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デルのCTO、仮想化によるLinuxの新たな可能性を提示
【LinuxWorld Conference & Expoリポート】
(2006年04月05日)
| 米国デル CTO ケビン・ケトラー氏 |
米国デルのCTO(最高技術責任者)ケビン・ケトラー氏は4月5日、ボストンで開催中の「LinuxWorld Conference & Expo」で基調講演を行い、仮想化とLinuxが、企業とクライアント側の両方で、ともに重要な役割を演じる可能性があると強調した。
仮想化の考え方自体は新しいものではないが、マルチコア・プロセッサの登場など、技術の進歩に伴い、新たな関心を集めるようになっている。ただし、ケトラー氏は、ユーザーが仮想化の利点を完全に生かし切れるようになるまでには、あと数年、さまざまな作業を行う必要があるとしている。同氏は、その過程でLinuxコミュニティも一定の役割を果たすよう呼びかけている。
一方、同氏は、エンタープライズ分野ではLinuxの領域がネットワークからデータセンターへと広がり、一部の基幹業務用のアプリケーションでも利用されるようになったと指摘する。同氏は、デルがスーパーコンピュータ上でLinuxを稼働させ、SCM(Supply Chain Management)などのミッション・クリティカルなアプリケーションもLinuxで運用しているといった実例を挙げた。
ケトラー氏によると、仮想化は、デルの「スケーラブル・エンタープライズ戦略」の中で重要な役割を果たすことになるとしている。「現時点でも、各種アプリケーションにオンデマンドでハードウェア・リソースを割り当てられるツールやソフトウェアが存在するが、仮想化環境があれば、さまざまな要素をラッピングしたり、パッケージングしたりすることが可能となり、再配置や再利用も大幅に促進される」と同氏。
また、これまで仮想化技術の発展はエンタープライズ分野におけるニーズの高まりによって促されてきたが、ケトラー氏は、今後、クライアント側でも仮想化へのシフトが進むと予測している。同氏は、クライアント側で仮想化が進むことで、複数のOSの稼働による生産性向上、安全なWebブラウジングの実現、デジタル・エンターテインメント機能の強化などが期待できるとしている。
同氏は講演の中で、安全なWebブラウジングの例として、Xen仮想化技術対応のRed Hat Enterprise Linuxをインストールしたデルのデスクトップ・システム「Optiplex」を使ったデモを行い、仮想マシンがウイルスに感染した場合には、その仮想マシンを廃棄して新しいマシンを再構築できることを実演して見せた。また、同じデスクトップ・マシン上で2つの仮想マシンを立ち上げ、Red HatとWindows Serverを稼働させるというデモも行った。
ケトラー氏は、クライアント側の仮想化の潜在的な利点として、OSの移行が容易になる点を挙げ、「仮想マシンで既存のOSを維持しながら、別の仮想マシンの新しいOSに徐々に移行できるのがその理由だ」(同氏)としている。
(シェリー・ソルヘイム/IDG News Service ニューヨーク支局)

