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データセンター革新

再び注目が集まるCDN(コンテンツ配信ネットワーク)

SaaS時代を迎え、存在感を強めるCDNプロバイダー

(2007年12月06日)

ここにきて、SaaSをはじめ、Web 2.0アプリケーション、Flashのようなリッチ・メディアの企業活用が急増している。こうした大容量のコンテンツが普及したことでネットワークの負荷が増大し、レスポンスの悪化や通信速度の低下などの問題が深刻化しつつある。そうした問題を解決する手法として再び注目を集めているのがCDN(コンテンツ配信ネットワーク)である。本稿では、CDN市場の最新動向を追う。

レオン・アーランガー
InfoWorld米国版

デジタル・コンテンツ配信の高速化を支援する“秘密兵器”

 人材管理アプリケーションの開発・提供を手がける米国ケネクサは、かつて顧客満足の面において深刻な問題を抱えていた。というのも、同社が提供するWebベースの人材管理アプリケーションは、米国内ではうまく機能していたが、アジア地域ではトランザクションが到達するのに200〜240ミリ秒かかり、しかも、Webページ当たりで40〜100往復のやり取りを必要とするため、日本や中国のユーザーは、トランザクションが完了するのに40秒以上も待たされることが頻繁に起こっていたのだ。

 同社のASP業務担当ディレクター、カマル・ジェイン氏は、当時の状況を振り返り、「欧州もしくはアジアにデータセンターを新設するという案もあったが、コスト的に割に合わないため、見送らざるをえなかった」と述懐する。

 そこでケネクサは、データセンターを新設する代わりに、米国アカマイ・テクノロジー(以下、アカマイ)が提供するWeb動的コンテンツ配信サービスを契約した。同サービスは、キャッシング、圧縮、IP/ルート最適化の各種技術を用いて動的コンテンツの配信を高速化するもので、結果、アジア地域におけるアプリケーションのトランザクション完了時間は、従来の半分以下にまで短縮された。


図1:アカマイ「EdgeSuite Delivery」の概念

 ケネクサにおけるこの事例は、ここ最近のCDN(Content Delivery Network:コンテンツ配信ネットワーク)プロバイダーの動向を示すものだ。アカマイをはじめとするCDNプロバイダー各社は、かつて巨大なオーバーレイ・ネットワーク・インフラを用いて、多数のユーザーに静的コンテンツのキャッシングなどを配信するサービスを手がけていたが、今日では、トラフィック・シェイピングやインテリジェント・ルーティング、ネットワーク最適化などの技術を追加し、ソフトウェア・ダウンロードからビデオ・ストリーミング、ビジネス向けのWebアプリケーション、B2B(企業間)トランザクション、双方向Web 2.0インタラクションに至るまで、あらゆるデジタル・コンテンツ配信の高速化を支援するサービスを展開する傾向にある。

 アカマイのマーケティング担当ディレクター、キラン・テーラー氏は、「当社の目標は、オンライン上のすべての業務を高速化すること。したがって、CDNという用語を使うこと自体、やや時代遅れだと感じている」と強調する。

 アカマイは依然としてCDN市場で絶大なシェアを誇っているが、市場の拡大に伴って、米国ライムライト・ネットワークスや米国ローカルミラー、米国ミラー・イメージ、米国ナビサイト、米国ネトリ(2007年2月にアカマイが買収・コラム1を参照)などの競合が市場に参入するようになった。実際、米国の調査会社ガートナーによると、CDNおよびADN(Application Delivery Network:アプリケーション配信ネットワーク)プロバイダーで構成されるエッジ・ホスティング市場は好調であり、北米における2006年の市場規模は、前年の3億5,300万ドルから4億7,400万ドルへと34%以上の伸びを示しており、2009年までに現在の倍以上に成長すると見込まれているという。

COLUMN 1
アカマイ、ネトリを1億7,780万ドルで買収

Computerworld編集部

 米国アカマイ・テクノロジーズは2007年2月、自社株320万株と引き換えに、CDN分野で急成長中の米国ネトリを買収すると発表した。買収合意発表前のアカマイ株価に基づく買収額は約1億7,780万ドル。

 両社はアプリケーションへのアクセス高速化を目指すアプリケーション・アクセラレーション市場で競合しており、新興のネトリが業界最大手のアカマイを追い上げていた。アカマイは今回の買収によって、ネトリの技術資産を自社製品に統合する計画だ。

 米国ガートナーの調査担当バイスプレジデント、ジョー・スコルパ氏は、「ネトリは非常にすぐれたソリューションを攻撃的な価格で提供し、アカマイの顧客を奪いつつあったが、今回の買収でアカマイは、最大の競争相手を排除したことなる」と分析している。

 ガートナーは2010年までにアプリケーション・アクセラレーション市場への投資額は33億ドルにまで増加すると予測している。なお、アカマイは今回の買収にあたって、アルタ・パートナーズ、グラナイト・グローバル・ベンチャーズなどのベンチャー・キャピタルから約4,700万ドルの資金を調達したとしている。


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