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[米国]
セールスフォースとSAPの経営トップ、「オンデマンド vs. オンプレミス」で火花

ベニオフCEOとプラットナー共同創業者が討論会で激突

(2008年04月07日)

 米国Salesforce.comのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)会長兼CEOと、ドイツSAPのハッソ・プラットナー(Hasso Plattner)共同創業者が、4月3日に開かれた討論会にそろって出席し、企業にとって最高のビジネス・ソフトウェアを提供しているのはどちらの会社かを巡り火花を散らした。

 この討論会は、カリフォルニア州サンタクララ(シリコンバレー)のコンピュータ歴史博物館(Computer History Museum)で行われ、エンタープライズ・ソフトウェアの未来に関して討論することを趣旨としていた。

 ただし、こうした趣旨に関する本格的な議論は見られなかった。討論会では、Forbes誌のクエンティン・ハーディ(Quentin Hardy)氏が両氏に質問し、両氏はSalesforce.comのオンデマンド・プラットフォームと、SAPが依拠してきた従来型のオンプレミス(自社運用型)モデルの優劣を論じ合った。

 全体的には、Salesforce.comのBenioff氏のほうが、SAPのPlattner氏よりもすばやく受け答えしていた。Benioff氏は何度かPlattner氏をいらだたせ、そのつどPlattner氏は不機嫌そうにBenioff氏をにらみつけた。

 例えばBenioff氏は、「われわれのプラットフォーム上でSAPに開発を行ってもらうには、どうすればよいかを知りたい」とPlattner氏を挑発した。「彼ら(SAP)はオンデマンド・ソフトウェア事業への参入で苦戦しており、まだ大口顧客を獲得していない。それを見て私はこう思う。『どうすれば彼らを手助けできるだろう』とね。彼らはわれわれのプラットフォーム上でオンデマンド・アプリケーションを作成すべきだ。彼らのプラットフォーム上で作成するやり方は、彼らには決してわからないだろうから」

 これに対しPlattner氏は、「自社のプラットフォームを過大評価しないほうがいい。船が沈むこともありうる」と反撃。「あなたにアドバイスを差し上げたいところだが、あなたが耳を傾けてくれるかどうかはわからない。あなたは少し若いから」と続けた。

討論会で火花を散らすSalesforce.comのCEO兼会長Marc Benioff氏(左)と、SAPの共同創業者Hasso Plattner氏

 討論会は最初は穏やかな雰囲気だった。「われわれは、新しいエンタープライズ・ソフトウェア産業の誕生を目にしている。この産業は、前の時代とは異なる根本原理に基づいて築かれている」とBenioff氏。こうした原理はGoogleやeBay、Amazon.comで体現されており、これらの企業は他サービスと組み合わせてソリューションを構築できる疎結合サービスを提供していると、同氏は語った。

 これはSalesforce.comのモデルでもある。同社が提供しているオンデマンド型のCRMサービスや開発サービスは、顧客側の自社技術やサードパーティ・サービスによって拡張できる。

 一方、Plattner氏は、汎用的なサービスは複雑な大企業では利用できないと主張した。同氏の言う汎用的なサービスとは、すぐに利用できる状態で提供され、企業の個別ニーズに合わせてカスタマイズできないサービスを指している。「われわれはGoogle Earthの中核部分に変更を加えることはできない」(同氏)

 だが、「SAPの『Business ByDesign』は違う」とPlattner氏は強調した。SAP Business ByDesignは、中小企業向けのオンデマンドERPパッケージだ。Plattner氏はその理由を、ほかのビジネス・ソフトウェアとの接続インタフェースが2,100種類も用意されているからだと説明する。「こうしたインタフェースを持たないSalesforce.comがサービスを拡張して、エンタープライズ・システム全体の管理に乗り出したら、危なっかしくてたまらない」と同氏は語った。

 むろん、Benioff氏も負けてはいない。同氏は、SAP初のオンデマンド・ソフトウェア「CRM Online」を取り上げ、化学会社DuPontの入札でSAPがCRM Onlineを提案して敗れたことを揶揄した。

 これについてPlattner氏は、「司会者を責めるわけではないが、この件についてはこれで終わりにしたい。われわれが負けたのは、CRMシステムが粗悪だったからだ。不幸だったCRM Onlineのことは忘れていただきたい」と語った。

 しかしBenioff氏はこれで終わりにしなかった。同氏は「いや、あなたの顧客は決して忘れないだろう」と皮肉った。

 この討論会を受けて、SAPに関するあるブログには、「Benioff vs Plattner:勝者は歴史が決める」という投稿が掲載された。この投稿には、「討論会の常として、主張内容よりも討論者に優劣をつけたいという強い誘惑に駆られた」と記されていた。

(James Niccolai/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)






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