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[米国]
シスコ、ルータ製品に「トンネルレスVPN」などの新技術を追加
(2006年12月05日)
米国シスコシステムズは12月4日、企業の支社などで広く利用されている同社の統合型ルータ(Integrated Services Router:ISR)に、「トンネル技術を必要としない」トンネルレスVPN(Virtual Private Network)技術を追加するなど、いくつかの機能改良を行ったと発表した。
シスコでISRラインの製品マーケティング担当ディレクターを務めるインバー・ラッサーラーブ氏によれば、新たなVPN技術は拠点間のトンネルを必要とせず、さまざまなWAN環境でデータを安全に転送できるという。こうしたトンネルレス転送が遅延を軽減し、大規模なネットワークにおける音声および映像アプリケーションのパフォーマンス改善につながると、同氏は説明する。
シスコは「Group Encrypted Transport(GET)」と呼ばれる同技術の標準化を目指し、複数の標準化団体と協力していく意向だ。
ISRでは、GET技術以外にも、ISRサービス・エンジンのスループットが40Mbpsから100Mbpsへ改良されたほか、「Wide Area Application Services」技術が実装されたことで大容量WANへの対応が実現された。また、IT管理者がWANトラフィックの状況やパフォーマンスを把握するために用いる「Network Analysis Module」も追加された。
ラッサーラーブ氏は、新たなルータからケーブル・ブロードバンド・システムに接続することも可能になったと説明している。
フォレスター・リサーチのアナリスト、ロブ・ホワイトリー氏は、シスコが発表した機能改良について、VPNの設定過程を簡略化するGET VPNはIT管理者を支援する重要な技術であり、特に支社数を増やしている企業には最適だと評価する。例えば、ある支社で働く50人の従業員それぞれのためにネットワーク・トンネルを構築する代わりに、GET技術を使って単一のグループ・ドメインを作成することが可能になるという。
イリノイ州マックヘンリーにあるマックヘンリー貯蓄銀行は、約1年間にわたって7台の「Cisco 2800」および「3800」ISRを利用しており、現在は新たにリリースされたアップグレード版を評価しているところだと、同行のIT部門上級副社長、ブライアン・ナッシュ氏は述べている。
同行は支社が5カ所しかなく、セキュリティも多層的なものを必要としているため、シスコのISR製品が備える諸機能の中でGET VPN技術を最重視しているわけではないが、無線接続の使用が禁止されている銀行においては、ケーブル・ブロードバンド経由でリモート接続が可能という特徴はきわめて重要だと、ナッシュ氏は指摘する。
1年前にISRをインストールした際、同行はISDN接続の使用を中止して、ATMデータと音声および監視ビデオ・トラフィックのルーティングを統合することができた。ナッシュ氏は、「この取り組みによってコスト効率が向上した」と強調、ISRルータの導入によって年間4万5,000ドルの経費節減につながったと説明している。
ボストンを拠点とするヤンキー・グループのアナリスト、ゼウス・ケラバーラ氏は、シスコはGET VPNやその他の機能をルータに搭載することで、「日用品と考えられていた従来の製品に新たな価値を付加することに成功した」と評価する。シスコは世界の部門向けルータ市場の90%以上を握っているが、これは70億ドルを超える規模に相当するという。
ラッサーラーブ氏も、ISRの販売台数がつい最近200万台を突破したと強調する。27カ月前にリリースされたISRは、今ではシスコが現在販売しているルータの90%を占めるまでになった。
「Cisco 800」シリーズのISRは399ドル、ハイエンド仕様のCisco 3800シリーズのISRは9,500ドル。また、Wide Area Application Acceleration Servicesモジュールは3,750ドルからで、すでに提供が始まっている。
Network Analysis Moduleの販売開始は2007年第1四半期中に予定されており、価格は4,495ドルから。GET VPNは、「Cisco IOS 12.4」ソフトウェアの一機能として提供されている。同技術はシスコの新たなISRに実装されるもので、保守サービスを契約している既存ユーザーは無料でアップグレードできる。
(マット・ハンブレン/Computerworld オンライン米国版)
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