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マルチコア・コンピューティング

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[米国]
6コアの次は一気に12コア――AMDがCPUロードマップを大幅変更

処理性能の高さ/製造のしやすさを重視し、8コアの開発は中止

(2008年05月08日)

 米国AMDは5月7日、これまで予定していた8コアCPUの開発を中止し、12コアCPUを製造する計画を明らかにした。

 AMDの広報担当者によると、同社は「Magny Cours」(開発コード名)と名付けられたサーバ向けの12コアCPUを2010年前半にリリースする予定だという。同CPUは12MBのL3キャッシュを備え、DDR3(Double Data Rate 3)メモリをサポートする。

 AMDは6コアCPU「Istanbul」(開発コード名)を2009年後半にリリースする予定だが、その翌年にいきなり12コアCPUをリリースすることになる。同社が先月まで開発を続けてきた、サーバ向けの8コアCPU「Montreal」(開発コード名)はお蔵入りとなった。

 AMDの副社長兼ゼネラル・マネジャー、ランディ・アレン(Randy Allen)氏は、今回のロードマップの変更について、「12コアは8コアよりも大量の処理が可能なうえ、製造しやすいという利点がある」と説明した。

 同社は2010年に、別の6コアCPU「Sao Paulo」(開発コード名)のリリースも計画している。同CPUは6MBのL3キャッシュを搭載し、DDR3メモリをサポートする。Allen氏は、「Sao Pauloは12コアを必要としないシステムの需要に応えるものだ」と付け加えた。

 現行のクアッドコアCPU「Barcelona」では65nm(ナノメートル)プロセスが採用されているが、新CPUはいずれも45nmプロセスが採用される予定で、電力効率が向上する見通しだ。

 米国の調査会社Mercury Researchの代表、ディーン・マカロン(Dean McCarron)氏は、「業績の苦しいAMDは、財政面および技術面の両方からロードマップを見直し、6コアから12コアに“ジャンプ”する結論を出したのだろう」と解説する。同氏によると、コアを増やすというこの計画変更によって、製品の利益率の向上と、製造コストの抑制が共に実現できるという。

 「ただし、単一のチップに12コアを積んだCPUよりも、6コアを積んだ2つのCPUを1つのパッケージにまとめて12コアCPUとするほうが製造コストを抑えられる。そのため、AMDにとっては後者のほうがより現実的(な選択肢)となるだろう」(McCarron氏)

 さらに同氏は、今回の計画変更によって、米国Intelの8コアCPUとの競合を回避できると指摘する。Intelは今年後半に6コアのXeonプロセッサ(開発コード名は「Dunnington」)を出荷する予定で、その後に8コアCPUのリリースを計画している。

 しかし、AMDがロードマップを修正しても、Intelが強敵であることに変わりはない。2008年1-3月期、Intelチップの市場シェアは78.5%を占めた。一方、AMDは前年同期の18.7%からやや数字を伸ばしたものの、シェアは20.6%にとどまった。

 米国の市場調査会社Illuminataのアナリスト、ゴードン・ハフ(Gordon Haff)氏によると、AMDの新たな製品ロードマップは、同社が現在の苦境から脱する手段になるという。

 AMDは、Barcelonaの出荷を多数のバグを理由に遅らせ、業界から非難を浴びた。また、同社が先月発表した2008会計年度第1四半期の決算では、無謀な買収戦略が影響して6期連続の損失を計上、1,650人の従業員を一時解雇せざるをえない状況にまで追いこまれている。

 Haff氏は「AMDはここ数年で明らかな失敗をいくつか犯しているが、同社製CPUはOEMを中心に市場への太い販売ルートを持っている。現時点での同社の業績見通しは、今後1年半から2年間の(短期的な)ものであり、長期的なものではない」と語り、長期的には復調する可能性を示唆している。

(Agam Shah/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)




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