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[米国]
サン、UltraSPARCの新プロセッサ「T1」でWebサーバ市場に照準

(2005年11月14日)

 米国サン・マイクロシステムズは11月14日、サンフランシスコで開催したイベントで「UltraSPARC T1」プロセッサを正式発表した。これは「Niagara」という開発コード名で従来呼ばれていたもの。同プロセッサ搭載の新サーバは来月(12月)に出荷の予定。サンは、Webサーバ機をWindowsやLinuxを稼働する低コストのx86プロセッサ・ベースのマシンに移行していたユーザーに、このUltraSPARC T1サーバへの再移行を働きかけていく方針だ。

 サンの幹部たちは、この新サーバの詳しいスペックは明かさなかったが、Webサーバや電子商取引アプリケーションなどに最適なマシンになると語った。これは、サンが従来、米国インテルや米国アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)のプロセッサを搭載したサーバに市場シェアを奪われてきた分野である。

 UltraSPARC T1プロセッサには4個、6個、8個のコアを搭載するバージョンがあり、それぞれのコアは4つのスレッドを実行できる。T1プロセッサの最大消費電力は70ワットであり、TI搭載サーバは、インターネットを介してアプリケーションやデータを提供するためのコンピューティング・リソースをIT管理者たちが比較的低コストで運用できる手段を提供する、とサンのスケーラブル・サーバ・グループ担当執行副社長デビッド・イェン氏は説明した。

 サンの過去のUltraSPARCサーバは、1990年末に、Webベースの事業を構築しようとする多数の企業に選ばれる製品だった。しかし、UltraSPARCプロセッサを搭載したサーバは、インテルのプロセッサを搭載したサーバよりもはるかに高価格だった。このため、ドットコム・バブルが崩壊し、多くの企業がIT予算を切り詰めるようになると、Webサイトや電子商取引アプリケーションを稼働するサーバを導入する際に、WindowsやLinuxが稼働するインテル・ベースのサーバが選ばれるようになった。

 それから数年を経て、サンは現在、マルチスレッド処理と電力消費量という2つの分野に重点を置くことによって、かつてのユーザーを取り戻すことをねらっている。サンのネットワーク製品担当の副社長で主任設計者のマーク・トレンブレイ氏によると、T1プロセッサは最高32のスレッドを並列処理できるので、1クロック・サイクルにインテルのXeonやAMDのOpteronよりもはるかに多くのタスクを実行可能である。

 近年、サーバルームの電力消費量は大問題になっており、サーバ自体とサーバルームの冷房(冷却)装置の稼動に必要とされる電力量が上昇し続けているため、多くの管理者は、そのコストにどう対応していくかという問題で頭を悩ませている。しかし、T1はこのように処理効率が高いため、サンは、同プロセッサを競合x86チップよりも低いクロック周波数で稼動し、より低い消費電力で同じ量の作業を実行させることも可能だ、とトレンブレイ氏は述べた。

 サンがWebサーバ市場での再躍進を目指す上で、直面する問題はいくつかある。

 まず、IT管理者たちが、新しい命令セットに切り換えたり古い命令セットへ戻ったりすることに慎重な姿勢を示す可能性だ。T1は、SPARC命令セットをベースにしているので、x86命令セットに用に作成されたソフトウェアはT1サーバ上で稼働しない。しかし、サンのトレンブレイ氏は、最近のWebアプリケーションは、IBMのWebSphereやBEAシステムズのWeblogicなどのように、命令セット・アーキテクチャに依存しない環境で開発されることが多くなってきていると語った。

 米国インサイト64のアナリスト、ネーサン・ブルックウッド氏によると、こうした新しいタイプのアプリケーションを同じ開発環境のなかで異なるハードウェアに移行させる作業は、特定の命令セットに結びつけられたアプリケーションを移植するのと比べれば容易だという。ただし、そのプロセスをスムーズに進めるためには、かなりの量のテストと確認が必要になる。

 また、サンの「高コスト製品のベンダー」というイメージが、同社のこの市場における商機を損なうおそれもある。しかし、同社は、割高な価格設定に関する教訓はすでに学んだとしている。「新製品は、x86に対して価格競争力があるものになる」とイェン氏は述べた。

 サンのT1サーバは、管理コスト増大を抑制しつつコンピューティング・パワーを高めようと苦労しているユーザーにとって、検討する価値がある、とブルックウッド氏は評している。「データセンターのシステム配備で電力上の制約を感じているITマネジャーにとっては、天の恵みだ」(ブルックウッド氏)

 ただし、サンは、これらのマルチコア、マルチスレッド・サーバに対応する同社のソフトウェア・ライセンス戦略を明確にする必要がある、とブルックウッド氏は指摘した。マルチコア・プロセッサがAMDやインテルからも投入されはじめたのに伴って、ソフトウェア・ベンダーは長年続けてきたプロセッサ数ベースの価格戦略の見直しを迫られるようになっている。

 今回、トレンブレイ氏とイェン氏はサンのソフトウェア戦略についてコメントを避けたが、12月初めには、もっと詳しい話をすると約束した。

(Originally reported by Tom Krazit, IDG News Service 11/14/2005)

(IDG News Service)






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