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[国内] 【Interop Tokyo 2007 リポート】
古川享氏、InteropでIPネットワークの進化と活用について講演

「IPネットワークを駆使したビジネス・モデルの創出で、日本は欧米に後れを取っている」

(2007年06月13日)

慶応義塾大学デジタルメディアコンテンツ統合研究機構教授の古川享氏

 幕張メッセで開催されているネットワーク技術の総合展示会「Interop Tokyo 2007」(6月11日〜15日)。3日目の基調講演に、元米国マイクロソフトのバイスプレジデントで、現在は慶応義塾大学の教授を務める古川享氏が登壇し、IPネットワーク技術を巡る最新動向や実現されるサービスなどについて語った。

 古川氏はまず、音楽制作、放送、携帯電話などの分野で、IP技術がより高度な形で活用されている現状について紹介した。例として、IPネットワークが利用可能なエリアに入ると自動的にIP電話に切り替わるハイブリッド型携帯電話や、Skype端末としての機能のほかにアドホックな通信が可能なモバイル通信端末(ソニーの「mylo」)といった、IPの可能性を十分に生かした製品が登場し始めていることを挙げた。

 また、単にコンテンツの提供がIPネットワーク経由で行われるという「IP化」が強調されているだけでなく、音楽や映像などのコンテンツの品質も以前より格段に向上していることが、現在進行しているIP化の特徴であるとした。「今では、SACD(Super Audio CD)並みの音がIPネットワーク経由で提供され始めている」(古川氏)。

 こうした“高度なIP化”の背景には、「利用可能なIPネットワークの帯域幅が拡大していることのほかに、多くの製品がOSで制御されるようになったことも大きい」と古川氏は指摘した。最近、注目すべき技術の1つとして、同氏はインテルのCPU/OSプラットフォーム技術「Viiv」によって実現されるホーム・エンターテインメント・サービスを挙げ、IP技術およびCPUやOSの連動が生み出すサービスの有用性を強調した。同氏によると、Viivを利用するサービスでは、映像コンテンツを受信する側にとって最適な状態でコンテンツを楽しめるよう、画質は標準画質か高画質か、映像信号形式は1080iか710pかといった設定が自動的に選択されたうえでコンテンツが提供されるようになっているという。

 また、古川氏は最新のIP技術「DLNA (Digital Living Network Alliance)」についても言及した。これは、家庭内にあるテレビやコンテンツ・サーバをつないで、写真、映像、音楽などのコンテンツを容易に共有するための技術で、単にコンテンツを送信するだけでなく、DTCP/IPという規格の下に保護された形でのコンテンツ送信も行えることが特徴であるという。古川氏は、「これからのデジタル・メディアを考える際に重要なのは、実際にどういったサービス・アプリケーションが実装できるかということだ」と語り、IP接続の形態や技術よりも、実際に提供しうるサービスの内容や、そこで実現しうる機能に目を向けるべきであることを強調した。

 ほかにも、IPTVの最新動向として、PCを必要としない「ギャオプラス」や、「iTunes Store」で購入したコンテンツに加えて「YouTube」も楽しめる「Apple TV」などが紹介された。

 古川氏は、IPTVをはじめとするIPネットワークの活用は欧米が先んじていると指摘した。同氏によると、欧米では、例えばテレビ番組の配信方式に関して、IPなのか、それとも従来型の放送なのかについて論じられることが少なくなってきているという。「日本はIPの高速伝送については最先端の技術を持っているにもかかわらず、それを、どのようにビジネスに生かしていくかという点については欧米に後れを取っている」(古川氏)

(高山哲司/Computerworld)






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