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データセンター革新

【解説】
データセンター再構築プロジェクト――“高密度化”時代のROI向上術

新設データセンターへの投資効果をいかに高めるか

(2008年09月25日)

データセンターの再構築プロジェクトが相次いでいる。業務拡張に伴う物理的スペースの追加や、機器の高密度化がもたらしたエネルギー・コスト増大への対応などが再構築を後押ししているようだ。とはいえ、コスト削減要求や環境問題への関心の高まりを受け、データセンター担当のITマネジャーは再構築の推進にあたり難しい舵取りを求められることになるだろう。単位面積当たりのパフォーマンスとエネルギー効率をバランスよく高めることで、投資効果(ROI)の最大化を図る必要があるからだ。本稿では、いくつかの事例を交えながら、ROIの向上に貢献する構築手法について解説する。

Stacy Collett/Patrick Thibodeau
Computerworld米国版

ブレード/仮想化の普及で高密度化に拍車

 今、データセンターの1つのトレンドは高密度化にある。小さな物理スペースに高度な処理能力を詰め込むケースが増えているのだ。しかし皮肉にも、そうした高密度化により、データセンターは新たな設計上の課題を抱えることになった。施設内で機器の整理統合が進み、物理的な設置面積は著しく縮小したが、今度はその縮小化が電力消費量および冷却問題の深刻化を招いている。

 米国カリフォルニア州サンフランシスコの調査会社DatacenterDynamicsによると、10年前のデータセンターにおける電力消費量は1平方フィート当たり30〜50Wであった。これに対し、現在のそれは150〜225Wに上っている。しかも、この数字は年を追うごとに着実に伸びているという。

 「ブレード・サーバと仮想化技術の普及により、あらゆる機能を1カ所のデータセンターに集約できるようになったが、それに伴い機器の電力消費量も大幅に増加した」と、ニューヨークを拠点とするコンサルティング会社Business Technology Partnersのジョシュア・アーロン(Joshua Aaron)氏は電力消費量上昇の理由を説明する。

 高密度化の背景には不動産価格の高騰もある。データセンターの新設にあたって最初に驚くのは、おそらく不動産価格の高さであろう。米国の市場調査会社IDCによれば、少なくとも1平方フィート当たり1,500ドルが相場だという。

 上述したように、地価の上昇などによりデータセンターの立地面積が小さくなったとしても、限られたスペースに多くの機器類を詰め込むというのが今のやり方だ。したがって、せっかくの新しいデータセンターがニーズに満足に応えられず、ビジネス成長の足枷にでもなったら、それこそ取り返しのつかない大きな負担になってしまう。

設置スペースの縮小で、管理コストを削減

 新しいデータセンターの建設決定が下されたら、ITマネジャーは早速、機器類の購入に向けてベンダーと交渉に入らなければならない。当然ながら、データセンターの開設には大量の機器購入が伴うからだ。購入の際、今も昔も変わらない法則は、1社のベンダーから多く購入すればするほど相手に対して優位に立てるということである。

 多くの場合、最大限の処理能力を発揮する高密度のコンピューティング機器は、アプリケーションのサポートに必要な設置スペースを劇的に縮小する。このことは「保守管理と所有コストの軽減を意味する」と、バージニア州フェアファックスに拠点を置くデータセンター開発/管理企業、Lee Technologiesのバイスプレジデント兼ゼネラル・マネジャー、リー・カービー(Lee Kirby)氏は強調する。

 ワシントンDCに本拠を置くデータセンター・サービス・プロバイダー、DuPont Fabros Technologyの戦略/事業開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、ジェフ・モンロー(Jeff Monroe)氏も、「一定の設置面積における電力を最大限に有効利用し、かつ信頼性を損なわずに最低限のライフサイクル・コストを実現する設計および運営」こそが、次世代データセンターに向けた究極の目標だとしている。

写真1:米国IBMが今年4月に発表したラックマウント型のx86サーバ「iDataPlex」。国内では8月に販売が開始された

 ただし、データセンターが新しくなっても、コストを抑えつつ投資効果を最大化する苦労がなくなるわけではない。テキサス州ルボックにあるTexas A&M University(テキサス工科大学)のCIO、サム・セグラン(Sam Segran)氏は、1,000平方フィートに及ぶデータセンター拡張作業を終えたばかりであるにもかかわらず、あと6〜7年で大学側のニーズに対応しきれなくなることに早くも不安を感じている。

 「われわれは今、2つの相反する問題を抱えている。1つは省電力に要するコストの問題、もう1つは大学研究者のニーズに応えるためにサービスを2倍に拡大しなければならないという問題だ」(セグラン氏)

 テキサス工科大学は現在、より少ない電力消費で高度なコンピューティング性能を発揮する技術の導入を検討中だ。候補の1つがIBMのx86サーバの新製品「iDataPlex」で、42Uラック(1Uは1.75インチ[約4.4cm])に84台のサーバが収められるキャパシティを持ち、省電力化の工夫も施されている(写真1関連記事)。

 例えば、サーバの奥行きが従来よりも浅くなったため、冷却ファンの作業負荷を軽減することができる。テキサス工科大学のIT部門が行った予備調査では、同サーバを使用した場合、現行システムと同じ電力消費量で処理能力が30%向上するとの結果が得られたという。


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