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【解説】
マイクロソフトのオープンソース責任者が抱える“責任”と“苦悩”
評価もされるがそれ以上に批判も多い―― 一筋縄ではいかないOSSビジネスの現状
(2008年07月31日)
米国Microsoftのサム・ラムジ(Sam Ramji)氏は、感謝祭当日にオーブンで焼かれるのを待つ七面鳥のごとく、四面楚歌の立場にある。なぜなら、同氏はオープンソース・ソフトウェア界に同社の代表として身を置き、世間からの批判の矢面に立たされている一方で、オープンソース事業で同社に大きな利益をもたらさなければならないからだ。そもそも、長年にわたりMicrosoftは、オープンソースに対して傲岸不遜な態度を取りつつ権謀術策を弄し、交わした約束を幾度も違えてきた。そして、オープンソースをビジネスに結びつけようとする企業の邪魔をしてきたのも、同氏が奉職するMicrosoft自身にほかならない。筆者は、こうした難しい立場にあるRamji氏が抱える“責任”と“苦悩”について迫った。
John Fontana
Network World米国版
非難の嵐にはもはや“慣れっこ”
先週ポートランドで開催されたオープンソース関連のコンファレンス「Open Source Convention(OSCON) 2008」(7月21日〜25日開催)では、Ramji氏の仕事が果てしない苦行であることがあらためて浮き彫りになった。来週からサンフランシスコで始まる「LinuxWorld」(8月4日〜7日開催)でも、同氏の言動はおそらく参加者たちのやり玉に上げられるだろう。
Open Source Software Lab for Microsoftの責任者で、オープンソース技術戦略の担当ディレクターも務めるRamji氏は、オープンソース関連のMicrosoftの活動に関して15分程度のプレゼンテーションをOSCONで行った。MicrosoftがPHPコミュニティに初めてコードを提供し、10万ドルを寄付したことで、わずか3社しか存在しないApache Software Foundationのプラチナ・スポンサーになったというのがその趣旨であった(ほかの2社はYahoo!とGoogle)。
ところがRamji氏のプレゼンテーションは、次第におかしな雰囲気になっていく。
| MicrosoftのRamji氏は、OSCONで聴講者から批判的な質問攻めにあった。しかし、同氏にとってそんなものは“慣れっこ”になっているようだ(画面は「OSCON 2008」のWebサイト) |
最初に質問したある参加者は、オープンソース・コードの特許権侵害をMicrosoftは申し立てないとしているが、具体的にはどうするつもりなのかと尋ねた。
聴衆はこの質問を声援や口笛で盛り上げ、会場は万雷の拍手に包まれた。
「今回のMicrosoftの決定を信じてもよい証拠は」という質問がこれに続き、さらに次の人物は「OOXML(Office Open XML)破綻」という言葉を持ち出し、Microsoftが強大な支配力をたてに国際標準を金で買おうとしたと非難した。
とはいえ、まるで防弾チョッキ代わりとでもいうようにWebブラウザ「Firefox」のTシャツを身につけたRamji氏は、こうした集中攻撃には慣れているようで、逃げ腰になることはなかった。プロプライエタリ指向の強いMicrosoft内で文化的改革を起こすべく努めていることや、18カ月間に及ぶ「Samba」開発者のジェレミー・アリソン(Jeremy Allison)氏との協働を通して信頼関係を築いたことなどをアピール。さらには特許の透明性を高めたり、米国の特許法が抱える欠点を是正するためのMicrosoftの取り組みを披露したりした。
壇上から降りた後も控え室に聴講者が訪れ、Ramji氏はその後30分近くも質問攻めにあったという。
Ramji氏は、後日インタビューの中で、「多くの参加者がその場にとどまり、もっと話を聞きたいと言ってきた。社外活動を許されたわたしのチームが進めている組織改革を評価し、われわれがOSCONに参加したことを感謝してくれる人もいた」と語っている。
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