がっている」と、グッドメールを批判する人たちの動機について疑問を投げかけている。

 グッドメールが提供する電子メール認証サービス「CertifiedEmail」の課金制度は、商業目的で大量にメールを送信する事業者のみを対象としており、一般のユーザーはメール送信時に料金を支払う必要はないという。ギングラス氏は、「送信者が当社の認証サービス・プログラムに加入する際には厳密な審査が行われるうえ、その後も合法的な電子メールを送信しているかどうかを継続的に監視している」と説明する。

 CertifiedEmailでは、大量メール送信時にはメッセージ1件当たり0.25〜1セントが課金される。また、送信メッセージにはあらかじめ送信者に付与した暗号トークンが埋め込まれ、受信側では認証済み、あるいは合法性を示すアイコンが表示される。同システムは、現在、米国赤十字とニューヨーク・タイムズで試験運用が行われているという。

 AOLの広報担当、ニコラス・グラハム氏は、「AOLの電子メール利用者は、今後30〜60日間以内にグッドメールの認証アイコンを目にするようになるだろう」と語る。同氏によると、AOLでは商業目的の送信者用のオプションとしてグッドメールの認証システムを導入するが、一般のユーザーには従来の電子メール・フィルターの使用を継続し、課金制度は設けないと説明している。

 一方、ヤフーでは、より強力なスパム対策の実現を目指し、今後数カ月以内にグッドメールの認証システムを使った試験運用を開始する見込みとしている。

(IDG News Service マイアミ支局)






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