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[米国]
W3C、HTML 5の初期草案を公開――Webアプリ関連の機能を強化

最終仕様の公開は2010年以降の見通し

(2008年01月23日)

 標準化団体のWorld Wide Web Consortium(W3C)は1月22日、次世代のHTML仕様であるHTML 5の初期草案を公開した。1997年以来のメジャー・アップグレードとなるこのバージョンには、2次元グラフィックスの描画やオーディオ/ビデオ・コンテンツの管理に対応するAPIなどが盛り込まれている。ただし、最終版が登場するのは2010年以降になる見通しであり、広く普及するかどうかはブラウザ・ベンダー次第との声も上がっている。

 HTMLは、Webページ構築のための基本的なマークアップ言語だ。HTML 5の目的は、適正なHTMLドキュメントの処理とエラー修復に関するルールを提供することで相互運用性を向上させ、ソフトウェア開発コストを低減することにあるとされている。

 W3Cは、HTML 5の開発意図として、HTMLの利用実態に仕様が追いついていない点を是正することと、新機能の追加を挙げている。W3C HTML Working Groupの共同委員長、ダン・コノリー(Dan Connolly)氏は、「前回のアップグレード以後、われわれはさまざまな作業を行ってきたが、問題は、Webの規模が拡大しているにもかかわらず、それにわれわれの取り組みがほとんど対応できていないことだ」と語っている。

 新機能の多くは、Webアプリケーションに関係するものと、動画をWebに統合するためのものだという。ほかにも、ドキュメントをインタラクティブに編集するための機能や、セクション・タグ、ページ・フッタ、ナビゲーション・エレメントといったWebページ要素の表示を容易にする機能、永続的なクライアントサイド・ストレージのメンテナンス機能なども盛り込まれる予定だ。

 W3Cは新機能を提案するにあたり、ユーザーのWeb上での行動や最新のWebサイトなどを調査したという。Connolly氏は、「各種の新機能を標準化し、オーサリング・ツールに組み込む時期が来た」と語っている。

 また、W3Cでは今後、リッチ・メディアやAjax(Asynchronous JavaScript+XML)などの新技術も重視していく方針としている。W3Cによると、近年の技術革新により、モバイル・プラットフォームとデスクトップ・プラットフォーム間で相互運用可能なWebアプリケーションを構築するための標準が、これまでになく求められるようになってきているという。

 しかしながら、米国Forresterのシニア・アナリスト、ジェフリー・ハモンド(Jeffrey Hammond)氏は、ブラウザ・ベンダーに採用されなければHTML 5の普及は望めないと指摘している。「HTML 5が広く普及するかどうかは、ブラウザの対応次第だ。ディベロッパーがHTMLを使うのは、できるだけ多くのデバイスやブラウザに対応したいと考えているからだ」とHammond氏。

 ちなみに、Mozillaが提供するWebブラウザ「Firefox」は、すでにHTML 5をサポートしているという。同社のインフラストラクチャリスト、バルド・ブキセビッチ(Vlad Vukicevic)氏は、「われわれは、HTML 5の基盤となっているアプリケーション仕様WHATWG(Web Hypertext Application Technology)に積極的にかかわっており、次期Forefox 3では、DOM(Document Object Model)ストレージやオフライン・アプリケーション、HTML Canvasなど、標準案に盛り込まれている多くの要素をサポートしている。しかし、HTML 5の他の要素については、現在検討中だ」と述べている。

 W3Cによれば、MicrosoftやApple、Operaなどのブラウザ・ベンダーもHTML Working Groupにおいて積極的に活動しているという。また、HTML 5に盛り込まれる機能の中には、Adobe FlashやMicrosoft Silverlightなどのプラグイン技術を通じてすでに提供されているものがあるという。

 しかし、HTML 5の正式な仕様が完成するまでには、かなり時間がかかりそうだ。Connolly氏によると、暫定推奨仕様の公開は2009年半ばに、正式な最終推奨仕様の公開は2010年10月になる見通しだ。

 なおHTML 5は、ロイヤリティなしで実装可能であることを保証するW3Cの標準仕様に関する特許ポリシー「Royalty-Free Patent Policy」に基づいて実装される最初の仕様になるという。

(Paul Krill/InfoWorld米国版)






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