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[米国]
サン、一般向けグリッド・サービスの提供をいよいよ開始へ
(2006年03月15日)
サン・マイクロシステムズは、大幅に遅れていた同社の「パブリック・コンピュータ・グリッド・サービス」の提供を3月20日から開始すると発表した。Webポータル・サイトからクレジットカードを用いて、CPU利用を時間単位で利用することができる。
同社は当初、一般向けのグリッド・サービスを2005年から利用できるようにすると宣言していたが、提供開始は遅れに遅れた。取り組みが延期された理由については、セキュリティにかかわる問題や開発段階での障害、企業向けグリッド・サービスの開発の優先などが取りざたされていた。
サンは昨年、こうした一般向けのグリッド・サービスについて、「小売りグリッド」や「中小企業(SMB)向けグリッド」と呼んでいた。同サービスが対象とする市場はまだ明確になったとは言えないが、一般ユーザーはWebサイトから「PayPal」サービスを利用してグリッド・サービスに契約すれば、サンのインフラ上で自身のプログラムを実行できるようになる。
サンは、過去8カ月間にわたって、膨大なコンピューティング作業のアウトソーシングを希望する企業ユーザーに対して、グリッド・サービスを提供してきたが、こうした企業向けのサービスはパブリック・サービスとは異なり、サンの販売チャネルを介して企業間契約を結ぶ必要がある。
ちなみに、ヒューレット・パッカードやIBMも、同様の企業向けコンピューティング・サービスを提供している。
サンのユーティリティ・コンピューティング担当上級ディレクター、アイスリング・マクラネル氏によると、企業向けサービスもパブリック・サービスも基本的に同一のグリッド・インフラを使って提供される。ただし、企業向けサービスのユーザーはLinuxのリソースを利用することができるが、パブリック・サービスのユーザーは、サンのSolaris 10のリソースしか利用することができないという。
また、企業向けサービスには、あらかじめ一定量のグリッド・リソースを一定時間確保するオプションが用意されており、ユーザーは専用のマシンからVPN接続でグリッドにアクセスすることもできる。一方、パブリック・サービスの場合は、一般的なインターネット経由でのアクセスしかサポートしていない。
サンは20日のサービス提供開始後に、複数のパブリック・グリッドのベータ版ユーザーに使用体験を発表してもらう予定だが、実際のベータ・テストに何人のユーザーが参加したのかは明らかにしていない。サンによれば、ベータ・テストでは、2,000人のユーザーがサービスを同時に利用できる環境を用意したという。
パブリック・グリッド・サービスは、1CPU当たり1時間1ドルで利用できる。
サンによると、同サービスを新たに申し込む際には、米国連邦政府が作成した利用禁止ユーザー・リストと氏名を照合するフェーズが必要になるため、手続きには最大24時間かかるという。これは、米国連邦政府がグリッド・サービスの提供に一定の制限を加えていることを示している。サンは2月末に、連邦政府の規制によって、グリッド・リソースを全世界に提供できなくなったことを明らかにしている。
この問題について、マクラネル氏は、「(パブリック・グリット・サービスは)新しいタイプの利用形態であり、諸規制もユーティリティ・コンピューティングとともに進化してほしいと願っている。規制の内容が変化しても、われわれはそれに従うつもりだ」と説明している。
同氏によると、パブリック・グリッド・サービスは、まず米国内での提供を開始した後に、他国でも順次提供を開始していくという。英国では6カ月以内に提供が開始される予定で、欧州およびアジア諸国のパートナーとの話し合いも進めているとしている。
(シェリー・ソルヘイム/IDG News Service ニューヨーク支局)



