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[米国]
Maryland大学、テロの発生を事前に予測するポータルを開発

「当面の課題は予測精度を向上させること」と開発担当者

(2008年02月27日)

 米国Maryland大学の研究者らは先ごろ、テロ対策研究を目的としたポータル「SOMA(Stochastic Opponent Modeling Agents) Terror Organization Portal(通称、STOP)」を開設した。STOPを利用すれば、テロリスト・グループの過去の行動を基に、次に計画されているテロを予測することができるという。

 Maryland大学Institute for Advanced Computer Studies(UMIACS)のディレクターで、コンピュータ・サイエンスを専門とするV.S.スブラーマニアン(V.S. Subrahmanian)教授は、STOP開設の目的を、「国防総省(DoD)のアナリストなどが、実際のデータに基づいてテロリスト・グループの動向を分析できるプラットフォームや環境を提供すること」と説明した。なお、STOP開発資金の一部はDoDから提供されており、現在は4つの国防機関が利用している。

 STOPで利用する情報源は、世界各地に散らばる110以上のテロリスト・グループに関する公開データである。「T-REX」と呼ばれるリアルタイム・データ抽出ツールを利用し、世界93カ国にある180のニュース・サイトから毎日平均12万8,000件以上の記事を調査する。STOPはその中から必要なデータを抽出し、テロ対策研究のための「表」を作成する仕組みになっているという。

 この「表」には、テロリスト・グループが過去に行った攻撃、各国政府による対策、テロリスト・グループを支援している団体/国家からの財政支援金額といった情報(変数)が年代ごとにまとめられており、それぞれの変数には、相対的な重要性を示す数値コードが付けられている。Subrahmanian氏は、「この表を活用すれば、テロリスト・グループが今後どのようなテロを企てているのか、過去の法則から(ある程度)予測できる」と語る。

 例えば、ヒズボラについてのデータを見ると、ヒズボラのメンバーが何らかのポジションに立候補している場合、選挙期間内に市民を攻撃する可能性は69%〜87%と高い。しかし、同メンバーが選挙にかかわっていない場合には、選挙期間内に市民を攻撃する可能性は大幅に下がるという(レバノン以外の地域の場合)。

 またSTOPには、予測エンジンも内蔵されている。同エンジンと蓄積されたデータを利用すれば、アナリストらはさまざまなクエリや、「what-if」シナリオなどを実行できるという。

 ちなみにMaryland大学がSTOPのデータベースに格納されている過去10年分のデータを使用して各テロリスト・グループの動向を予測したところ、およそ90%の精度で結果を予測することができたという。

 ただし、STOPは政府機関や国内外の市民に対する攻撃が増加するかどうかといった予測はできるものの、いつ、どこで、だれをターゲットにしたテロが発生するのかは予想できない。なぜなら、データの分類が大ざっぱなうえ、変数に割り当てられているコードも、イベントの深刻度を正確に反映できるわけではないからだ。

 例えばSTOPでは、50人の市民を殺害する攻撃も、500人以上の死者が出るような攻撃も、同じ「Code III」に分類されている。また、自爆攻撃に対応する変数も、攻撃の時期や場所、犠牲者が死傷した状況などをきちんと取り込めない場合があるという。Subrahamanian氏は、「今後の目標は、データを細かく分類し、より詳細な予測を可能にすることだ」と語っている。

(Jaikumar Vijayan/Computerworld オンライン米国版)






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