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[中国]
金融決済ネットワークの近代化に突き進む中国
中国全土をカバーする小切手画像交換システムも運用をスタート
(2007年09月07日)
中国は、経済大国へと急速に発展しつつあるが、銀行業務、小切手、クレジットカード、デビットカードなどのシステムについては、これまで経済発展のペースに追いつかない状態が長く続いていた。同国は、国土が広大なうえに、その大半は農山村地域であり、伝統的に人々の移動が少なく、金融決済処理も地方自治体内で完結することが多かったからだ。
しかし、米国のコンサルティング会社タワーグループは、こうした状況が変化しつつあると分析する。同社によると、中国政府は、自国の消費者と企業の両方に利益をもたらすとの期待から、高速光ファイバ・ネットワークをベースにした近代的で洗練された金融決済システムの導入を進めつつあるという。
中国政府は、人民元を使った高額の銀行間トランザクションに対応する「Chinese National Advanced Payment System(CNAPS)」と呼ばれるシステムや、低額の人民元トランザクションに対応する決済ネットワークの運用を数年前から開始している。
タワーグループのアナリストで、『亥年(2007年):中国の銀行間決済システム』(中国では亥年に生まれた人は「正直で率直、忍耐強い」とされる)と題したリポートを執筆したコリン・カー氏は、リポートの中で、決済システムの近代化の最新の取り組みの1つとして、今年運用を開始した小切手画像交換システムを紹介している。
今年6月から、6つの市と省で運用が始まった小切手画像交換システムを使えば、銀行間で小切手を電子化して交換することができるほか、CNAPSの下に構築された全国規模の決済ネットワークを介して電子受領書を送付することも可能だ。
同リポートによると、「これまで紙ベースで行われていた中国の小切手決済は、特定の市だけに限定されており、主に企業が利用していた。しかし、中国政府は、現金に代わる安全な決済手段として消費者による小切手の利用を促進したいと考えており、とりわけ自動車の売買といった高額取引での普及を目指している」という。
また中国政府は、主要銀行が加盟する「China UnionPay(中国銀聯)」のデビットカードの利用拡大と国際的な引き受けを促す取り組みも進めている。China UnionPayは5年前から、国内の多様なデビットカード・ネットワークの一元化に取り組み始めた。
しかし、この分野での発展は、主に地域の交換機に使用されている技術に互換性がないといった理由で、相対的に遅れ気味だ。カー氏はリポートの中で、「中国は、財政面で保守的な気風が強く、22対1の比率でデビットカードがクレジットカードをリードしている」と報告する。
タワーグループが取材した情報筋によると、13億2,000万人の総人口を擁する中国内で使われる決済カードは、昨年時点で、デビットカードがおよそ11億枚だったのに対して、クレジットカードは5,000万枚にとどまったという。
中国には、3万を超える金融機関が存在すると言われるが、現時点では、4つの国営銀行(中国銀行、中国建設銀行、中国工商銀行、中国農業銀行)が絶大な力を持ち、近代化の取り組みを主導している。
これらの国営銀行は、全国規模の決済ネットワーク「Electronic Interbank Network(EIN)」を使用しているが、僻地にある銀行との接続は、依然として大きな課題であるという。
中国は、国土が広大であるにもかかわらず、標準時刻帯(タイムゾーン)が1つしかないほか、中国元と香港ドルという2つの通貨が存在するといった特殊事情も抱える。
香港は、英国と中国との間で結ばれた条約に基づき、1997年に「特別行政区」として中国に返還された。香港は、現在も国際的な銀行ネットワーク・ハブとして機能し続けており、中国本土とは別の決済システムを使用している。
(エレン・メスマー/Network World 米国版)



