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[世界] 【Gartner調査】
ネットワークへの“むだ”な投資が急増――2011年までの総額は1,300億ドルに

モニタ付きIP電話、ギガビットEthernetなど意外に多いむだな投資

(2007年12月06日)

 一般に、お金は多いほどうれしいものだが、米国の調査会社Gartnerのアナリストを務めるBob Hafner(ボブ・ハフナー)氏にとっては逆だ。

 というのもHafner氏は、世界中のネットワーク管理者がいかに多くの不要なテクノロジーを購入し、投資をどれだけむだにしているかを算出するチームのスタッフだからだ。

 Hafner氏は1年前、2010年までに世界中で投じられるむだな投資額は1,000億ドルになると見積もっていた。だが、同氏はNetwork Worldカナダ版とのインタビューで、「最近数字を見直したところ、実際にはそれをかなり上回りそうだ」と語った。

 同氏は、2007年から2011年までの5年間に企業のネットワークへ総額1,300億ドルがむだに投資されると見積もっており、昨年算出した金額を大幅に上方修正している。

 むだな投資の典型例としては、シンプルな電話機で済むにもかかわらず、スタッフ全員への小型モニタ付きIP電話の配布に伴う203億ドルの追加コストや、組織内のデスクトップPC1台ごとにギガビットEthernetを敷設するのにかかる100億ドルのコストなど、挙げていくと多岐にわたる。

 では、新たに加えられた300億ドルという数字の内訳はどうなっているのか。

 企業は必要のないギガビットEthernetを敷設しようとしているが、そのスイッチ価格が昨年のGartnerの予測額ほど下がっておらず、「購入には予想以上に多くの出費を伴う」点が大きいと同氏は説明する。

 さらにギガビットEthernetが10Base-Tよりも電力を多く消費するため、その電気代で20億ドルのコストが新たにかかるという。不要なスイッチを買うことで電気代も余計にかかるわけだ。

 同様に、モニタ付きIP電話もギガビットEthernetを採用することから、ここでも10億ドルの余計な電気代が発生する。

 ベンダーやサプライヤーとの契約交渉がうまくいかず、過払いが生じるケースも、昨年の見積もり額である150億ドルから今年は250億ドルへの増額を予想している。

 一方でHafner氏と同僚のアナリストらは、世界中の企業がWAN最適化装置を利用し、WAN回線の帯域利用効率を高めることで、合計200億ドルのコストが削減できると見込んでいる。

 Gartnerによると、WAN最適化装置を導入すれば、ネットワーク・トラフィックを少なくとも60%削減でき、回線増速への投資を3年先延ばしにできるという。

 また、専用ネットワークを使わなくとも、通常のインターネット回線を活用することで、さらに350億ドルのコスト削減につながるという。

 「個々の企業単位で見れば大した額でないが、チリも積もれば山となる。専用のWAN回線からインターネットに移行するだけで、ネットワーク支出を10%削減できる。専用ネットワークの維持費として年間1,000万ドル支出している企業の場合、これだけで年間100万ドルのコスト削減になる」と、Hafner氏は指摘している。

 「節約した分を別の投資に振り向けるにしても、ネットワークの自動化など、もっと付加価値の高い案件に投資するべきだ」(同氏)

 つまりHafner氏は、IT部門とネットワーク管理者はこれまで行ってきた投資の方向性を見直すべきだと、指摘しているわけだ。つき合いのあるベンダーに勧められたからといって、すぐに最新製品にアップグレードするのではなく、CIOとCEOが何を優先しているかに応じて、投資先に優先順位を付けていく必要がある。

 「個別のITソリューションにだけ注目するのではなく、ビジネスという広い視野からネットワークを見ることだ」と、Hafner氏は語っている。複数の通信アプリケーションを統合するメリットを明確にし、投資する価値があるかどうかを見極める。例えば、無線LANの敷設を検討する際は、コストの節約よりもスタッフのモビリティという観点から価値を判断する必要がある。

 ちなみに、Garnerは、2011年までに企業が実施するITシステムへの投資のうち、20〜50%は結局むだに終わると試算している。

(Howard Solomon/Network World カナダ版)






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