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[米国]
AMD、デスクトップPC向けクアッドコア「Phenom」で巻き返し

チップ製品投入は今年下半期の予定

(2007年05月14日)

 米国AMDは5月14日、新設計のデスクトップPC向けクアッドコア対応プロセッサ「Phenom」を2007年下半期に市場投入することを明らかにした。同社は既存のAthlonプロセッサに代わる新世代プロセッサの提供時期を明らかにすることで、クアッドコア製品で先行するインテルに対する競争優位性をアピールしたい考えだ。

 Phenomは、AMDが2007年半ばに投入が予定されているサーバ向けのクアッドコアOpteronプロセッサ「Barcelona」と同様のアーキテクチャを備える。

 AMDは2003年にサーバ向けの初代Opteronをリリースし、躍進を遂げたが、2006年にインテルがクアッドコアのXeonとデュアルコアのCore 2 Duoを投入して以来、両社の価格競争が激化し、失速し始めた。

 現在、AMDはBarcelonaの投入により、Xeonの顧客を取り込むと同時に、PhenomをCore 2 Duoの対抗製品に位置づけようとしている。実際のところ、AMDには巻き返しの切り札を必要としている。同社は4月に発表した1-3月期決算で6億1,100万ドルの赤字を計上、資金不足に陥ったことから、機関投資家への転換社債の販売により22億ドルを調達する計画を発表している。

 AMDはまだPhenomの機能や仕様を明らかにしていないため、業界専門家の多くは、ベンチマーク結果を見るまで評価を保留する考えだ。だが、消費者はビデオやマルチタスキング、デジタル・メディアを日常的に利用するようになってきており、新しいマルチコア・コンピューティング・プラットフォームの投入は時宜にかなっていると見るアナリストもいる。

 カレント・アナリシスのシニア・アナリスト、トニ・ドゥボイス氏は、「(Phenomの発表は)AMDにとってプラスになる。私はしばらく前から、AMDが新しい製品を発表するのを待っていた。同社がインテルのCore 2 Duoに対抗するための切り札が明確になっていなかったからだ。それがAMDの市場実績にも反映していた」と述べている。

 AMDはデスクトップPC向けプロセッサ・ラインにPhenomを追加することで、ハイエンド・デスクトップPC向けに提供していたデュアルコア・プロセッサを、一般ユーザーをターゲットとしたPC向けに広く提供できるようになる。

 AMDのAthlon 64 FX製品担当プロダクト・マネジャー、イアン・マクノートン氏は、こうした展開を進めることが重要だと強調する。ユーザーがWindows Vistaを快適に動かせるPCを求め、メディア作成やデジタル・エンターテインメント処理、マルチタスキングといった複雑な使い方を志向しているからだ。

 マクノートン氏は、今やわれわれのプロセッサは、数字の計算のような用途だけをサポートするものではなく、YouTube、BitTorrent、DVR、ゲームなど、ユーザーの多様なPC利用を支える製品になっていると力説する。

 「ユーザーはPCが瞬時に反応することを求めており、その期待値が高まっている。レーザー・プリンタが1ページ印刷するのに1分もかかったり、PCの起動に時間がかかったりといったことは許されない」(同氏)

 AMDは現在、デスクトップPC向けプロセッサとして、ハイエンドの「Athlon 64 FX」から、「Athlon 64 X2」、「Athlon 64」、エントリー・レベルの「Sempron」までの製品ラインをそろえている。Phenomのリリース後は、ハイエンドの「Phenom FX」(シングルコア、デュアルコア、クアッドコア製品を用意)、「Phenom X4」(クアッドコア)、「Phenom X2」(デュアルコア)、Athlon X2、Sempronを提供するという。

 インテルはすでにデスクトップPC向けクアッドコア・プロセッサを販売しており、ゲートウェイが5月1日にリリースしたデスクトップ・モデル「FX」などに採用されている。同モデルはIntel Core 2 Quad Q6600プロセッサ、ATI CrossFireビデオカード、500GB HDDを搭載し、価格は2,099.99ドルである。

 これに対し、AMDは、自社のクアッドコア製品のほうがインテル製品よりもエンジニアリング面で優れていると強調する。AMDのクアッドコア設計では、単一のプロセッサ・ダイを採用しているのに対し、インテルは2つのデュアルコア・プロセッサを結合するというアプローチを取っているというのが同社の主張だ。「これは、2つのデュアルコアをダクトテープで留めたようなものにすぎない」(マクノートン氏)

 マクノートン氏はさらに、「2007年と2008年はビデオの年になり、幅広い場面で利用されるようになるだろう」との見通しを示した。AMDは新しいPhenomプロセッサをそうした流れに対応する製品と位置づけている。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)






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