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[米国]
SAPのNetWeaverは本当にSOAプラットフォームへと進化できるのか
(2005年12月09日)
大手ERPソフトウェア・ベンダーであるドイツのSAPは、NetWeaverをSOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)プラットフォームに刷新することによって新たな地平を開こうとしているが、同社の顧客の大多数はまだ数世代前の技術を使用し続けている。
SAPは今週ラスベガスで開催した業界アナリスト向けの年次説明会で、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の実現に向けた戦略を披露した。その目玉は言うまでもなく「Enterprise Services Architecture(ESA)」である。これは、ビジネス・プロセス(注文から入金までの流れや、CRMシステムに新規顧客を追加する手続きなど)をモデリングして、エンタープライズ・サービスとしてSAPのNetWeaver統合プラットフォームに統合するためのアーキテクチャだ。
同社の戦略の柱は、NetWeaverプラットフォームを、ミドルウェアとして異種混成システムを結び付ける接着剤の役目を果たすものから、サービス・ベースの複合アプリケーションの集合体を支える「ビジネス・プロセス・プラットフォーム」に進化させ、ビジネス・プロセスの自動化を顧客自身の手で管理できるようにすることである。
SAPによると、同社の顧客基盤は、法人数で約3万、システム数で約10万に上っているが、NetWeaverを導入している法人はいまだに5,000に達しておらず、SAP顧客の大半は、従来のクライアント/サーバ・アーキテクチャを使い続けているという。
このように、新しい製品への移行が進まないということは、まさにSAPが顧客の必要とする技術に効果的に開発リソースを投入できていないこと意味している。米国ザップシンクのアナリスト、ジェーソン・ブルームバーグ氏は、「SAPはかなり危険な道を歩んでいる。同社は、従来のNetWeaverがすでに古くなったように言っているが、ユーザーの大半はまだNetWeaverの導入さえ決めていない」と指摘する。
また、英国オーバムのアナリスト、デビッド・ミッチェル氏は、SAPを含む主要アプリケーション・ベンダーのすべてがSOA戦略を打ち出しているが、柔軟性の拡大、統合の容易化というアプローチは決して新しいものではないと指摘する。「SOAは柔軟性をもたらすとされているが、JavaやCICS(Customer Information Control System)といった技術が登場した際にも同様のことが言われたが、変更を容易にするというSAPの約束を、ESAが実現できるかどうかも同様にわからない」(ミッチェル氏)
SAPが他のアプリケーション・ベンダーの優位に立つ重要な強みの1つは、顧客の業務について深い知識を有していることである。米国バートン・グループのアナリスト、アニー・トーマス・マーネス氏は、「SAPは業界最大手のERPベンダーであり、同社のソフトウェアは世界で最も複雑なERPシステムのいくつかに使われており、ビジネス・プロセスに関する専門知識でSAPにかなう相手は多くない」と指摘する。
そうしたSAPの知識は、顧客がSOAのプロジェクトで障害に直面した際に役立つとマーネス氏は見ている。柔軟性は魅力的な要素だが、ビジネス・プロセス中心のITシステムを構築するためには、それらを実現するための明確なビジネス・プロセス・マップが必要であり、そのマップ作りはきわめて骨の折れる作業である。
SAPは現在、新しいアーキテクチャの普及に全力で取り組もうとしている。来年は、新たに6,000件のNetWeaver導入プロジェクトを立ち上げることを目標に、今年投入した約300件に続いて、500件以上のモデル化されたエンタープライズ・サービスをリリースする見通しだ。ESAへの移行を容易にするために開始された「ESA Adoption Program」には、すでに250の顧客が参加しているという。
(IDG News Service)



