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【解説】
インテリジェント化が進むビデオ監視技術――物体の検知・追跡・分類が可能に

マーケティングなどへの活用で、監視ソフト市場は拡大

(2008年07月25日)

ビデオ監視技術のインテリジェント化が進むにつれて、従来とは異なるフィールドで同技術を活用する動きが広がっている。かつては犯罪防止やテロ対策に使われることが多かったが、最近ではマーケティングに利用する小売企業も出てきた。こうしたニーズの広がりを受け、ビデオ監視ソフトウェア市場も急速に拡大中だ。

Brad Reed
Network World米国版

目を見張る機能充実ぶり

 最近の監視カメラの機能充実には目を見張るものがある。技術的なブレークスルーにより、最新版の監視カメラには、顔認識ソフトウェアやRFIDタグとの連携機能が備わるようになった。さらにWi-Fi技術が普及したことで、設置した無線カメラの監視映像を中央サーバに送信することが可能になっている。

 「最新のカメラを使えば、以前は困難だった屋外の場所でもターゲットの監視が可能になる。カメラをネットワークにうまくつなげることができなかった場所でも、Wi-Fiを使って信号を送れるようになったおかげだ」と、米国の調査会社ABI Researchの副社長兼リサーチ・ディレクター、スタン・シャット(Stan Schatt)氏は語る。

 ちなみに、ABI Researchは最近の調査リポートで、ビデオ監視ソフトウェアの売上高が2008年に2億4,500万ドルに達し、2013年にはその3倍以上の9億ドル超に拡大するとの見通しを示している(関連記事)。

現在の監視技術でできること、できないこと

 ビデオ監視市場の有力ベンダーの1社が米国IBMだ。同社はここ数年、シカゴ市が進める犯罪発見/防止プログラム「Operation Virtual Shield」用の機器とソフトウェアの導入を支援してきた。IBMの物理セキュリティ部門担当CTO(最高技術責任者)、アルン・ハンパパー(Arun Hampapur)氏は、同社の監視技術について「10年前は不可能だったことを可能にしている」と胸を張る。

 例えば、人が立ち入れない空港の敷地境界部を監視できる。勝手にフェンスを越えて敷地内に入ろうとする人がいると、カメラが自動的に検知し、セキュリティ部門にアラートを送ることができるという。

 一方、米国の監視ソフトウェア企業ObjectVideoは、ビデオ映像内の画素と画素群間の相互関係を分析する技術を開発した。同社グローバル・マーケティング・ディレクターのエド・トロハ(Ed Troha)氏によると、この技術を利用した監視ソフトウェアは、静止画を分析できるだけでなく、映像内のさまざまな物体同士の相対的な位置関係を認識し、それらの物体の動きをリアルタイムにとらえることができる。

 「こうしたインテリジェント・ビデオ技術は、ビデオ内の物体を検知、追跡、分類することを目的としている。例えば、車両だけが通るはずの場所に人がいると、それを認識して知らせることができるのだ。これはインテリジェント・ビデオの有効な用途であり、顔認識ソフトウェアのような技術との違いも示している。顔認識ソフトはビデオ内の画素を分析するが、撮影されている場面自体を分析するわけではない」(Troha氏)

 IBMのHampapur氏も、インテリジェント・ビデオ技術の著しい進化を強調する。「カメラが物体の動きを検知して、そのインデックスを作成・カタログ化し、物体のサイズ、色、形によって分類することが可能になった」

 例えば、連続強盗に使われた白いバンを探しているとしよう。インテリジェント・ビデオ技術であれば、撮影範囲を通過するすべての白いバンを検知し、インデックスを作成して、そのデータを警察に送信できると、Hampapur氏は説明する。

 ただし、監視技術がいくら進化したとはいえ、逮捕状が出ている人物の顔を検知できるほどの段階にはまだ達していないと、Hampapur氏は注釈を加えた。同氏によると、顔認識ソフトウェアの機能を発揮させるには、人がカメラに顔を向けて、ソフトウェアがスキャンを行えるようにじっと静止していなければならない。

「Operation Virtual Shield」の操作・監視ルーム

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