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[米国]
ベライゾン・ビジネス、セキュリティ大手のサイバートラストを買収

AT&Tに後れを取るセキュリティ・サービスを強化へ

(2007年05月15日)

 米国ベライゾン・コミュニケーションズの事業部門であるベライゾン・ビジネスは5月14日、大手セキュリティ・ベンダーのサイバートラストを買収すると発表した。金銭的条件は明らかにされていないが、同部門によると買収は2〜3カ月以内に成立する見通しだ。

 ベライゾン・ビジネスはサイバートラスト買収の目的を、大手企業や政府機関向けの情報セキュリティ・サービスを強化するためとしている。

 昨年6月にストレージ・ベンダーのEMCがRSAセキュリティを買収したのに続き、同年10月には英国の電話通信業者BTグループが米国カウンターペイン・インターネット・セキュリティを買収するなど、昨年から大手企業によるセキュリティ・ベンダーの買収が相次いでいる。そうした意味では、サイバートラストに触手を伸ばす企業が現れたとしても不思議ではない。

 調査会社オバムのアナリスト、ジャン・ドーソン氏は、ベライゾンを含む通信事業者の多くはセキュリティ・サービスの面でライバルのAT&Tに後れを取っており、その意味で今回の買収は重要な意味を持つと指摘する。

 「主な通信事業者はセキュリティ管理サービスの強化に力を入れているが、ネットワーク・ベースのセキュリティ・サービスに関してはAT&Tにかなり見劣りするというのが実情だ。そのため、ベライゾン・ビジネスにとって今回の買収は、セキュリティ・サービスで一歩ぬきんでるチャンスになる」(ドーソン氏)

 サイバートラストは従業員800名を抱える株式未公開の情報セキュリティ・ベンダーで、世界30カ所に拠点を置いている。同社の業務としては、アイデンティティ(ID)管理、セキュリティ管理サービス、脆弱性・脅威に対する管理、セキュリティ認証プログラムのほか、リスク分析、情報分析・捜査、危機対応などがある。

 ベライゾン・ビジネスのシニア・バイスプレジデント兼CMO(最高マーケティング責任者)、ナンシー・ゴーファス氏は、「サイバートラストを獲得したことでベライゾンの製品ポートフォリオが完成し、よりグローバルな市場を目指すことができる」と記者会見で語った。同社のセキュリティ部門はよりグローバルに市場を広げ、これまで欠いていたID管理やコンピュータ情報捜査分野の専門技術を取得することで、顧客の要望に幅広くこたえることが可能になるという。

 またベライゾン・ビジネスのプレジデントであるジョン・キリアン氏は、プレス・リリースの中で「今回の買収は、ワールドクラスのセキュリティ・ソリューションを提供するというベライゾンの方針に沿うものだ」と述べている。

 サイバートラストの買収に伴い、ベライゾン・ビジネスは、セキュリティ製品の認証サービスを提供しているサイバートラストの独立部門「ICSA研究所」も同時に獲得することになる。サイバートラストによると、市場に出回っているセキュリティ製品の95%は同ラボがテスト/認証を行っている。

 さらにサイバートラストのID管理部門が加わることで、ベライゾンは顧客のユーザーIDを複数のシステムやアプリケーション間で管理することが可能になる。同社は今後、行政機関や大手企業を対象にさまざまなID管理製品を提供する予定だという。

(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)






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