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[米国]
Vistaのアプリケーション互換性には要注意──アナリストが指摘
(2006年12月01日)
過去、Windows OSのアップグレードにトラブルは付き物だった。マイクロソフトは企業がWindows Vistaにスムーズに移行できるよう、従来よりも手厚い支援策を提供しているが、それでもアプリケーションの互換性を検証するのは容易ではないとアナリストは指摘する。
例えば、マイクロソフトは多くの互換性検証ツールを提供することで、アプリケーションの互換性にまつわる問題を特定したり、Vistaで動作するアプリケーションを効率的に把握したりするのを支援するとしている。Vistaとともに提供される「ACT(Application Compatibility Toolkit)Version 5」は、そうしたツールの1つである。
ガートナーのクライアント・プラットフォーム・リサーチ担当副社長、マイケル・シルバー氏は、こうしたマイクロソフトの支援策により、既存のアプリケーションの90%以上がVistaで動作すると見ている。しかし、同氏はそれで安心してはならないとくぎを刺す。
「どのアプリケーションに問題があるかを調べなければならないことに変わりはない。企業はまず、使用中のアプリケーションを洗い出し、どれが重要でどれが不要かを判断しなければならない」(シルバー氏)
オバムの主席アナリスト、デビッド・ブラッドショー氏によると、マイクロソフトはVistaの開発過程でもアプリケーションの互換性テストに力を入れてきたという。
「Vistaへの移行は、従来のWindows OSの場合よりも大変かもしれない。Vistaではコードが完全に書き直されているからだ。マイクロソフトが膨大な互換性テストを実施したのも、それが大きな理由だ」(ブラッドショー氏)
マイクロソフトは、毎日作成されるVistaのテスト・ビルドそれぞれに対して、150社以上のISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)から入手した800以上のアプリケーションをテストしたとしている。アプリケーション互換性に関する同社のWebページには、「Windows Vistaは、アプリケーションの互換性に重きを置いて設計、開発されてきた」と記されている。
一方、アプリケーション・ベンダーの側はどうかと言うと、今のところVistaへの対応はまちまちだ。シマンテックなどの大手ベンダーはVistaのサポートを表明しているが、しばらくは同OSをサポートしない小規模なベンダーも少なくないとシルバー氏は見ている。
同氏はまた、「小規模なISVの製品や、特定業種向けの基幹業務アプリケーションの場合、互換性の問題に見舞われる可能性が高い」と指摘し、自社開発のソフトウェアでもトラブルが起こるのではないかと付け加えた。
「おそらく、ユーザーの権限や、一般ユーザーとしてのアプリケーション実行にかかわる問題が最も大きいだろう」(シルバー氏)
実際、Vistaのベータ・テスト時には、認証とセキュリティに絡む問題が指摘されている。なかでも、最大の懸念は、Vistaへの移行に伴いシングル・サインオンやVPNといったWindows認証システムで問題が起こるのではないかという点だ。これは、基本的なログオン・アーキテクチャがVistaで刷新されたことが背景にある。
多くのISVは、従来のGINA(Graphical Identification and Authentication)モデルから、Vistaの新しいCP(Credential Provider)モデルに切り替えることで、こうした問題の克服に取り組んでいる。GINAは、シスコシステムズやシトリックス、ノーテル、ノベル、RSAセキュリティ、シマンテックといったベンダーが、自社の認証技術とWindowsの認証アーキテクチャを連携させるモジュールを作成するために利用している。
マイクロソフトは、GINAの下位互換性に問題はないとしている。しかし、それを額面どおりに受け取るのは危険だ。Vistaを導入するユーザー企業は、ISVが新しいインタフェースを提供した後でテストを行う必要がある。また、Windowsと連携する認証メカニズムを自社開発したユーザー企業では、そのコードを全面的に作成しなおさなければならない。
Vistaへの移行にはこのような作業が伴うことから、Vistaが企業で実運用され始めるのは2008年以降、というのがシルバー氏の見方だ。
「一般的な大企業では、アプリケーションをテストして導入準備を整えるのに12〜18カ月を要する。したがって、Vistaの本格稼働は早くても2008年になるだろう」(シルバー氏)
(ジェニファー・ミアーズ/Network World 米国版)

