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[米国]
サンがOS新版「Solaris 10」を発表、無償含む複数の提供プランを用意へ
(2004年11月16日)
米国サン・マイクロシステムズの会長兼CEO(最高経営責任者)スコット・マクニーリ氏は11月15日、「Solaris 10」OSを正式発表し、それは同社がこの10年近くの間に成し遂げた最大のことだと述べた。
サンは、Solaris 10は顧客のシステム活用率を最大80%に高めるとしており、サン幹部は同日、かなりの時間を新システムの機能の詳述に費やした。同OSの一般りリースは1月末の予定である。
米国IDCのアナリスト、ジーン・ボズマン氏は、「サンにとって、これは重要な転換点となる出来事だと私は思う。それは、ボリューム・サーバの市場部分が非常に重要性を増したことを反映している」と語り、低コスト・サーバがUNIX OSの市場シェアを縮小させてきたことに言及した。
だが、サンは、同社のRISCベースのチップ「UltraSPARC」から撤退するわけではない。マクニーリ氏は演壇でチップを掲げ、すべてコモディティのx86システムになるのだからとそれを捨てるよう促した批判者たちの声を退けた。そして、32スレッドの並列処理が可能になるというその次世代プロセッサ「Niagara」(開発コード名)を指して「この小さな新生児が、われわれのために銀行にあるお金を増やしてくれる」と述べた。
サンはSolaris 10の正式発表会を西海岸で開いたが、同OSの将来と、おそらくサン自体の将来は、そこから何マイルも離れたところにある企業、たとえばフィラデルフィア証券取引所やフェデックス(FedEx)などで決定されつつある。この両社はサンの既存顧客で、しばらく前から新OSの試験運用を実施しており、その結果に今のところは満足しているという。
フェデックスのテクニカル・ディレクター、ドン・ファイク氏は、Solaris 10以前にはサンへの関心が「やや薄れつつあった」が、以後は「Solaris 10に対する関心がきわめて高くなっている。大きな変化だ」と述べた。Solaris 10の結果、フェデックスではサンのシステムの利用が少なくとも従来と同レベルに維持され、それより拡大する可能性もある、とファイク氏は言う。同社では、ミッションクリティカルなシステムの多くが、サンのシステム上で稼働されている。
Solaris 10の主要な機能は、しばらく前から利用可能だった。過去1年6カ月の間に、サンはSolaris 10の大きな構成要素を段階的にリリースしてきており、現在、サンのExpressプログラムに参加しているユーザーは、フル・バージョンを入手することができる。
11月15日の発表イベントで、サン幹部は提供価格について話すことを予定してきた。サービスやサポートは一切不要という顧客はSolaris 10のみを無償で使用できるほか、顧客が求めるサービスやサポートのレベルに応じたさまざまな料金のサブスクリプション・プランが提供される。さらに、サンのソフトウェア・グループの執行副社長、ジョン・ロイアコモ氏によると、同社はSolaris 10を、従来のCPU数に応じた価格体系でも提供し続ける。
また、この新しい価格・料金体系が有効になるのは、米国および世界でSolaris 10が提供されるようになる来年1月末だ、とロイアコモ氏は述べた。
サンはSolarisをオープンソース化するつもりであり、同社幹部は、第三者のコードが多少使用されているものの、そのソースコード公開を妨げるような要素は存在していないとしている。「オープンソースなので、ユーザーが縛り付けられることはない」とサンの社長兼COO(最高執行責任者)のジョナサン・シュワルツ氏は述べた。さらに、マクニーリ氏は、サンは顧客に法的免責補償を提供する計画であり、「ソフトウェアを購入するときには、購入者を護ることができる資金と知的財産群を持った会社を選ぶべきだ」と語った。そうした取り組みはまだ途上であり、オープンソースのライセンス提供・管理モデルがどのように機能するかについての詳細は、11月15日の段階では明かされなかった。
Solaris 10では、OSの多大な書き直しが行われている。その主な改良点の一つは、TCP/IPスタックにより高速なネットワーキング技術が組み込まれたことである。
ファイク氏はインタビューで、こうしたネットワーキングの改良により、フェデックスでのアプリケーション処理性能が、ネットワーク処理の多いアプリケーションの場合は「劇的に向上した」と述べた。改良点のなかで特に強力なものとしてファイク氏が挙げるのが、ユーザーがアプリケーションとOSのやりとりをユーザーがチェックできる機能「Solaris Dynamic Tracing (DTrace)」の存在である。どの第三者のアプリケーションが実行されている場合でも、このツールを使うことで、15分以内にライブ・コード内のパフォーマンス上の問題を複数突き止めることができた、とファイク氏は語っている。
同様にSolaris 10の試験運用を続けてきたフィラデルフィア証券取引所の関係幹部たちは、ネットワークキング・スタックの性能向上がDTraceによるアプリケーション最適化と合わさって、必要なサンのハードウェアの量とメンテナンス・コストを減らすことを検討できるほど大幅に処理性能が高まったと報告している。たとえば、12 CPU構成の「Sun Fire 6800」UltraSPARCサーバ上で稼働している1つの取引アプリケーションを、Solaris 10を稼働させた4CPU構成の「Sun Fire 4800」サーバ上で試験運用したところ、12 CPUのシステムよりも高いパフォーマンスが得られたという。
同証券取引所では、導入予定の新しい電子取引システムによって、そのシステムにかかる負荷が増大する見通しになっている。Solalis 10でのこのパフォーマンス向上がなければ、Sunのマシンを追加購入しなければならないか、別の選択肢を探さなければならない可能性があった、と取引システム開発担当の上級副社長トーマス・ホイットマン氏は語っている。
さらにサンは、システム利用率の向上に役立つパーティショニング技術「N1 Grid Containers」を組み込んでいるので、同取引所ではそれもテストするという。「それらはみな、われわれにとってかなり有望だ」と同取引所の執行副社長兼CIO(最高方法責任者)のウィリアム・モーガン氏は語っている。
Solarisは1992年に登場した。すべてのアプリケーションは旧バージョンへの後方互換性を備えている、とサンの関係幹部たちは述べている。
サンは近年、LinuxやWindowsを稼働するインテルのプロセッサを搭載した低価格システムへ移行するユーザーの動きによって打撃を受けてきた。サンの関係幹部たちはインタビューで、同社がその変化に気付くのは遅かったが、昨年11月にアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)と提携しx86対応製品を拡張してきたことは、同社が新しい市場の現実に合わせて方向転換している証拠だと語った。
サンはSolaris 10を、IBMやヒューレット・パッカード(HP)といった他のUNIXシステム・ベンダーに対抗するだけでなく、明らかに、Linuxエンタープライズ版のベンダーに対抗するための製品と見ている。
(Computeworld (US))

