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[米国]
サン、「UltraSPARC T1」の仕様をオープンソース化──「OpenSPARC T1」として無償公開

(2006年03月21日)

「OpenSPARC T1」のハードウェア仕様

 米国サン・マイクロシステムズは3月21日、先にも報じられたとおり、「UltraSPARC T1」プロセッサ(開発コード名:Niagara)に関する仕様をオープンソース化し、「OpenSPARC T1」としてGNU GPL(General Public License)のライセンス規約に基づき無償で公開すると発表した。

 これによりサンは、SPARCベースのサーバ開発をオープンソース設計により促進するという新たな試みを本格的に開始したことになる。同社によると、今回のOpenSPARC T1のリリースは、世界初のマルチコア、マルチスレッド・エコシステムの構築を目指す同社の「OpenSPARCプロジェクト」の一環として展開されるという。

 同社のスケーラブル・システムズ・グループを統括するエグゼクティブ・バイスプレジデント、デビッド・イェン氏は、「当社では、オープン標準の採用と豊かなCMT(Chip Multithreading Technology)コミュニティの構築を通じて技術革新を促進し、マルチスレッド・システムの提供では、競合他社よりも数年リードし続けることを目標としている」と語る。

 同社は今年2月、OpenSPARCプロジェクトの一環として、「Hypervisor API」の仕様を公開し、UltraSPARC T1をLinuxやBSDなどのOSに対応させたほか、同プロセッサ関連のハードウェアやソフトウェア・ツールの作成に必要となる情報を開発者向けに提供を開始している。また、今回の発表では、UltraSPARC T1のハードウェア設計と同時に、Solaris 10向けの移植仕様を公開。これによりサンは、UltraSPARC T1のCMTを利用した開発を促したい考えだ。

 OpenSPARC T1チップの設計と検証スイート、ならびに、アーキテクチャとパフォーマンス・モデリング・ツールは、OpenSPARCコミュニティのWebサイトから無償でダウンロードできる。また、プログラミング・ツールも同サイト内のコミュニティ「Cool Tools」を通じて提供されている。

SPARCに対する認識を変革する

 サンがUltraSPARC T1の仕様公開を柱とするOpenSPARCプロジェクトを初めて発表したのは昨年12月のことである。同社はその一連の取り組みを「ハードウェアの“オープンソース化”」と表現し、第三者によってUltraSPARC T1の設計が改良されたり、UltraSPARC T1ベースの独自チップが生産されたりすることを促す1つの手段として同構想を位置づけた。

 業界アナリストによると、このようなオープンソース化の動きはチップ市場では珍しく、他のチップ・メーカーがサンと同様の戦略を試みないのは、単にユーザーの認識を変える必要がないからだとしている。

 米国インサイト64のアナリスト、ネイサン・ブルックウッド氏は、「インテルもAMDも、x86が存続可能で長期的なアーキテクチャであると人々に納得させる必要がない。だが、サンの場合、SPARCがRISCベース・アーキテクチャとして今なお多数のシステムに採用され続けているにもかかわらず、多くの企業ユーザーがSPARCの将来性に疑問を抱いているため、そうしたユーザーの認識を改める必要があった」と指摘する。

 一方、ブルックウッド氏は、サンが大学の研究者をはじめ、インド、中国、ハンガリーといった発展途上国のエンジニアに対して、SPARCシステムに触れるきっかけを提供したことについては「評価できる」(同氏)としている。

 事実、サンはOpenSPARCプロジェクトの一環として、業界パートナーや大学との協業を推進している。例えば、1,000コアまで拡張可能な研究システムの開発にUltraSPARC T1プロセッサを適用するという産学共同プロジェクトには、サンのほかに、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学、ハーバード大学、カーネギーメロン大学、マサチューセッツ工科大学、ワシントン大学、テキサス大学オースティン校の研究者が参加している。

(IDG News Service ボストン支局)






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