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[米国]
スカイプ、携帯ネットワークのオープン化をFCCに要請

携帯通信業界は「技術発展の停滞につながる」と反発

(2007年02月26日)

 米国イーベイの子会社でピア・ツー・ピアVoIPの草分けであるルクセンブルグのスカイプ・テクノロジーズは先週、1968年に米国政府機関が決定した「カーターフォン」裁定を米国の携帯電話業界に適用することを米国連邦通信委員会(FCC)に要請した。携帯ネットワークにおいてデバイスやSkypeのようなサードパーティ・アプリケーションが、より自由に利用できるようにすることが要請の目的だ。

 カーターフォン裁定は初期のタイプの無線端末にかかわるもので、消費者が有線通信ネットワークにどのようなデバイスを接続しても、デバイスが有害なものでないかぎり、通信事業者はこれを妨げることはできないと定めた。

 任意のデバイスで携帯電話ネットワークに接続することが認められれば、VoIPを用いて携帯事業者の3Gデータ・ネットワーク経由で音声通話を行うことが可能な端末など、消費者にとって新しい多様な選択肢が登場してくる可能性がある。

 現在、米国で使われている移動通信端末のほとんどは、通信事業者が販売しており、販売元以外の事業者のネットワークでは利用できないようになっている。スカイプの要請では、事業者が3Gネットワーク上のあらゆるアプリケーションについて、ネットワークに有害でないかぎり、利用を妨げたり禁止したりできないようにすることも求めている。

 スカイプの要請が受け入れられれば、携帯事業者の収入の根幹を揺るがすことになる。携帯事業者の収入は依然として音声通話が多くを占めており、独自の着信メロディ、音楽、ビデオなどのサービスも有力な収入源になっているからだ。

 しかし、スカイプの政府/規制関連業務担当シニア・ディレクター、クリストファー・リバーテリ氏は、有線電話ネットワークに関する以前の裁定を携帯ネットワークに適用しない理由はないと力説する。

 携帯事業者が外部のアプリケーションの利用を妨げないようにすることは、ネットワークの中立性を重視するFCCの方針に沿っている。また、携帯事業者はクローズドなネットワークを運営してきたが、3G技術の導入に伴って、こうしたネットワークの多様な使い方が可能になっていると、同氏は指摘する。

 リバーテリ氏は、「われわれは、こうした状況の中で、的確な政策が取られるように働きかけを行っている」とし、スカイプが要請だけでなく、無線ネットワークに有害なデバイスを定義する業界フォーラムの設立も提案していることも明らかにした。

 携帯電話業界は、スカイプの要請に対し、直ちにこれを批判する声明を出した。米国セルラー通信工業会(CTIA)の会長兼CEO、スティーブ・ラージェント氏は声明で、要請が受け入れられれば、イノベーションの停滞につながると強調している。

 「スカイプの要請は自社の利益のみを優先するものであり、明らかな法的な盾があり、現在の競争的市場で実現されている莫大な消費者利益を完全に無視している」(ラージェント氏)

 スカイプのリバーテリ氏は、携帯通信事業者などの理解を求めるのは困難な仕事だが、カーターフォン裁定の適用は、携帯ネットワークの新しい使い方を生み出し、携帯電話事業者にプラスになると信じていると述べた。

 ニマーツ・リサーチの社長を務めるジョナ・ティル・ジョンソン氏は、FCCの対応は予想しにくいと語る。「FCCは近年、従来の枠組みを壊すような新技術について、支援する姿勢と慎重な姿勢の両方を見せている。したがって、中間の道を行く可能性が高い」

 またジョンソン氏は、もしスカイプの要請が通れば、確かに通話コストは下がるだろうが、携帯事業者は顧客を囲い込んでサービスを販売するうまみがなくなり、ネットワークを更新しようとする意欲が低下する可能性もあると指摘する。

 スカイプは、FCCが同社の要請公開して一般の意見を募ることを期待している。実施されれば、このプロセスは数週間を要する見通しだ。

(スティーブン・ローソン/IDG News Service サンフランシスコ支局)






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