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セキュリティ・マネジメント

[米国] 【DEFCON】
マサチューセッツ連邦地裁、地下鉄のセキュリティ脆弱性に関するプレゼンに仮差し止め命令

EFFは「言論の自由を奪う決定だ」と反発

(2008年08月12日)

8月8日〜10日に米国ネバダ州ラスベガスで開催されたセキュリティ・コンファレンス「DEFCON 16」において、米国マサチューセッツ連邦地方裁判所は8月8日、8月10日に行われる予定だったマサチューセッツ湾交通局(MBTA)の電子切符システムの脆弱性に関するプレゼンテーションに対し、実施差し止めを命じる仮処分を決定した。結果、プレゼンテーションは行われなかったものの、電子フロンティア財団(EFF)はこの処分を不服とし、控訴する意向を明らかにした。

Robert McMillan
IDG News Serviceサンフランシスコ支局

磁気ストライプやスマートカードもコンピュータ?

マサチューセッツ連邦地裁で仮差し止め命令が下された数時間後、DEFCON 16では同命令を巡って討議が行われた

 これはMBTAが8月8日、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology:MIT)の学生3人が行うプレゼンテーションの中止を求めて同地裁に提訴し、仮処分が出されたというものだ。このプレゼンテーションでは、MBTAの電子切符システムのセキュリティ脆弱性について、詳しい解説が行われることになっていた。ちなみにMBTAは、MITも被告として提訴している。

 MBTAはボストン地域の交通を管轄する機関である。MBTAは公開文書において、「問題のプレゼンテーションが行われれば、MBTAの交通システムは重大な打撃を被る」と主張している。

 提訴されたザック・アンダーソン(Zack Anderson)氏、ラッセル RJ ライアン(Russell RJ Ryan)氏、アレサンドロ・チーサ(Alessandro Chiesa)氏は8月10日、「The Anatomy of a Subway Hack: Breaking Crypto RFIDs&Magstripes of Ticketing Systems(地下鉄ハックの詳細:切符システムの暗号化されたRFIDと磁気ストライプを破る)」と題するプレゼンテーションを行う予定だった。

 マサチューセッツ連邦地裁のダグラス・ウッドロック(Douglas Woodlock)判事がこの仮差し止め命令を下した数時間後、DEFCON 16で行われた討議において、EFFのシニア・スタッフ弁護士であるカート・オプサール(Kurt Opsahl)氏は、「裁判所はまったく誤った結論に達した」と述べた。

 ウッドロック判事は、「コンピュータ侵入に関する法律」を根拠に仮処分決定を下している。オプサール氏によると、MBTAから提訴するという通告があったのは、提訴されたあとだったという。

 「このコンピュータ侵入に関する法律は、コード・プログラムなどをコンピュータに送り込むことについて規定しているように読める。同法律が人々に話をすることを想定しているとは思えない。裁判所が下した仮処分は、この解釈に反している。仮処分では、紙(カード)に組み込まれている磁気ストライプやスマートカードをコンピュータと見なしているが、EFFはこの解釈に反対する」(オプサール氏)

 またオプサール氏は、差し止められたプレゼンテーションの内容の一部は、地元新聞のBoston GlobeBoston Heraldが以前に報じたものだと語った。

 「これまでに裁判所は、言論の自由を定めた米国憲法修正第1条で、(今回のプレゼンテーションのような)言論を保障するという判断を下してきた。われわれは今回のプレゼンテーションは、自由が保障された言論活動に当たると考えている」(オプサール氏)

 今回の裁判所命令で、プレゼンテーションの内容がわかる情報を提供することは禁じられた。しかし、DEFCON 16の出席者に配布されたCD-ROMには、このプレゼンテーション・スライドが含まれていた。ちなみにMBTAは、みずからのセキュリティ・システムに関する機密情報を裁判所に提出している。同情報は公的な記録として残ることになる。


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